男体山をバックに社山(1997年11月2日撮影) 社山山頂
社山
(しゃざん)
標高1827m
栃木県日光市
登山日2012年10月27日
  男体山をバックに社山(1997年11月2日撮影) 社山山頂

●10月の山は

 10月は自宅の無線アンテナの工事をしていて山に行けない週末が続き、山無しに成ってしまいそうだったが、27日に時間が取れそうなので何処に行こうかと考えていた。


 私のホームページにリンクを張っている人達の山行記録を見ていたら、社山(しゃざん)が目に留まった。


 社山といえば15年前、山と無線のベテランの人たちの案内で、足尾の中倉山に登ったとき、山頂から指呼の距離に見えベテラン諸氏があそこにも登りたいねと言っていたのが記憶に残っている。


 ネットの山行記録を見ると、足尾の銅親水公園から南稜尾根を登り長平沢を下るコースが紹介されていたのでこれに乗ることにした。


 今年子持山に一緒に登ったSさんをお誘いすると、都合が付くということでまた一緒に登る事になったのに、連日好天がつづいた天候が週末がちかづくにつれ悪くなって行く。


●天候は曇り

 10月27日天気予報は曇り、雨には成らないだろうと出かけてみる、銅親水公園の駐車場に車を入れるが、中倉山は山頂が雲の中だ、登山者らしい人の乗った黒の四駆が近くに駐車したので聞いてみると、中倉山に行くつもりだと言う、社山は以前に登ったということで、南稜尾根に取り付く場所も良くご存じのようだ。


中倉山は雲の中

 曇っているが雨は落ちてこないので仕度をして出発する、中倉山予定の登山者は天気の様子みか動く気配が無い。


 歩き始めると直ぐにゲートがあって一般車両は此処から先には入れない、以前中倉山に登ったときは仁田元沢の林道で尾根の取り付きまで車で入れたが、今中倉山に登ると林道歩きが長くなりそうだ。


 林道のゲートには小さなアンテナが付いていて車の中からリモコンで開閉できるようになっていて、車から降りて鍵を開ける必要も無いようで感心してしまった。


 大きな索道の下に保護の足場が組んである下を通って林道を登って行く、倉庫の様な建物があるが人のいる気配は無い、久蔵川に掛かる橋を渡って、そろそろ尾根に取り付くところだが「雨量観測局」の標識が見当たらない、テープの付けられた所があるが下草が湿っていて、なんとなく行きにくい雰囲気なのでそのまま林道を登って行くと、先にまた橋が見えてきてしまった、左側の斜面は急峻で取り付けそうも無い、5番の待避所のところで一休みSさんと相談して戻る事にした。


●尾根に取り付く

5番の待避所のところまで来てしまった 尾根を登るSさん

 休憩後少し戻ると尾根に取り付けそうな所があるので適当に登る事にする、獣道か人が歩いた所か良くわからないが、ところどころにテープが付けられている、急な斜面の歩き易そうなところを登る、しばらく登ると平らな所があったので休憩することにした。


平らな所で休む

 雨は降ってないが下草が濡れていて遠くは霞んでしまっている、確かなルートのある登山道なら辺りが見えなくてもさほど気にならないで登れそうだが、登山道の無い尾根を登るのに遠くが見渡せなく大まかな方向も見えないのはなかなか大変だ。


 一人で来たのなら多分撤退したと思うが今回はSさんと一緒なので、高度計で地図を確認しながら登り続ける。


 稜線に出ると親水公園が霞んで見えた、ススキの原の歩きやすい所を適当に登る、1182m峰と思われる所に出たが標石は見つけられなかった。


親水公園が霞んで見えた 1182m峰辺り

●黒い鹿?

 休んでいると先の斜面に黒いシカがいて何をしているのかじっと動かない。


先の斜面に真っ黒な鹿

 休憩後登って行くとシカは反対側に駆けて行った尾根は快適なダケカンバ(シラカバかもしれない)の斜面に変わり、森の中には屋根だけの廃墟があった、水でも引いたのか斜面の所々にパイプが露出している、かつてはかなりの人が山に入っていたのかもしれない。


ダケカンバの尾根 廃墟

 登って行くと尾根は笹原に変わり広いところでは方向を失いそうで不安を感じる。


笹原の中に国有林の標識

●崩落地に出る

 正面の高まりは1568m峰のようだが右に巻き道がありそちらに行くと崩落地に出た、晴れていれば紅葉が鮮やかに見られそうだが踏み後が崩落の近くを通るので注意が必要だ。


崩落地ちかづくと危ない 崩落地紅葉している

 ここまでずっとSさんが先に歩いていたが、ここから先頭を交代するこの先は笹原の苦しい登りが始まる、霧が深くなってきた、大きな石が積み重なったところを通過して斜面がなだらかに成ってきてら、霧の中に2名の登山者がいた。


●社山山頂

苦しい登り 社山山頂

 山頂までどのくらいですかと聞くと、直ぐそこだという霧で見えなかったが山頂は目の前だった。


 高度計が低く表示されていたため、あっけなく山頂に着いてしまった。天候の事を考えるとのんびりしていられないので、直ぐにカップラーメンにお湯を注ぎ1200MHzでCQを出すと東京と千葉の局が応答してくれた。


●あわただしく下山紅葉が美しい

 無線で話している間に一瞬雲が切れて青空が見え陽光で暖かくなるが、それも束の間でまた雲に覆われてしまう。


 食事を済ませて直ぐに下山にかかる、急な登山道を阿世潟峠に向かって下るが、道があると何と歩くのが楽なことか、登山道の有りがたみをひしひしと感じる。


 下るにつれ霧のなか中禅寺湖が見えてくる霧が薄くなり紅葉した山並みも見えてきた。


霧の中に中禅寺湖 足尾方面の山並み

中禅寺湖 これから下る方向

 正面の半月山方面は雲の中だ、阿世潟峠の十字路には数名の登山者が居たが、彼らとは反対の南に下る、枯葉が積もりあまり踏まれて無い道だが明瞭な道が下っている。


半月山方面 阿世潟峠

 天気の良くないなか山頂まで行けて、おまけに紅葉も楽しめた、後は下るだけと気楽に下って行くと沢音が聞こえて来る、小さな沢を渡って下って行くと右に堰堤が出てくるが、踏み後が解らなくなってきた。


 堰堤の工事は昔からの峠へ登る道を壊してしまったようで、川原に下りて渡渉するともう一本の沢が合流するので対岸に渡るが踏後は無い。


●道に迷う

 ここでSさんが沢の左岸の上の方に道がある筈だからそちらに渡って斜面を登ろうと言う、今まで道が有ったのに何処にも見当たらないという事は左岸の上以外には考えられない。


廃林道に出る 林道脇に鮮やかな紅葉

 沢の左岸に渡って斜面を登ると、Sさんの思ったとり荒れ果てた林道があった、カーブミラーが有るが放棄された林道はこんなにも荒れてしまうのかと思うほど落石に埋まり崩落で道が無くなり、橋は今にも流されそうに成っている。


 沢の右岸を下っていた林道は分岐があり左は久蔵沢に下りてしまう、まず左を下ってみるが沢に下りるのはおかしいという事になり右に行ってみると、林道は上に登ってしまう。


 仕方がないのでまた左に行くとコンクリを打った渡渉点が有る、車は通れるが歩きでは靴に水が入ってしまいそうなので下流の飛び石を見つけて渡渉する。


 何の事は無い地図の見る場所が違っていただけで良く見れば林道の分岐も沢を渡るところもちゃんと書いてある。


巨大な柵

●登って来たところに戻れた

 大きな石が流れ下るのを防ぐ柵を過ぎると、見覚えのある橋に出て朝登って来たところに戻ることが出来た。天候は予想に反して回復してきている。


 登りの尾根の取り付きの所に有るはずの「雨量観測局」の標識を探すと、草むらに立てられたのが見つけられた。


草むらに標識が有った 中倉山

 銅親水公園向かって下って行くと回復してきた天候の中、中倉山の山頂も良く見えていた、山は高いから難しいのでは無いというが、社山という馴染みのある山だったので甘くみてしまい予想よりも大幅に時間が掛かってしまった、エアリアマップに載っていないルートは入念な下調べと天候の良くないときは行かないほうが良さそうだ。


●記録

 銅親水公園駐車場 7:04 -(0:48)- 7:52 尾根に取り付く -(0:34)- 8:26 休憩 8:35 -(0:26)- 9:01 稜線に出る -(0:19)- 9:20


 休憩 9:33 -(1:06)- 10:39 崩落地に出る -(1:00)- 11:39 社山山頂 12:18 -(0:40)- 12:58 阿世潟峠 -(0:57)- 13:55 林道に登る


 -(2:17)- 16:12 駐車場