厳しかった中ノ岳 2024年 8月18日(日)


 
日向山(ヒナタヤマ)
標高1561m
南魚沼市
 
中ノ岳(ナカノタケ)
標高2085m
魚沼市
SOTA JA/NI-009
  中ノ岳山頂、霧が晴れて避難小屋が見える

● 残りの一座

 越後三山、(八海山、越後駒ヶ岳、中ノ岳)は比較的登るのが容易な八海山は2度登った、天候にはあまり恵まれなかったが、岩山を登り下りする山は楽しめた。


 一昨年利根川の源流の丹後山、大水上山、兎岳に登ったが一番高い中ノ岳は私を拒絶するかのように高く見えた。


 去年は駒ヶ岳に登った、百名山の駒ヶ岳、休日の枝折峠が混むのは知っていたので仕事を卒業するまでは無理だと思っていた、慣れない車中泊にほとんど寝られずの山行だったが天気も良く楽しめた、すぐ前に見える中ノ岳にも登りたいと改めて思うようになった。


 この山は登り出しの標高が低いので、暑さが大変そうだ、ただ行程の長い山は昼間の時間が長い方が良いので、今の時期の登山は、痛しかゆしだ、中ノ岳の登山口は標高440mくらいで単純計算1640m以上の標高差が有る、古希を過ぎた私でも登れるものだろうか、ピストンで行く予定なのでダメなら撤退すれば良いさと行くことにする、ずっと天候が良くなかったが、珍しく一日良さそうだ、ただ見立ては甘かったようだ。


 土曜の夜十時半くらいに十字峡小屋駐車場に着く、土曜の晩なのに車は3台しか停まってない、台風が来ていたので敬遠されたのかもしれない、そしてその思いは登り始めてすぐに現実のものとなる。


 駐車場に着いてすぐに寝る支度をする、近くのダムの流れる音のほかは静まりかえっている、去年枝折峠で失敗したので、窓は一切開けなかった、でもやはり寝られなくて一度外で用を足すと、虫が一匹入り込んで足を刺されてしまった、今日は殺虫剤とかゆみ止めを用意しておいたのでちょっと進歩した気分だが、車で寝るのはもう少し工夫するする必要が有りそうだ。


● 暗いうちに

越後三山登山道入り口 一合目

 一時間ぐらいはうとうとしたようだ、3時半くらいに成ったので起きてコロッケパンを食し支度をして靴を履いて外に出る、4時15分くらいだが真っ暗だ、ヘッドランプを付けて登山口に行く、ここは丹後山に登った時に調べておいた所だ。


 夜中のうちは月の明かりで解らなかったが、月が山陰に隠れると満点の星空だった、時が過ぎるとともに曇ってしまったようだ、天気予報では曇りで一時晴れるとの事なので当たっている、ダムの音が聞こえる中コンクリートの急な階段を登る。


 階段が終わると樹林帯の中、急な登山道が上に続いているが、登山道は最近降った雨のせいか湿っていて滑りやすい、新潟県特有の茶色の粘土質の滑りやすい登山道だ、下山が心配になる、登って行くと一合目の標石が有る、やがて夜が明けて来ると左の方に八海山方面の展望が開ける、深く切れ込んだ黒叉沢に流れ下る支流には雪が残る。


● 夜が明ける

八海山方面が見えた、谷が深いですね

 振り返ると三国川ダムの先の方が見える、金城山の方かな、登山者が一人追い付いて来た、この先で登山道は崖に成っていて、鎖が付いている、岩は濡れていて超滑りそう。


登山者が追い付いて来たが 鎖場、岩が濡れている

 注意深く鎖を登ると、同じような崖で鎖が無い所が有る、手がかり足がかりは有るので大丈夫だが、湿っていて滑りやすい。


この岩場は鎖が無い 二合目展望が開ける

 二合目は開けていて展望が有る、稜線の上に建物が見える日向山の雨量計らしいが、まだまだ先のようだ。


● トラブル

 何らかの拍子に無線機を見るとメモリーが認識されませんと表示が出る、今までこんな事は一度もなかったが、SDカードが接触不良のようだ、抜き差ししたら無事認識したが、それまでのGPSデーターが取れてなかった、一合目と二合目の位置が解らなくなった。


 今日は長帳場なので、ハイドレーションを持ってきた、前に使っていたのはダメになってしまったので、モンベルの2Lのウオーターパックとドリンクチューブを買ったが、チューブが長すぎて調整が必要だ、全然使って無かったのが良くなかったようで、飲むと何となく苦いような味がする、やはり普段から水を入れて使った方が良さそうだ。


 チューブもザックに合わせて詰めないといけない。


中ノ岳方面 樹林の間に建物が有る

 不思議なことに、すぐ後ろまで追い付いて来た登山者が一向に現れない、どうしたのだろう。


三合目 雲に隠れた丹後山?

 登って行くと右側が開けた所が有る、雲に覆われているが丹後山のように見えるが。


展望の良い登山道、でも気を付けないと両側は切れ落ちている

やっと四合目 日向山山頂、五合目

● 日向山

 四合目は地形図の1269mのところで標高差で半分くらいは登ったところだが、地図上では半分にほど遠い、五合目の日向山まで、暗い樹林帯の急な登りが続く、日向山山頂は山頂標柱と五合目の標石の有るただの通過点のようなところだ、ちょっと先に三角点と雨量計の建物が有る所に登る道が有る。


 休んでいると登山者が登って来たが、前に見た人と違い若い登山者だ、不思議に思って聞いてみると、前に追い付いて来た登山者は引き返したようだ、縦走するのか聞くと天気がいまいちなので解らないと言う、じっとしていると虫がまとわりついてきて大変だ、休憩後出発するが縦走する人と一緒では時間が押してしまうので先に行ってもらう、私の体力では到底ついていけないし。


● 下りに成る

池塘が有る 不思議な穴

 ここから下りで川のような道を下ると茶色い水の池塘が有る、先の草原の左の方に穴が開いている、こんな穴を見るのは初めてだ、尾瀬の池塘の底にはトンネルの水路が有るのをテレビで見たことがあるが、それと同じものかもしれない。


二番目の池塘と健脚の若者 六合目

一瞬雲が切れると栃ノ木沢に落ち込む深い谷が見える、正面の雲の塊が無ければ山が解るのに

● 急な登りに

 ここから登山道は先に見えるピークに向かって登って行く、どちらかに逃げてくれると良いのになーと思いながら行くと、ピークに登って行く登山者が見える、後に地図で見ると、このピークは先から来ている尾根の先端で当然登らなければならないい尾根でした、途中空腹を覚えたので、ランチパックをポカリで流し込む、歩いていないと虫が容赦なく襲ってくる。


正面のピークの斜面を登る健脚の若者 フジバカマ?

ミヤマママコナ アキノキリンソウに見えるが

ピークに登ると七合目 急な登りは続く

● 遭難救助?

 この辺りからヘリコプターの音が聞こえてくる、谷間にこだまして大きな音が聞こえる、どこを飛んでいるのか谷の方を見るがなかなか姿は見えない、丹後山に登った時は高い所を、駒ヶ岳の方に飛んで行った事が有ったが、この辺りの登山道、危ない所は至る所に有る。


 やがて霧の中からヘリコプターが登って来る、遭難者を探しているのかゆっくりと飛んでいる。


霧の中にヘリコプター 色鮮やかなハクサンフウロ

頭の上を飛んで帰って行く リンドウがあちこちに

 ヘリコプターは頭の上を飛んで帰って行った、青地に赤い線は警察のヘリコプター?


八合目 ヤマハハコ

 ここからの登りは笹の中の急登で登っても登ってもまだ先が有るような登山道でした。


● 池の段

やっと九合目池の段の分岐 ニッコウキスゲみたいだが今でも咲くのかな

霧の中、中ノ岳山頂ピークが見えた マツムシソウ

 ここで登山者が一人登って来た、後で調べたら、YAMAP のユーザーで「スーパーなめこブラザーズ」さんでした、なめこのキャラクターとスマホを手に持って写真を撮りながら登っていました、トレイルのようないでたちで、半そでなので大丈夫だったのかメールを出したら、やっぱり刺されて痒かったそうでした。


 私はやっとの登っているので、すぐに先を譲ります。


やっぱりキスゲに見える この花はイワショウブかな

花は少ないがお花畑 ここを登った先が

● やっと山頂

着いた!! 山頂三角点 十号目は中ノ岳山頂でした

 やっとの事で中ノ岳山頂に立つことが出来ました、左の黒い方が写真を撮るスーパーなめこブラザーズさん、右が健脚の若者で、まだ山頂に居ました。


 二人とも縦走するつもりだったようですが、なめこブラザーズさんはガスで展望が期待できないと、戻って行きました、健脚の若者はちょっと先に行ってみると言って下って行きました。


 今日は日曜日なので、430MHzのアンテナを組み立てて三脚に取り付け、チャンネルを聞くと、磐梯山の山頂局の CQ がフルスケールで飛び込んできました、すかさず呼ぶと取ってもらえ、山頂同士タイミングが合えば簡単に繋がりますね。


 その後空いているチャンネルを探して CQ を出すと十日町市の局、猪苗代町のモービル局、と交信出来ました、時間が無いのでおにぎりを食しつつ、無線を聞くと、宮城県刈田郡の局の CQ が聞こえたので交信してもらいました、持ってきた1200MHzは出番が有りませんでした。


 無線運用をしているとき、雲が取れて青空が出ると背中が熱くなるが、すぐに雲に覆われてしまいます。


 アンテナの向きが 7エリアに向いていたようで福島県、宮城県と交信することが出来ました。


中ノ岳山頂で無線を運用

 無線運用をしているときに登山者が一人登って来ましたが、避難小屋の方に行ってしまい山頂では私一人でした、無線も出来たのですぐにアンテナをたたんで下山にかかります。


● 下山

山頂直下の雪渓が残る

 下って行くと九合目池の段の所で座り込んでいる登山者が居ました、誰かを待っていたのかな、丹後山に登ったときは下って来る登山者が沢山いましたが、今日は登山者が少なくて静かな山行でした、下って行くとき、ペアの登山者が登って来て、避難小屋に泊まるとの事で、それ以外の登山者は居ませんでした。


 下りは滑って転ばないよう、笹をつかみながら注意深く三点確保で下りました、この山は蛇が多く10回近くも見かけました、登山道で日の光を浴びてるのか、近づくと藪に入るが、戻るのが面倒なのかしっぽが見えたまま動かない蛇もいました、体が見えなかったので種類は解りませんがマムシではないような気がしました。


池塘にはオタマジャクシ これはミズバショウ?

 池塘まで下ると水面に波紋が広がってます、雨かと思ったが良く見ると沢山のオタマジャクシでした。


日向山の三角点、後ろの建物は雨量計 しゃくなげ湖が見えて来たが

 日向山まで下って、三角点の有る雨量計の建物を一回りしてきました、ここから先の急な登山道、鎖場も有るし、鎖のない急な崖も有るし、滑りやすい粘土質の登山道も有って気が抜けない。


岩場を何とか下る まだまだ急な下りは続く

 崖や鎖場では後ろ向きに慎重に下り、長い長い登山道に足はがくがく体は汗でびっしょり、ほうほうの体で登山口に下りたった。


 汗でびっしょりだったので、服を着替えて何とか帰りしたくを済ませると、健脚の若者が下って来ました、兎岳、大水上山、丹後山の縦走路を下って来たようでビックリしました、ほぼ下りの登山道とはいえ、長い長い道のりを下って来れる体力にはうらやましい限りです。


 今日もコンパスの下山通知を忘れて、家に帰ってから慌てて通知を入れる、下山時間をもう少し遅くしとけば良かった気がする。


● 記録


 十字峡小屋駐車場 4:22 -(0:44)- 5:06 一合目 -(0:52)- 5:58 二合目 -(0:43)- 6:41 三合目 -(0:31)- 7:12 四合目


 -(0:52)- 8:04 五合目 日向山 8:19 -(0:19)- 8:38 六合目 -(0:41)- 9:19 七合目 -(0:39)- 9:58 八合目


 -(0:36)- 10:34 九合目分岐 -(0:28)- 11:02 中ノ岳山頂 12:05 -(0:19)- 12:24 九合目分岐 -(0:22)- 12:46


 八合目で休憩 12:54 -(1:15)- 14:09 日向山三角点 14:21 -(1:38)- 15:59 休憩 16:03 -(0:55)- 16:58 駐車場


カシミール3Dで作る、登り赤、下り青だが、青ばかりに成ってしまった

2024年 8月 foxtrot