FT8を始める 2020年 9月20日


FT8運用画面

● 無線機を買う

 昨年夏、久しぶりに無線機を買った、IC-9700、VU帯のオールモード機だ、現在売られている唯一のVU帯の固定機で、高価だがこれしか売られて無いので人気が有るようだ。


 最近の VU帯の無線機は HFの機械に VUも入れてしまい、オールインワン、一台で、HFからVUまですべてカバーするというのが多いが、私は好きではない。


 VU帯は安価な車載機やハンディ機でもアンテナさえ有れば十分使えるし、私も若いころに買ったモービル機でずっと我慢してきた。


 私くらいの年代に成ると、断捨離、終活、を始めた方が良い年代なのだが、一度は立派な固定機を使ってみたい、長年の思いを何とか叶える事が出来た。


来たばかりのIC-9700 タッチスクリーンなので保護フィルムを張りました

 IC-9700 はウォーターフォールが見られるので、スイッチを入れると、どのチャンネルが使われているかすぐに解る。


 変更申請で不備が有ってちょっと手間取ってしまったが、何とか免許が下りて、これでスプリアス申請が不要の機械が、ハンディ機と合わせてやっと2台になった。


● 良く出来ている

 私は430MHz帯が一番良く出ているが、2mを使ってみると、やはり良く出来ていて、GPアンテナではもったいなくて、八木アンテナが欲しくなる、9エレのスタックは今でも物置に入っている、これを上げ、50Wのパワーを出せば、九州、6エリアも夢ではないような気もするが、やはり大きなアンテナはもう上げる気にはならない。


 IC-9700 は裏に外部機器を制御するための ACCソケットの他に、DATAジャックと LANポート、USBポートも有って、ACCソケットからパソコンに繋ぐときには、インターフェイスの回路が必要で、MIC IN、SP OUT、COMポートを繋ぐ必要が有るが、USB だと USBケーブル一本でパソコンと繋げてしまえる、最近の機械では当然だが。


 以前から、デジタル通信モードの JT65 はぜひやってみたいと思っていたが、インターフェイスを作るのが面倒なので、手つかずに成っていた、省電力のデジタルモードは、最近 FT8 を始める局が増えているらしい、JARL NEWS にも特集が組まれていたので、調べてみる。


 VU帯でも出ているのかは不明だが、USBケーブル一本でパソコンとつなげるのでやらない手は無い、ソフトをインストールすればすぐにでも出られる事が解ったので、さっそく始めてみる事にする。


 Bタイプ(プリンターを繋ぐときに使うケーブル)のUSBケーブルを買ってきて、USBドライバーのソフトを iCOM のサイトからダウンロード、デジタル通信のソフトは、一般的な WSJT-X をNETからダウンロード、ノートパソコンにインストールした。


 デジタル通信のソフト WSJT-X はアメリカのノーベル物理学賞受賞の宇宙物理学者、ジョセフ・テイラー K1JT が作った素晴らしいソフトだが、もちろん英語版で、立ち上げると英語で書かれた画面が出て来る。


 ソフトには日本の JA7UDE 大庭さんという方がマニュアルの日本語訳を作ってくれて、PDFで添付されているのでこれが頼りだ、PDFをプリントアウト、これを読み込んで、コールサインや、無線機の設定、COMポートの設定などをすると、モニターが出来るようになった。


 ここまでやったところで、オンエアする為の局免の変更申請を出すことにする、たまたま買ったHAM World に申請の仕方が出ていたので、これを参考にし、その他 NET で調べて3月28日、総務省へ電子申請をする。


 通常なら2週間もすれば審査の結果が来るのだが、コロナ禍で総務省もリモートワークをしているとかで、5月14日にやっと審査結果のメールが来るが、補正が必要とのこと。


 リモートワークと言って、こんなに遅れるとは、たいして仕事をしてないのかな、それでも許されると成れば、お役所は・・・ 文句も言いたくなる。


 中身は1.9MHz帯の電波形式が変更の必要があるというものだが、私の場合、VUの無線機での申請なので、1.9MHz帯は使用いたしませんと書いて再度申請する。


● 免許が下りる

 6月23日 FT8 が免許された、結局コロナの影響で、申請が通るのに3ヶ月もかかってしまった、その間に WSJT-X もバージョンが 2.1.2 から 2.2.2 にバージョンUP された、さっそく新しいバージョンをインストールする。


バージョンUP した画面 ファイル コンフィグレーションなど日本語化された文字が並ぶ

 バージョンUP で一番変わったところは、ソフトが日本語化されたところで、ソフトを立ち上げるとタイトルやボタンが日本語に変わっている、ところが、マニュアルの方は英語のままなので、なかなか理解するのが大変だ。


 日本語化されたところを、プリントしたマニュアルの英語の所に赤いボールペンで書き込みながら読み進む、今までモニターすることまで出来たが、今度は交信のやり方を理解しないといけない、でもマニュアルに日本語訳を書き込む事で良く調べないといけないので、かえって理解が深まるような気もする。


新旧マニュアルが2冊 英語の所に赤ペンで書き込む

● 初交信

 だいたいやり方が解ったので、まずは2mから始めてみる、どうせつなげるのなら遠く局が良かろうと 2エリアの局を呼んでみると繋がった、何と岐阜県海津市の局だ、2mはGPアンテナしかないのに、以前八木アンテナを上げていても繋がらなかったのに、いきなり岐阜県と繋がってしまう、交信はパソコンの画面に出て来るだけなのだが、交信が成立していることは間違いない。


 そのあと立て続けに3局ほど交信する。


 FT8 で交信したときは、eQSL でQSL カードの交換が一般的だと聞いていたので、ここで eQSL で QSLカードが出せるようにしようと、eQSL の設定をする事にする。


 eQSL は去年の7月につながった局が JARL を抜けてしまって、eQSL なら交換できるというので、ぜひ eQSL に入ってくれと言われて、eQSL のユーザー登録だけは済ませていた、ただ自分のカードの作り方や、カードの出し方など、やはり英語のサイトなので良く解らずそのままになっていた。


 今度は放っておく訳にもいかないので NET で調べると、JH4PHW さんのホームページに詳しく書いて有るので、ホームページを見ながら設定をする、自分の住所などを登録するのだが、入れた文字が変わってしまって、うまく入らない。


 何度か試してうまくいかないので、試しにブラウザーをエッジからクロムに変えたら、文字が変わることは全くなく無事登録することが出来た。


 eQSL の登録は自分のコールサインを入力するだけなので、簡単に成りすましが出来てしまう、本人確認も必要で、局免のコピーを eQSL のサイト宛にメールすると、次の日には無事本人確認が出来たと英語のメールが帰って来た。


● eQSLも何とかなった

 eQSL 登録が出来たので、自分あてのカードを見ると、何と100通以上ものカードが送られて来ていた。


 すぐにこちらから送る手続きをすいる、ちゃんと送られているのか良く解らないが、とりあえず eQSL を送る手続きをすませた。


 FT8 というモード、何とか始めることが出来た、それに付随して色んな事をしなければならなかった、相手は英語圏で始められたことなの、英語の苦手な私にとって、なかなか敷居の高いことだった。


 教えてくれるローカルさんでもいれば簡単に出来たのかもしれ ない、簡単に出来てしまうと、有難みも無くすぐに飽きてやめてしまいそうだ、苦労し何とか成ったので、喜びもひとしおだ。


 今年の夏は IC-9700 と同じデザインの HF の無線機、IC-7300 を買うことが出来た、伊勢崎の無線機店から夏のセールの DM が 来たので早めに行ってみると、1台だけの特別割引の商品が残っていてラッキーにも買うことが出来た。


IC-9700 と IC-7300 を並べてみた

 IC-9700 と IC-7300 を並べてみるとなかなか良い、ところが、2台の無線機を一台のパソコンにつなぐと、ポートが重なってうまく行かない。


 WSJT-X はショートカットに ID を付け WSJT-X 9700 用と WSJT-X 7300 用という具合に同じソフトを違う設定で立ち上げるようにする事が出来たので、使うときに USBケーブルを差し替えてどちらでも使えるように成った。


 HF 帯での FT8 も8月25日に変更申請中した。


 HF 帯では、海外との交信も出来そうなので、申請が通るのが待ちどうしい。


2020年 9月 foxtrot