とりあえず山頂を踏んだ 鹿島槍ヶ岳  2025年 9月16日(火)17日(水)


爺ヶ岳(南峰)(ジイガタケ ナンポウ)
標高2660m
大町市
 
爺ヶ岳(中峰)(ジイガタケ ナカミネ)
標高2670m
立山町・大町市
 
布引山(ヌノビキヤマ)
標高2683m
大町市
 
鹿島槍ヶ岳(南峰)(カシマヤリガタケ)
標高2889m
大町市
  爺ヶ岳への稜線から見る鹿島槍ヶ岳

● 北アルプス

 2012年 9月、玉村山の会に入った、山の会では小屋泊りで北アルプスの山などに行く事も計画されていたが、そのころ私は、多重債務の返済が最後の追い込みで節約の毎日、お金の掛かる山行は控えていた。


 何年か前ローンも無事返済、勤めていた会社もめでたく定年を迎え、晴れて毎日日曜日となったが、山の会の会員も高齢化と、諸事情に依り退会者が続出、私も退会する事に、なかなか山小屋泊りの山行も行けなくなってしまう。


 それでも今年は 7月に「おかちゃん」さんの計画で初の、小屋泊りで鳳凰山に行く事が出来た。


 そこで今度は冷池山荘に泊まって鹿島槍ヶ岳を目指すことにした、8月28日予約したが、前日体調が悪化しキャンセルする、9月に入って悪天候が続き今年もダメかとイライラする日が続いたが、16日(火)17日(水)のテンクラの予報が良さそうなので、16日(火)に予約を入れて、鹿島槍ヶ岳に行く事にする、小屋泊り2回目、初のソロ山行だ。


 16日朝、4時前に玉村スマートインターから関越道に乗ると、この連休の割引は無いとの表示が出ている、何とか間に合わせたのに、でも長野ICで下りるとき2420円と表示が出たので、連休後なので深夜割引が適用されたようだ。


 3月に遠見尾根に行った時と途中まで同じ道で、無事、扇沢に着くと駐車場には沢山の車が止められている、何とか市営第2駐車場の奥の方に停める事が出来た。


● 扇沢

登山口へ向かう、駐車場は満車ですね 柏原新道登山口、登れるのか不安がよぎる

登山道はよく整備されていて歩きやすい リンドウ蕾ですね

八ツ見ベンチ 扇沢の駅が良く見える

ケルンに着きました

稜線上に種池山荘が見えます

駅見岬から、霞んでますが針ノ木岳のよう、雪渓はほぼ消てます

 駅見岬に着くと、テント泊の大きなザックの登山者が休んでいました、後からソロの女性の登山者も登って来ました。


石畳 水平道、ここで一休み

 水平道で休んでいるとソロの女性登山者が追い越して行く、この方とは最後まで近くを歩く事に成りました。


ガラ場、前を行くテン泊の登山者が水場で顔を洗っている

 ガラ場は春だと雪渓が残る場所のようで、むかし撮っておいた NHK の日本百名山のビデオの鹿島槍ヶ岳で、カメラマンの三登呂拓也さんが落石に注意した渡り方を解説していた場所ですね。


富士見坂、今の時期富士山は見えません 鉄砲坂

 種池山荘手前の最後の登りが急ですね、団体さんがすぐですと言って降りて来る、鹿島槍ヶ岳ですかと聞くと爺ヶ岳だとの事でした。


やっと種池山荘が見えました

● 種池山荘で

山荘前で休憩すると 山荘の西側、良い天気です

 種池山荘前で休憩、名物のピザ、山小屋のネット情報には今年は終わったと書いて有ったが、販売している、どうやら夏のピザが終わって9月12日から秋のピザが始まったようだ、ちょうど前を歩いていたテン泊の登山者さんが先に着いてピザを注文、食べ始めていたが、量が多いのか一枚どうですかと勧められ、いただく事が出来ました、旨かった。


種池山荘を出発する、熊出没の注意書きが!

 日光の山で熊に会ってから怖いので、今日は熊鈴2つ付けてきました。


山荘前にはチングルマの穂が 西の方に剱岳が見えて来る

● 展望の稜線

初めて見る剱岳、この稜線の展望は素晴らしい

種池山荘の後ろに立山

穂高連峰と槍ヶ岳、何枚か撮ったつもりがこれしかなかった

立山連峰

同じところを撮ってしまう

明日登る鹿島槍ヶ岳、手前には冷池山荘も見えます

爺ヶ岳南峰に向かう

爺ヶ岳南峰山頂、後ろに爺ヶ岳本峰の中峰

 山頂にこの辺りの山に詳しい登山者がいて、いろいろ教えていただく、冷池山荘の方でした。


爺ヶ岳南峰から大町方面

秋は近づいて来ているようですね 爺ヶ岳中峰に向かう

● 爺ヶ岳で

爺ヶ岳中峰山頂で

 山頂でザックを降ろすと、南側で寝転がっている女性が居ましたが、そのすぐ先に雷鳥が出てきて、しかも小さな子雷鳥も動き回っています、初めて雷鳥を見ました。


すぐそばに雷鳥が 小さな子供もいましたが撮れませんでした

 近くに登山者がいましたが、ことわって、無線運用を ID-50 に SRH-770 を取り付け CQ を出してみたところ、長野市の SOTAアクティベーターの Wa さんが横手山から呼んでくれました、海外から来られた SOTAの局の案内をしているようです。


 その後長野市の局、富山県射水市(いみずし)、千葉県市川市、群馬県邑楽町、舘林市の局と交信することができました。


 まさか千葉県市川市とつながるとは思いませんでした、おにぎりを一ついただいて冷池山荘に向かう事にします。


登って来た稜線、種池山荘が小さく見える

棒小屋沢、山が大きいので谷が深いですね

冷池山荘手前の崩落 冷乗越、赤岩尾根への分岐

左から布引山、鹿島槍ヶ岳南峰、北峰

● 冷池山荘

冷池山荘に着きました、樹林帯の最後の登りきつかった 広い部屋ですが、今夜は4名です

 部屋で荷物を整理、夕食まで時間が有るので、無線機を持って、東側のテラスに登ってみました、ビールを持って休む登山者が沢山いました、無線を聞いてみましたが、 CQ を出す局がいなかったので、交信は出来ませんでした。


テラスから、北信五岳方面

冷池山荘の左に爺ヶ岳が見えます

 部屋に戻ると後から来られた、横浜からの登山者がいました、大谷原から赤岩尾根を登り、鹿島槍ヶ岳をすでに登られたそうです、すごいきついルートだったようです。健脚の登山者のようでした。


5時から夕食、なかなか豪華です、ご飯を食べすぎました 夕暮れですね

 8時消灯、明日の好天を祈って眠りにつきますがなかなか眠れません、どうも私はフィジカルが弱くお腹が下って何度もトイレに行ってしまいました、でも夜は長いので、いくらか寝たようです。


 9月17日朝、5時前に起きて支度をして先に出発します、夜には雨が降って、ガスが出ているようです。


 無線機の GPS を入れて、ヘッデンを付けて準備していたら、朝食の放送が聞こえました。


● 天気は悪いが

山荘を出てテラスで準備出発します テン場まで来ました

 6張くらい張られていたでしょうか、熊が出てから、テント、荷物のデポはしないようにとの注意書きが有りました。


 暗い中を登って行くと雨がぽつぽつ降って来ました、合羽を着ようとザックを降ろすが、一番下に入っていて時間が掛ってしまった、まだ暗いなか、登り始めると下って行く登山者がいました。


遭難碑のようです、明るく成ってきました ガスガスで上は見えません

 雨は止んだようです、布引山までは、まだまだ先が長そうです、風が強く登山道の狭い所では飛ばされないよう、緊張しました。


一瞬晴れると登山者が登って来るのが見えます

 きつい登りに歩いては休み、歩いては休みながらなんとか登って行きました、何名かの登山者に追い越して行きます。


何とか布引山山頂に着きました、3名くらい登山者がいましたが、一人は下って行きました

 撤退する事が頭をよぎりましたが、なかなか来る事の出来ない山だし、まだ時間が有るので何とか頑張って登ります。


 合羽を着てるので寒くは有りませんが、気温は低いようで手の指に力が入りません。


 何人かの登山者が追い越して行きます、その中には、柏原新道で近くを歩いていた女性もいました、山頂が近づくと、下って来てすぐ山頂ですと教えてくれます。


ここを登れば鹿島槍ヶ岳山頂

● 鹿島槍ヶ岳

鹿島槍ヶ岳山頂に着きました

記念写真のシャターを押していただきました

 偶然ですが埼玉県から来られた同室の方と山頂で一緒になり、シャッターを押していただきました、三角点は確認しませんでしたが、東側の高くなった所に有ったのでしょうか。


強風、ガスガスなのですぐに下山します

 下って行くと登って来る登山者が雷鳥のペアが居ると教えてくれました、期待はしていませんでしたがまだ登山道脇に居ました。


雷鳥のペアがいました、もう一羽は撮れませんでした 一瞬ガスが切れます

一瞬ガスが切れます Two 山頂が見えました

● ブロッケン現象

ブロッケン現象、ちょっと撮るのが遅かった 消えてしまいました

 布引山の下までくだると、一瞬日が射してきました、ふと西の方を見るとブロッケン現象が出て、虹の輪の中に自分の影が見えました、カメラを取り出すも寒さで指がこわばって、ラッチが外れず撮るのが遅くなって良い写真が撮れませんでした、でも初のブロッケン現象、一瞬の出来事でした。


こんな池塘が有りました

 8:35分、無事冷池山荘に着きました、結局前の晩にもらったお弁当を食べる場所も時間も無かったので、ここで食事と休憩します、水を 1L いただいて下山します、先に見える爺ヶ岳が高いなーー


冷乗越、赤岩尾根への登山道分岐 だいぶ登って来たけれど冷池山荘はガスの中

 同室だった横浜からの登山者はここを登って来られたようです。


アカモノ?それともシラタマノキ ゴゼンタチバナの実、赤い色が綺麗です

一瞬晴れて見えました、棒小屋沢でしょうか

見覚えの有る岩峰、爺ヶ岳北峰のさらに北の岩峰、まだまだ先は長い

中峰の分岐、もちろん直進します

● ここまで来れば

種池山荘が見えました

振り返って爺ヶ岳南峰、長かったな

 登って行く登山者が何名かいます、ここまで下ると風は弱く成りました。


秋は近づいているようです ナナカマドでしょうか

扇沢、沢の左に柏原新道が下っているんですね

爺ヶ岳見納めです

 種池山荘まで下ってベンチで大休止、近くに女性の登山者がベンチにコンロなど並べて休んでました、するとピザが焼けた呼び出しが、一人では食べきれないのか、何方かを探しに行くと、例の近くを歩いていた女性も居ましたが、なにやら話して先に柏原新道を下って行きました。


 私は覚えていませんでしたが、女性の登山者は私を山頂近くで追い越したことを覚えていたようで、少しお話をする事が出来ました。


 と、下って来た若い登山者が熊を見たと言ってます、私が紅葉の写真を撮ったあたりでしょうか、私が下った後に熊が横切ったようでした、やっぱり熊に縁が有るのかな。


 またもピザを進められましたが、残っていたおにぎりも有るし、腹の調子も良くないので、遠慮して、柏原新道を下ることにします。


 冷池山荘で買ったポカリスエットは550円だったので、ここのピザ1500円は安いですね。


● 柏原新道

種池山荘下のヤマハハコ 一輪だけフウロが残ってました

グーグルレンズで調べたらトリアシショウマと出ました これはオオカメノキ

駅見岬で休んでいたらこんな蝶が、キベリタテハだそうです ケルンの表示に扇沢まで1.7Km 40分と有る

 調べたら、私の足では48分かかっていました。


アキノキリンソウですね 無事登山口に着きました

 長いあいだ念願だった鹿島槍ヶ岳、何とか登って来ることが出来ました、天候のせいで、予定していた鹿島槍ヶ岳と布引山で無線運用が出来なかったのは残念でしたが、1時間は早く下山出来たようで、14:00前に登山口に着いてビックリ、忘れないうちに COMPASS の下山通知を出しました。


 雷鳥を見られたり、ブロッケン現象が見られたりと、初めての事の多かった山行でしたが、装備などまだまだ工夫する事があります、サテ今度は何処に登ろうか。



● 記録


 9月16日


 市営第2駐車場 6:59 -(0:06)- 7:05 登山口 -(1:18)- 8:23 ケルン -(0:23)- 8:46 駅見岬 8:54 -(0:57)- 9:51 水平道 9:59 -(1:08)- 11:07


 種池小屋 11:30 -(0:54)- 12:24 爺ヶ岳南峰 12:35 -(0:19)- 12:54 爺ヶ岳中峰 13:48 -(0:46)- 14:34 冷乗越 -(0:13)- 14:47 冷池山荘


 9月17日


 冷池山荘 4:57 -(0:26)- 5:23 合羽を着る 5:30 -(0:45)- 6:15 布引山 -(0:55)- 7:10 鹿島槍ヶ岳 7:13 -(0:19)- 7:32 雷鳥 -(0:19)- 7:51


 ブロッケン現象 -(0:44)- 8:35 冷池山荘 9:03 -(2:05)- 11:08 種池小屋 11:29 -(1:11)- 12:40 駅見岬 12:45 -(1:00)- 13:45 登山口


 -(0:09)- 13:54 第2駐車場



その1 カシミール3Dで作る、赤登り、青下り

その2 カシミール3Dで作る、赤登り、青下り

2025年 9月 foxtrot