お花畑が素晴らしい苗場山

苗場山(バエバサン)
標高2145m
下水内郡栄村
神楽ヶ峰(カグラガミネ)
標高2030m
南魚沼郡湯沢町
登山日1998年 8月 1日
  苗場山山頂にて

●なかなか梅雨が明けない

 夏の山行は計画どうりに成らない、梅雨が明けたら「苗場山」に登ろうと計画、そろそろ明けそうなので、数名に声をかけたが、スケジュールはなかなか合わないし、梅雨も明けない、先週は見切り発車で出かけてみたが、雨のため断念、「守門岳」に成ってしまった。


 来週は予定があるし、次の週はお盆休みに入ってしまう、そうこうしていると行けなく成ってしまいそうなので、午前中晴れ、午後から曇りという、新潟県地方の天気予報に賭けて、8月1日、出かけてみた。


 関越道は霧のため50Km規制が出ている、今日もダメかという思いが頭をよぎる、関越トンネルを抜けると、雲は多いものの、青空がのぞいている、思わずやったと、手を叩いてしまった。


 苗場山林道に入るとザックを背負って歩いている人がいる、和田小屋まででさえ9Kmくらい有るのに凄い人もいるものだと驚いてしまった。


 ゲートでは「登山ですか」と聞かれたので、ハイと答え登山者カードを書いて渡すと、すぐに通してくれた。


 和田小屋下の第二リフト駐車場は、ほぼ満車状態である、道路脇に停めて、仕度をして歩き出すと、私の横に停めて仕度をしていた車が、和田小屋の方に登っていった、なんと車は和田小屋まで入れるではないか、後の行程を考えれば準備運動になって丁度良いようなものだが、損をした気持ちである。


●歩き始める

 ピンクの花(ヤナギラン?)が沢山咲いたゲレンデを横切って、樹林帯の登山道に入る、道は終始泥濘状態だ、滑りやす、泥濘に足を取られないよう神経を使う。


 中高年の登山者を4人ほど追い越した、1時間程歩いたところで、ザックを置けそうな所を見つけて休んでいると、すぐに追い越された、私の方が余分に20分ほど歩いているので、休むタイミングがずれている。


 下の芝では数名の登山者が休んでいる、やはり100名山である、登山者はかなり多い、木道の間にはモウセンゴケが見られる。


 中の芝の下あたりまで、神楽スキー場のリフトが来ているようだ、してみると、このあたりまでは以前にスキーで来ているはずである、動けるスピードが極端に違うせいか、雪のないゲレンデはとても広く感じる、中の芝では沢山の人が休んでいたので私も休むことにする。


●天候は一面ガス

 休憩後木道の道を登り始める、天気が良ければ巻機山が見えるはずであるが、一面のガスである。


 木道も泥で滑りやすい、三角岩を過ぎるとすぐに右に分岐がある、数名の登山者を追い越して登っていくと右に道標がある、見ると「神楽ヶ峰」と書いて有る、あっけなく「神楽ヶ峰」に着いてしまったので驚いてしまった、道標の脇を数m登ると30cm角位の標石が深く埋められていて、頭の平らな部分しか見えない。


 何もないので先を急ぐ事にする、ここから下りが始まるとともに、登山道脇に花が目立ってくる、ガスでなにも見えないが、430MHzを点けると、レピーターも開くのでロケも良さそうだ、晴れていればきっと素晴らしい展望が得られるのだろう。


 階段の所で団体を追い越し、さらに下ると、雷清水だ、マグカップで清水を飲むと歯にしみるほど冷たい。


 ガスが切れて山並みが少し見えるが、目指す「苗場山」が何処にあるのか全く解らない、下山してくる人に、聞いてみると、正面のガスの中に「苗場山」があり、あと1時間との事だ。


 さらに下ると花が増えてくる、登山道脇にピンクのシモツケソウの群落がある、所々には紫のリンドウが咲いている、雷清水を下りきったコルの辺りは一面の花畑だ、ヒメシャジンの群落に混じってハクサンフウロや、トリカブト、カワラナデシコなど沢山の花が咲いている、黄色の花はキオンの仲間か、一瞬切れたガスの間遥か下の方に見える町並みは秋山郷のようだ。


 道は左にカーブして最後の登りに掛かる、ガスの切れ間から、壁のように立ちはだかる「苗場山」の急登に何名かの登山者が取り付いているのが見える、花の沢山ある九十九折れを過ぎ、何度も何度も息を整えながら登り、狭い岩場を過ぎると、道を譲ってくれた下山してきた人が、もうこの先で終わりですよと教えてくれる、傾斜が緩くなると、木道が現れた、待望の山頂大地である。


●山頂大地に出る

急登を登り終える 池塘

 途中の急登に比べ広い山頂の穏やかな景色は別世界である、木道の先には遊仙閣と、苗場山頂ヒュッテが見える、遊仙閣に近づいていくと、手前の木道の広場に沢山の登山者が思い思いにくつろいでいる。


木道を山頂に向かう

 山頂を示す案内板はあるが何処が本当の山頂か解らない、遊仙閣の方に行くと裏に、一等三角点と、山頂標識があった、急登を登っていたときに追い越していった若い登山者が丁度記念撮影をすませたところなので、シャッターをお願いして山頂標識の前に立つ。


 赤い板の標識はさわったら取れてしまったので、手に持ったポーズで撮ってもらった。


 その標識の柱には何処かで聞いたことのある2mSSB云々の標識も取り付けられていた。


 山頂はとてつもなく広いが休む場所となると、限られてしまう、木道から降りるわけにも行かないので、沢山の人が休んでいる端の方に腰を下ろした、広い山頂は一面に広がる湿原と池塘が見えるのみで、ガスに阻まれて遠くの展望は全く得られない。


●無線は良く飛ぶ

 430MHzではレピーターが2つ開いているようだが、移動中のJR1***/Sさんと交信出来た、方向が全く解らないので磁石とエアリアマップで方向を確かめて、1エリア方向に自作4エレを向けて1200MHzでCQを出し蓮田市、入間郡、川崎市、千葉市など5局ほど下水内郡栄村をサービスする。


 途中で追い越した見覚えのある人達も次々と登ってくる。


 後の行程を考えるとあまりゆっくりもしていられないので、早々に下山に移る、山頂の木道を歩きながらためしに、JQ1***局を呼んでみたら、7M1***/Hさんが前橋移動から呼んでくれた、たまには430MHzで声を出してみるものだ。


 帰りはのんびりと花を撮影しながら降りる、花の名前は殆ど解らないので、帰って写真で確認しよう、それにしても「苗場山」のお花畑は素晴らしい、私の乏しい山体験のなかでも断然一番だ、天気が悪く展望に注意が向かないせいもあるかもしれないが、素晴らしい。


ウツボグサ or シオガマ? アキノキリンソウ?

トリカブト ヒメシャジン

シモツケソウ ホタルブクロ

 「神楽ヶ峰」の三角点の所には休んでいる人がいたので、登山道脇で430MHzで都内と千葉の2局ほど湯沢町をサービス、泥濘の道を注意深く下った。


●記録

 駐車場 7:20 -(0:20)- 7:40 和田小屋 -(0:36)- 8:16 1620mあたり 8:21 -(0:39)- 9:10 中ノ芝 9:18 -(0:32)- 9:50 神楽ヶ峰


 -(0:11)- 10:01 雷清水 -(0:49)- 10:50 苗場山山頂 11:45 -(1:11)- 12:56 神楽ヶ峰 13:14 -(1:43)- 14:57 和田小屋


 -(0:15)- 15:12 駐車場


1998年 8月 foxtrot