50MHzのアンテナを作る 2017年 5月


組みあがったアンテナ

 正確にいうと改造したといった方が正しいのかもしれない。


 5年前に買った50MHzのアンテナは移動用ということもあって、非常に軽くできている、その分強度が弱い。


 6mは移動運用をする局が多いのでこのようなアンテナが売られている。


 でも固定で使うのにはやはり無理があるようだ、2mや430Mのような垂直偏波のアンテナだったらエレメントが縦なので鳥が停まれないが、6mからは水平偏波になる長いエレメントは恰好の止まり木で小鳥ならまだしも、烏が停まると細いエレメントは簡単に曲がってしまう、移動運用ならそばにオペレーターがいるので、鳥も寄り付かないが。


 こんなアンテナだが去年までは何とか使ってきたが、直してもすぐに曲がってしまうのでエレメントを太く丈夫なものに変えることにした。



 去年 Eスポ のシーズンが終わったころ 6m のアンテナを下ろして、代わりに 21MHz のダイポールアンテナと交換する、21M のダイポールは地上で調整するとまずまずなのだが、パンザに上げると同調点がずれて、バンド内の高い方の周波数で合ってしまう、全長であと20cmほど長くすると良くなりそうだが、何とか使えるようだ、コンディションが上がると沖縄や北海道とつながる。


 今年3月には南鳥島が出ていた、南鳥島は気象庁の観測所や自衛隊の基地があるくらいで、一般の人では行くことも出来ないところらしい、クラブコールだが南鳥島の固定局なので気象庁の人が仕事で行っているのかもしれない、こんな交信が出来ると 21MHz帯も悪くないと思ってしまう。


 6mのアンテナだがエレメントにはアルミパイプを使う、おおむね3本つなぎで必要な長さを確保したい、NETでアルミパイプを探すが、なかなかうまい組み合わせが無く、直径18mm 肉厚1mmのパイプを中心部に使い、外側に直径16mmの物を使うことにする。


 アンテナの長さは購入したアンテナの寸法を踏襲し、太さはΦ11mm+Φ9.5mmの組み合わせだったのをΦ18mm+Φ16mmに変更になる、今までのアンテナは肉厚0.5mmのパイプだから強度はかなり上がるはずだ。


 Φ18mm長さ1mの物を4本、Φ16mm長さ1mを8本、別に一番長いエレメントは3本つなぎでは重なりが少なくなってしまうのでさらに直径Φ12mmで長さ1mの物を一本購入し、半分に切って5本つなぎとする。


 エレメントとブームの太さに合わせてステンレスのUボルトも購入する、Uボルトは細い径用でもM6とかなり太いこんなに頑丈なものはいらないのだがなかなか良いものがない、一本のエレメントに2種類4個のUボルトが必要だ。


 アンテナを作るので難しいのはまず給電部だ、給電部の調整棒はそのまま使うことする、ショートバーは径が太くなったパイプに合わせるため厚さ2mmのアルミの板を切って曲げて制作する。


 ブームはΦ25のアルミパイプを2本つなぎにしている、本来ならΦ32ぐらいの太さが欲しいところだが、何とか使えそうなので、これもそのまま使う事にする、フェーズラインもそのまま使う。


 問題はブームにエレメントを固定するクロスマウントだ、エレメントが太くなったので、細いエレメントを留めていたエレメント受けは使えない、これは太くなったエレメントに合わせてクロスマウントを作るしかない。


アルミのアングルと角パイプを加工してクロスマウントを作る

 クロスマウントはコの字型のアングルを、パイプの形に合わせて半円を切り取りサドルという部品を作ってパイプを挟んでUボルトで締め付ける、板厚2mmで長辺が30mmのコの字型のアングルと40mmの角パイプを半分に切って加工する。


出来上がったクロスマウントとショートバーなど

 工作機械があれば大した手間はかからないが、金ノコとヤスリ、ドリルだけで作る 6m のシーズンが来る前に完成させたいと思って作業するが時間が掛かってしまい、最後は5月の連休を2日も使ってしまった。



 6m を上げる為 21M のダイポールを下ろすので最後にと聞いてみると、日本人が話しているが、フィリピンのマニラから出ているようだ、試しに呼んでみると取ってもらえた、あと北海道の局と交信、とりあえず 21Mの交信を終える。



 部品加工が終わったので庭でアンテナを組み立て調整する、3m くらいの高さにアンテナを上げて SWR 計と無線機をつなぐ、ここで作った物がアンテナかただのガラクタか判明する。


 測定結果、バンド内で SWR は下がっていてアンテナとして機能するようだ、Eスポが出ていて南の島に移動している局が聞こえる、パワーを入れて測定すると高い方の周波数に同調しているようなので、ショートバーをずらして低い方に調整しておく。


 21M のダイポールを下ろして、出来上がった 6m のアンテナを上げる、何とかEスポのシーズンに間に合わせる事が出来がこんなに苦労するのは2度とごめんだ、お金を出してメーカー製のアンテナを買った方がずっと良い。


2017年 5月 foxtrot