はやいものでもう23年も経ってしまった。 2024年 6月12日

私のアンテナ

 1993年4月この地に家を買った、自分の家が持てたらアンテナを上げたいと思っていた、でも現実は厳しく生活するのと家のローンを返すので、タワーを建てるなど夢のまた夢だった。


 住み始めて当初、近くにホームセンターが有ったのでまずはアルミの脚立を買ったでもこれでは屋根に登れないので、2連梯子を買って屋根に上がりテレビアンテナ用の屋根馬を使ってGPアンテナを上げた。


 1998年、IC-706mkⅡを買ってからは竹竿で7MHz用のダイポールを上げたりしていたが、やっぱり無線はアンテナだ、しっかりしたアンテナが上げられるタワーや電柱のようなものが欲しいという思いはずっと続いていた。


 無線用の屋根馬を使って屋根の上にアンテナを上げることは出来るが、安普請の建売住宅、屋根の上に重たいものを上げると、屋根が傷むのは目に見えているので、それは初めから考えられなかった。


 そんな時、ローカルさんが中古のパンザを建てたという話を聞いた、中古のパンザマストならば、何とかなりそうな気がしたので、ローカルさんに詳しく話を聞くとスクラップ屋さんに頼んで手に入れたとの事だった。


 パンザならば自分で建てることが出来るので、私もスクラップ屋さんに頼んで、パンザマストを手に入れる事にする、建てることなど考えもせず、とにかく何とか手に入れたいの一点張りだった、でもなかなか一筋縄で行かなかったが何とか入手することが出来た。


 ローカルさんは赤堀町のスクラップ屋さんから入手したが、そのスクラップ屋さんは私が頼んだ時にはすでに扱って無くて仲間の前橋のスクラップ屋さんに頼んでくれた。


 2001年 7月、頼んでおいた品物が入ったというので、知り合いから軽トラックを借りて前橋の両毛線の近くのスクラップ屋さんに取りに行った、値段は3万円で R310(13.3) 8本つなぎで全長が13.3mらしい。


● パンザが手に入った

買ってきたパンザマスト R310 こんなものを手に入れて大喜びするなんて..

 少し問題が有った、まず足場ボルトだ、手に入れたパンザ用の足場ボルトは数が少なく、足りないが、古いタイプの足場ボルトとコン柱用が沢山有った、それと先端のキャップが無かった。


R310 1991年2月の生産? 足場ボルト

 左がこのパンザ用、右がコン柱用、中は古いタイプのパンザ用、数が足りないのでスペーサーを作ってこれを利用する。



下から2番目のパンザ 休みの日にサビ落としをする

   サビ止めを塗るオリジナルのものは入手できないのでコールタール
   を塗った。

 10月に成っていよいよパンザを建てる事にする、CQ出版社の角居洋司 著「アンテナ工作ハンドブック」基礎編、実践編が参考に成った。


パンザマストはこのようにして置いておく

 パンザは反対向きに重ねると一段分に成る、普段はこの状態で軒下に置きブルーシートをかけておいた、右の竹竿は7MHzのダイポール用。


 道具で一番高かったのは手放しで高所作業が出来る安全帯で、ホームセンターで1万円くらいだった、これは絶対に必要で、他にはパンザを上に載せて打ち込む為の大きな樹脂ハンマーが比較的高価だった、他には穴を掘るためのシャベルと土を運び出すためのブリキのバケツ、深さを測るために2.5mの竹の棒などだ。


 アンテナを上げるためのポールは入手しやすい単管パイプを使う事にしてパンザを積み上げるときの道具になるので一番長いのと4mのを買っておいた。


● 穴を掘る

穴を掘り始める、目標深さ2.5m、横の棒は2.5mに切った竹

 2001年10月の天気の良い休日、いよいよ穴掘りを始める、本来こんな掘り方は強度を考えると良くないようだが、自分で建てるのでそんなことは言ってられない、娘がまだ小さかった。


 横長に掘ったのは2.5mも掘るのでは砂を出すのにこうするしかなかった、パンザの長さからすると埋める深さは2mで良いが、下に50cm分石を敷いてパンザが沈まないようにするためだ。


掘って行くと雨水用のパイプが出て来てしまった

 我が家の土地はもともと桑畑だったようで、その上に埋め土をして造成したようで、掘ると沢山の石が出てきて大変だったが、土は砂と違ってしまりが良く規定どうりに埋めたので20年以上経った今も全く問題ない、強風で家が飛ばされてもパンザは残るような気がする。


 ここの土地はすぐ北側に利根川が流れているせいか2mくらい掘ると砂地に成った、掘るのは楽に成ったが、砂がどのくらい続くかは判らないが、石を敷き詰めたのは正解だったようだ。


深くなると下に降りられなくなるので脚立を使った、ここで一日目が終了


 二日目の開始。


深さを測る竹の棒と比べてもう少しだ

目標の深さまで掘れた

 目標の深さまで掘れたのでこの後いよいよパンザを建てる、まず出て来た石を底に敷き詰める。


単管パイプで吊るす

 下の2本をつないだパンザを、脚立と梯子にかけた単管パイプでつるし下水のパイプを壊さないようにして穴に降ろした。


上手く降ろせた

 穴の底にパンザを立てて、少しずつ砂を埋め戻すがこのとき垂直が出せるかが一番心配だった、下げ振りという錘りを糸で吊るしたのを吊り下げて調べるが揺れてしまうし、パンザはテーパーが付いているので良く解らず、最後はエイヤで埋めてしまったがパッと見垂直は出ているように見える。


● 何とか立てられた

もう一段かぶせて終了

 3段目をかぶせて2日間の作業終了、水が入らないようゴミ袋をかぶせておいたが。




 11月に入ってから休日を使って残りの5段を積み上げる作業をする、被せておいたゴミ袋は雨が降ったら重みで中に落ちてしまった、今でも中の底に有ると思う。


● 残りをかぶせる

4段めを吊り上げる

 この高さに成ると一人では持ち上げることはできない、そこで先端に滑車を付けた単管パイプを足場ボルトに取り付け上に伸ばしておきロープで吊り上げる、これは「アンテナ工作ハンドブック」に書いてあった、ロープを引けば上げることは出来るが”重い”車で引こうかと思ったが、単管パイプにロープを巻き付ければ引き上げられること思いついた。


簡易ウインチ

 単管パイプに何かの役に立つだろうと買っておいた工事用の鉄の棒を取り付けクランクにしてロープを巻き上げるといとも簡単に上げることが出来た。


上まで引き上げたら上からかぶせる

 針金で縛って固定して、上に登り、書いてあるマークの位置を合わせて下ろし、ハンマーで叩きこむ。


向きを合わせて降ろしてハンマーで打ち込む

 上の段はちょっと怖いがこんなふうにしてからパンザに登る、隣に有る
 のは7MHzのダイポール

上から見ると、たいした高さではないが怖いです

蓋が無かったので使い古しのアルミの鍋をたたいて蓋の形にしました

今回はここまで

 取り合えず有り合わせの部品で、GPアンテナを上げて、竹竿で上げていた7MHzのダイポールを移して終了。



● 続く...


2024年 6月 foxtrot