八海山 (ハッカイサン) |
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標高 1778m (入道岳) |
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新潟県南魚沼市 | ||
登山日2016年 7月23日 | ||
不動岳から薬師岳、千本檜小屋を俯瞰する |
● 八海山は
八海山は若いころスキーで何度か行った事がある、長さ3kmのダウンヒルコースが魅力のスキー場だった、仲間と4名位で行って大して上手くもないのにビデオを撮ったりした、南向きのゲレンデなので早朝はコンディションが良いが日が当たると雪が融けてしまうのが難点だった。
六日町のインターで高速道路を下りてスキー場に向かう途中、酒屋に寄って「八海山」を倉から出して置いてもらいスキーの帰りに買って、先輩は一人車の中で飲みはじめ、口当たりが良いので「家に着くまでに無くなっちゃうな」なんて言っていたのを憶えている。
山歩きを始めてからは1999年、まだ梅雨の時期、巻機山に登りたくて、下見がてら巻機山の桜坂の登山口や三国川ダムの十字峡の登山口などを偵察に行った、いつかは八海山にも登るつもりで山口の八海山登山口も確認しておいた。
そのいつかを実行する時が来た、丁度「あにねこ」さんのホームページに屏風道を登り新開道を下る八海山縦走のレポート出ていたのでルート地図をコピー天気の良くなる日を待っていた、週の後半になるにつれ曇りから晴れの天気予報になったので、7月23日出かけることにする、深夜2時くらいに家を出るコンビニでおにぎりを仕入れるとくじが一回引けて缶コーヒーが当たった、幸先が良い。
六日町のインターチェンジで降り17年前に調べてあった登山口を目指すが、バカなナビは一本手前の道に曲がってしまい林道終点に突き当たってしまった、阿寺山へ登る道のようだ、戻って直進、大学の建物のところを右折すると八海山の登山口に着く、車が2台停められていて、支度をしている人がいる。
まだうす暗くてどこを登れば良いのかわからないので、支度をしている人に登山口を聞くと屏風道の登山口を教えてくれるが、話し方に「この人本当に大丈夫かいな」といったニュアンスが感じられる。
ほどなくこの登山者は出発するので私も支度をしてうす暗い中出発する、むかし表妙義の縦走をするときに作った、カラビナ付きのハーネスも用意、給水も十分とれるようハイドレーションも用意した。
● 屏風道を登る
久しぶりの出番となったカラビナ付きのハーネス | 八海山登山案内図のところから沢に下る |
登山口から沢に下るとすぐに赤い鉄骨がある、古い橋の残骸かと思ったら、「釣りかごの使用について」とかかれていて増水時に使うゴンドラのようだ、沢の対岸に増水時以外の使用を禁止しますと書かれている。
釣りかご | 三合目の祠 |
ここから杉の植林地の中の道を登る、登山道には枯れ葉が積もっていてふかふかして歩きやすい、前に行った人は余程の健脚なのか全く気配がない。
うす暗い道を登って行くとほどなく左側に岩屋がありお狐様と祠があり三合目のようだ、ここで一人の登山者が追い越していく。
辺りが明るくなってくると正面に滝が見えるこれが「清滝」だろうか。
清滝? | 四合目 |
沢を渡渉して登って行くと四合目の案内板がある、右に行くと水場が有るようだが必要ないので五合目に向かう、登山道は急になり鎖が現れた、この後鎖場はいくつも続き、鎖の無い所でも岩角につかまって登るような急登が続く、登って行くと岩に埋め込なれた五合目の道標がありここで一息つくことにする。
● 鎖が出てくる
鎖場が現れる | 五合目で休憩する |
夢中で登って来たが振り返るとかなり高度が上がっていて、六日町方面の展望が広がっている、左の方の高い山が巻機山のようだが、あいにく山頂には雲がかかっている、汗はびっしょりとかいているが、日差しが弱いので楽なようだ、ハイドレーションもあるので給水も十分だ。
五合目からの展望 |
休憩後登り始めるが、登山道は相変わらず鎖の連続で先を見てもルートがあるように思えない岩峰が続いている。
岩場のペンキを頼りに登る | 六合目 |
六合目を過ぎて尾根上に出る、正面を見ても登山道らしいところが無いが、よく見ると正面の岸壁に鎖が下がっている、ここを過ぎると岩に苔が付いたところがある、手を突くとたっぷり水を含んだ苔から水が染み出した。
登って行くと「七合目のぞきの松 釣り鐘」と書かれた道標がある、若い登山者が登って来て追い越していく、右の屏風沢の方に行く道が有るので行ってみると祠に銅像と鐘がある、銅像の横に木槌があるので一回鐘をたたいてみた、カーンと大きな音がする。
七合目から上は右側が切れ落ちたクガイソウの咲く薮っぽい所で、一部崩落していて道が無い所があり気を使う、道は沢の中を登るようになり、大きな岩が有るのでここで2度めの休憩をする、若い登山者が登って来て先に登って行く、休憩後歩き始めると、先に行った登山者が上にいる、ちょっと荒れたところだが、上に登山者がいるので急な沢を登り大きな岩が二つ並んだ上に草をつかんでよじ登る、だが岩の上に立つとちょっと様子がおかしい、奥が完全に詰まってしまっている。
● 道を間違う
登山道は沢の中に | 岩の上から見下すと踏み跡が左に続いている |
下を見ると沢から左に踏み跡が出ている、間違えて沢を登ってしまったようだ、高さにして6〜7mだが登るのは良いとして、下るのは足元が見えないので大変だ、左の斜面をたかまき出来ないか見てみるが斜面はきつく先がどうなっているのか見えず行けそうもない。
ザイルが有ればどうという事もないが、何としても下るしかない、落ちたら止まるところが無くただではすみそうにないが、若い登山者が下りにかかりしばらく悪戦苦闘するが、足を置くところが見つからないようで、下るのをあきらめて戻ってしまった。
若い登山者が沢を下る。 |
今度は私がチャレンジする、草をつかんで下り左のほうに足を置くことが出来て、何とか岩から下ることができた、下にいて万が一巻き添えになるのは御免なので、すぐに沢から離れ登山道に行く、今度は若い登山者も下ることができてほっとする。
ピンチを切り抜けて八海山を目指してまた登り始めるが、今度は左の太ももが攣ってしまう、水分は十分取っているが、足が攣るのは疲労と極度の緊張のせいか、若い登山者は先に登って行き私はし汚れるのもかまわず登山道に座り込んで、攣れが引くのを待つ、しばらく休むと良くなるが、歩き始めるとまた攣ってしまう、焦らず登山道に座り込んで傍らの花の写真などを撮りながらしばらく休むと、何とか歩けるようになったのでゆっくりと登る、他にも登山者がいるようで七合目の鐘の音が聞こえる、まだまだ鎖場は続き、岩の下にシモツケソウが咲いている。
ヤマホトトギス? | シモツケソウ |
斜面が緩やかになると笹の道になり千本檜小屋の避雷針が見えて来る、良く刈られた笹の道をゆっくりと登りやっと小屋に着いた、千本檜小屋には全くひとけが無い。
● 千本檜小屋に着く
千本檜小屋が見えてきた | 小屋に着く |
千本檜小屋の建物の間を通って裏に回ると水無川が深く落ち込んでいる、天気予報に反して雲が多く残念ながら駒ヶ岳は雲の中だ。
駒ヶ岳は雲の中 | ベンチで大休止 |
時間に余裕が有ったら薬師岳まで足を延ばそうと思っていたが、道を間違えたり足が攣ったりでもうその元気はない、ベンチに座って休みなが ら430MHzでCQを出すと長岡市の局が応答してくれた、そうこうしていると一名の登山者が登って来た、また若い人で足が攣って休んでいるとき七合目の鐘を鳴らした人のようだ、地元だが初めて登ったと言う、山を始めて一年で一人で屏風道を登るとは、将来が楽しみな人だ、登山者がいないのはロープウェーの始発が8:00なのでまだここまで登って来れないらしい。
● 八ッ峰に向かう
正面に地蔵岳 | 地蔵岳から屏風道を見下ろす |
十分休んだので八ッ峰に向けて出発する地蔵岳の南側のうかい路の分岐を北に行くとすぐに鎖があり不動岳との鞍部に出る、千本檜小屋の方向に登るとすぐに地蔵岳の山頂に立つ、薬師岳や八海山ロープウェーなどの展望が良い、登って来た屏風道も見下ろせ展望が良い。
不動岳山頂 | 下ってすぐに登り返す |
戻って今度は不動岳に登ると山頂には不動明王や燭台、石碑などがある、スリルのある岩峰を登ったりくだったり、たくさんの人が登る山なので高度感があるが、屏風道よりも歩きやすい気がするが。
若い登山者が追い付いてくる | 大日岳へ登る梯子 |
登って行くと後ろから若い登山者が追い付いてくる、鎖場を7つも越えてくると疲れてきた、大日岳の手前で休憩、ヤキソバパンをほおばる、ここで若い登山者がカランカランという鎖の音を立てながら先に登って行った、休憩後大日岳に登る、ここが八ッ峰の最高点らしい、地形図にも載っているので、無線機を取り出しCQを出すと三条市の局が応答してくれた、無線を終えて歩き出すと登山者が登ってくる、ロープウェイで登って来た登山者が追い付いてきたようだ、辺りはガスが出て良く見えないが、大日岳を下って入道岳に向かうことにする。
大日岳山頂 | 大日岳を下る |
霧の中、入道岳に向かって登って行くと間違えて沢を登ってしまった登山者が下って来た、若い人は元気が良い。
● 入道岳へ
入道岳への登山道 | 入道岳山頂 |
道には幾つか花が咲いているが名前が解ったのはシモツケソウとノギランくらいで調べてみたが良く解らない、入道岳の山頂に付くと大日岳の登りで先に行った若い登山者が食事をしている、正面には駒ケ岳が有るはずだが雲の中だ。
入道岳を後にする | 新開道分岐 |
食事をしていると若者のグループが登って来て山頂標識の前で八海山の小瓶で乾杯しながら記念写真を撮っている、狭い山頂だがなかなかにぎやかだ、撮影後八海山を飲んで「うまいうまい」を連発していた、辺り一面真っ白な中アキアカネが沢山飛んでいる、食事のあと山頂からちょっと離れた場所にアンテナを設営、CQを出すと平ヶ岳でも交信していただいた新潟市の局が応答してくれた。
● 下山
八ッ峰を仰ぎ見る | 登山道にマムシがいた |
下山の新開道は普通に歩ける道だと思ってストックをもって下るが、大日岳下からうかい路に入るとアルミの梯子が何段もつながり、しかも下の方は壊れている、新開道に入ると鎖場が有って、滑りやすい急な下りで屏風道と変わらない、ストックをしまって注意深く下って行くと急なのは初めだけですぐに普通の登山道になる、入道岳を左に見ながら下って行くと登山道に蛇が二匹いる、縞模様からマムシのようだ、あまり大きくないが二匹でいるとは繁殖期かな、藪の中に入っていくのを待って下山する。
七合目カッパ倉 | 油揚げが供えられる稲荷清水 |
正面にピークが見え、少し登り返すと七合目のカッパ倉のようだ、頂上より少し下ったところに七合目の標石があり、屏風道の尾根が見えるが何処を登ったのか全く分からない。
広葉樹の茂る樹林帯の中の滑りやすい急な下りが続き、カーブしたとところにお稲荷さんが祭られている、真新しい油あげがそなえられている、ここで休憩することにした。
三合目の標石 | 夏草の茂る道に出る |
三合目の標石を過ぎると、夏草の茂る開けた杉の植林地にでる、日差しが熱い、沢を渡ると刈払われた広い道になり林道の終点に出た。
林道に出る | 二合目登山口 |
林道を下って行くと右に下る所が有るが、道標が見当たらない、地図を見ると林道が登山口を通るようなのでそのまま下って行くと三つ並んだお墓のあり先が車を停めた2合目登山口にだった。
● 記録
二合目登山口 4:21 -(0:53)- 5:14 四合目 -(0:29)- 5:43 五合目で休憩 5:51 -(1:10)- 7:01 七合目 -(0:17)- 7:18 休憩 7:24
-(1:24)- 8:48 千本檜小屋 9:07 -(1:16)- 10:23 大日岳 10:38 -(0:33)- 11:11 入道岳 11:51 -(0:32)- 12:23 新道分岐
-(1:16)- 13:39 七合目 -(カッパ倉) -(0:31)- 14:10 稲荷清水 14:22 -(0:50)- 15:12 二合目
赤往路、青復路、カシミール3Dで作りました |
2016年 7月 foxtrot