大真名子山、小真名子山縦走 2022年10月20日(木)

 
大真名子山
(オオマナコヤマ)
標高2376m
栃木県日光市
 
小真名子山
(コマナコヤマ)
標高2323m
栃木県日光市
  大真名子山山頂

● ずっと登りたかった

 2012年太郎山に登ったとき帰りに、大真名子山、小真名子山、女峰山に登る為に登山口になる志津乗越を確認しに行った、登山口のある広場には、駐車禁止の看板がいくつも立てられているところに、何台か車が止められていた。


 女峰山は霧降高原の方から登ったが大真名子山、小真名子山は登れないまま10年も過ぎてしまった。


 山の会の人たちが、志津乗越のずっと手前の梵字飯場跡の駐車場に車を置いて、大真名子山、小真名子山を縦走したので、私もこれに倣って行く事にした。


 10月14日金曜日、天候が良さそうなので行こうと用意したが、朝雨が降っていて、日光方面も天気が悪そうなので中止にし、天気の良くなるのを待っていたが、今週はずっと好天が期待できそうで、特に20日の木曜日は良さそうなので出かける事にする。


 何度も通っている国道122号線で足尾から日光のいろは坂を登って行く、まだ朝の6時代だというのに、明智平の駐車場は満車のようだ、しかたがないので、そのまま梵字飯場跡の駐車場に向かう、駐車場はちょうど一台空いていた、平日なのにこんなだと休日はどうなるのだろう。


 支度をしていると道路反対側に停めた車から自転車を降ろしている登山者がいた、聞けば太郎山に登るという、登りは歩くのと同じだが、下りが楽だと言う、太郎山の登山口なら、志津乗越の半分くらいなのであまりご利益は無さそうだ。


 駐車場から林道を歩きだすと、工事の車なのか、2台ほど車が林道を登って行く、その後から自転車の登山者が追い越していった。


 今年は夏から山歩きに良さそうな日が無いまま紅葉の時期になってしまった、林道のヘヤピンカーブを曲がった先が丁度紅葉の見ごろだ、林道は平らで歩きやすいだろうと思っていたが、結構登っているようで息が切れる。


● 林道を歩き出す

駐車場から歩き出す 紅葉が見ごろだ

 太郎山の登山口に先に行かれた登山者の自転車が置かれていたが、志津乗越にも自転車が一台デポされていた、休んでいると一名の登山者が登って来た、本日は自転車の登山者とこの人の2名しか会わなかった、後から来た登山者は男体山に登って行き、私は笹を分けて大真名子山に向かう。


● 信仰の山

志津乗越から大真名子山に向かう 和徳霊神

 笹の茂るカラマツの森を行くと守久霊神の大きな石碑が有ってその先の石垣の上に3つの石碑が有る、真ん中の石碑は和徳霊神と読め、右の方には八海山神像の立派な銅像が有って、ここが古くから信仰の山だというのが解る。


八海山神像 樹林帯の急斜面を登る

 針葉樹の茂る急な登山道を登って行くが、あまり登山者は多くないようで、落ち葉の溜まった道は荒れている、登山道には大きな霜柱が出来ていて、もう冬山の体だ。


 幸い登山道にはルートを示す□のマークがずっと付けられているので、おかしいと思ったときはあたりを良く見ると、登山道を示すマークは必ず見つかるので問題ない。


 でも気温は低いようで、手はかじかみ、展望の無い樹林帯の急な登山道を一人登って行くと、自分は何でこんな事をしているんだろうと気分は沈んで来る。


 木々の間から戦場ヶ原が見えるちょっと開けた所が有ったので、ザックを降ろし休憩、ウイダーとアンパンでエネルギーを補給すると、すこし元気になった。


黄色の紅葉はつつじかな 樹林の間から青空がのぞき山頂かなと思ったら

 急な登山道をひたすら登って行くと樹林の間から青空がのぞき、開けた所に出ると、岩の上に立派な銅像が有る、三笠山神だった、岩をよじ登ると正面は切れ落ちていて、青空のもと日光の西側の大展望が広がる、一番高いのは日光白根山らしい。


岩の上に立派な銅像 左から日光白根、金精山、金精峠、温泉岳かな

 登った岩の上を右に行くと樹林に入り登山道に合流する、登って行くと鉄梯子が出てくる、ここから高度感の有る岩場の急登になって鎖が架けられている、ここに来る前に、登山道の GPX データーや駐車場のマップコード、コースタイムなどは調べたが、大真名子山、小真名子山の登山記録など読んでこなかったので、ちょっと驚いてしまった。


山頂はこの上らしい 千鳥返しの鎖場

 鎖場を登ると南側の展望が良い、この後また鎖場が有ってやっと大真名子山の山頂に登ることが出来た。


正面に男体山 南東側、遠く筑波山が見えた

● 大真名子山山頂

大真名子山山頂の御嶽神社 すぐ近くに見える太郎山

日陰には雪が残る 木の枝が邪魔だが小真名子山

 写真を撮ってから南側が開けた所にストックを立ててアンテナを組み立てて、空いたチャンネルを探し CQ を出すと清瀬市の局が応答してくれ、その後、笠取山でも呼んでくれた深谷市の Kさん、何度か交信している川口市の K さん、最後に宇都宮市の局と交信する事が出来た。


 何か飲んだり食べたりしたい気分だが、帰りの事を考えるとゆっくりもしてられない、御嶽神社でこの後の登山の安全を祈願してすぐに、小真名子山に向けて出発する。


北側の斜面には雪が残る 崩落地が有る

 雪の残る斜面を下って行くと、右側が大きく崩落しているすぐ脇を登山道が下っている、このまま崩落が進むと道が無くなってしまいそうだ。


 下った後はまた登らないといけないので、鞍部はまだか、鞍部はまだかと思いながら急な斜面を下って行くと、タカノ巣と書かれた道標の有る鞍部がある、ちょっと開けていて大真名子山が見えていた。


大真名子山と小真名子山の鞍部「タカノ巣」 大真名子山を見上げる

 ここからまた急な登りが始まる、小真名子山への急な登りを休み休み登って行くと樹林帯の中に山頂標識が有って小真名子山山頂に着いた。


● 小真名子山山頂

小真名子山、山頂まではまだまだ 小真名子山山頂、樹林帯だ

東側に帝釈山と女峰山 南に大真名子山、千鳥返しの岩場が段になっている

 山頂南側にストックを立ててアンテナを組み立て、無線を聞きながら、カップ麺と、おにぎりをいただく、帰りの林道歩きが長いのでゆっくりしていられない、ちょうど東京日野市から移動局が CQ を出していたので呼んでみる、移動局の混信が激しいが何とか交信してもらえた。


 その後、チャンネルを探すがここはロケーションが良すぎて、ほとんどが不法局だと思うが移動局が沢山出ていて、空いている周波数が見つけられず、時間も無いので諦めて下山することにする。


三角点と反射板が有る 栃木の山紀行の山名板

 富士見峠に下ろうと裏の方に行くと、こちらは開けていて展望が良い。


川俣湖が見える 平ヶ岳と燧ケ岳

ロープの付けられた急斜面 帝釈山と女峰山

 富士見峠に下る登山道は急な岩場にロープが付けられていて、ルートには岩に目印に黄色の丸書かれている、それが終わると今度は急なガレ場に成っている、こんなに急で長いガレ場は初めてだ、一人なので岩を落としても心配ないが、注意深くゆっくりと下る。


● あとは林道歩き

下って来たガレ場を見上げる 富士見峠、樹林帯で富士山は全く見えない

 富士見峠まで下れば後は林道歩きだけだ、道は荒れていて大きな石が沢山有ってとても歩きにくい、でも下って行くと、普通の林道に成ってくる、樹林帯の中を大真名子山の山頂を目指して登った時は寒さと急登に気分は沈んでしまったが、今は無事2座登ってこれて、この後危険な所も無さそうなので、気分はルンルン、林道をグングン下って行く。


林野庁の看板が有る ここだけ舗装が残る

やっと男体山が見えて来た  

 林道を下って行くと、工事の音が聞こえていた工事現場が有って重機が動いている、山が崩れるのを防ぐ工事をしているようだ、朝 林道を登って行った見覚えのある車もここに止められていた、工事の人にあいさつして、林道を下る、広い場所も有りそうなので、ここまで入れるように駐車場も作ってもらいたいものだが、環境保護も有ってダメなのだろうか。


 下って行くと工事現場の事務所が立てられていて衛星電話かBSかパラボラアンテナも設置されている。


工事現場のところから女峰山が良く見える 女峰山への分岐の馬立

 女峰山への分岐は、林道途中の何でもない所に道標が有る、ここから女峰山まではかなりのアルバイトを強いられそうだ、男体山が見えてくるが、位置関係からすると志津乗越まではまだだいぶ先のようだ、三叉路を過ぎると林道は登りに成り、汗が出てくる、これだけ林道が長いと、ルンルンの気分から、暗くなる前に駐車場に着けるのか、足は持つのか不安が募って来る。


志津乗越までは、マダマダ だ やっと志津乗越に着く、なぜか車が一台

 日が沈みかけてきたころにやっと志津乗越に着く、なぜか名古屋ナンバーのワンボックスが一台止まっている、登山者では無さそうだが、字が読めないのだろうか。


 水を一口飲んで、梵字飯場跡の駐車場目指して歩き出すとしばらくして、ワンボックス車が下って行った、太郎山の登山口に自転車はもちろん無かった、それでも暗くなる前に私の車だけ停められている駐車場に戻ることが出来た。


 GPS のデーターが取れていたので歩いた林道の距離を出してみた、梵字飯場跡の駐車場から志津乗越まで 4.9Km 富士見峠から志津乗越まで 12.3Km 林道歩きの合計が 17.2Km だった。


 これで日光方面の高い山はだいたい登れたが、それぞれ思い出深い山ばかりだ、日光白根山は1997年6月に登ったが当時はIC-12Nと自作アンテナを使って1200MHzで沢山の局と交信出来た、同じ年11月に中倉山に登ったが、この時は今は亡き太田の先生の案内で山と無線のメンバーや群馬のローカルさんなど総勢15名で登り、大変楽しかった思いが有る、次の年11月にも太田の先生の案内で赤倉山に登ったが、紅葉が綺麗だった。


 1999年 7月に大清水から物見山、鬼怒沼山に登ったが、健脚のベテラン登山者と登ったのでついていくのが大変だった。


 2011年 9月に、四郎岳、燕巣山に登たときは富士山が見えて感動した、同年10月にはこの時見えた錫ヶ岳に登り、今まで登った一番大変な山だったと思う。


 2012年10月には山の会の S さんと社山に登った、足尾から縦走したのでとても長かった、2017年10月には女峰山に登ったが、足が攣って大変だったが何とか山頂に立つことが出来た。


 日光方面の山は、天候に恵まれず山頂からの絶景が見られなかった山や、また登ってみたい山、まだ登って無い山が有るので、また登ってみたい。


 帰りも 122号線で足尾から帰ろうと中禅寺湖に下るが、華厳の滝の信号から渋滞が始まり、いろは坂はずっとのろのろだった、平日の午後6時過ぎなのにこんなに混んでいるとは驚いてしまった。


● 記録


梵字飯場跡駐車場 7:19 -(1:06)- 8:25 志津乗越 8:34 -(0:26)- 9:00 休憩 9:10 -(1:32)- 10:42 大真名子山山頂 11:33


-(0:36)- 12:09 タカノ巣(コル)-(0:48)- 12:57 小真名子山山頂 13:40 -(0:35)- 14:15 富士見峠 -(2:41)- 15:56 志津乗越


-(1:00)- 16:56 梵字飯場跡駐車場


カシミール3Dで作る、赤登り、青下り

2022年10月 foxtrot