谷川連峰主脈縦走 土合 → 元橋 県境稜線トレイルのコース 2023年10月12(木)13(金)


 オジカ沢の頭
標高 1894mくらい
 
小障子ノ頭(コショウジノカシラ)
標高1730mくらい
 
大障子ノ頭(オオショウジノカシラ)
標高 1805mくらい
 
万太郎山(マンタロウヤマ)
標高 1954m
 
エビス大黒ノ頭
標高1888m
 
仙ノ倉山(センノクラヤマ)
標高2026m
 
平標山(タイラッピョウヤマ)
標高1984m
  小障子ノ頭から大障子ノ頭、万太郎山(見えないが)を見上げる

● 最後のチャンスに

 谷川連峰の主脈縦走は、前々から実行したいと思っていた、特に群馬県境稜線トレイルが発表されてからは、万太郎山と仙ノ倉山の間が未踏なのでここを何とか繋ぎたいという思いがますます強くなり、今年こそは何とか実行したいと思っていた。


 ところが今年の夏は暑い日が続き、夏場の稜線歩きは体力の無い私にとって厳しいので、少し涼しくなって、好天が二日続く日が有れば実行したいと思っていた、でもなかなかチャンスが訪れず、先月天気が良さそうなときが有ったので、平票山ノ家を予約したが、その後天気予報が悪く成ったのでキャンセルしてしまった。


 暑い夏が長引き、急に寒く成ってきたが、今週は好天が続きそうだ、この好機を逃すともう今年は行けなく成ってしまいそうなので、時期としてはちょっと遅いのだが、実行することにした。


 当初は私の入っている山の会のメンバーが以前歩いた平標山から谷川岳方面へ行く予定だったが、より楽そうな、谷川岳方面から平標山へ向かい、途中の避難小屋で一泊する事にする、ロープウェイを使えば標高が稼げるし、中間に近い避難小屋に泊まれば一日に歩く距離を均等に近くすることが出来る。


 10月12日、白毛門の登山口の有る駐車場に車を置いて、ロープウェイの駅に向かう、平日というのに、車はどんどん登って行き沢山の登山者がいるようだ、チケット売り場は長蛇の列で、片道のチケットを買って乗車口に向かうと、高校生くらいの団体さんが直接外のバスの駐車場から入って来て大勢並んでいた。


 幸いな事に引率の人らしい登山者の人が、先に行って下さいと進めてくれたので団体さんの前でロープウェイに乗ることが出来た。


● 谷川岳へ

天神平、白毛門が良く見える 谷川岳、雲が多いが見えている

平日なのに登山者は多い 天狗の留まり場まで来た

今年の紅葉はどうなんでしょう

オジカ沢ノ頭方面 もうすぐ肩の広場

● 縦走路へ

肩の小屋前のベンチから、ちょっと雲が多いな~ いよいよ縦走路へ、肩の小屋さようなら

 肩の小屋前のベンチで休憩、ランチパックとポカリでエネルギー補給する、雲は多いが降ることは無さそうだ、休憩後縦走路方面に下る、今まで沢山の登山者がいたがこちらに来るのは私一人だけだ。


最初のマツダランプ 谷川岳を振り返る

二ッ目のマツダランプ 咲き残りのハクサンフウロ、頑張ってますね

 登って行くと、一人の登山者が下って来た、オジカ沢ノ頭までピストンして来たと言っていた。


オジカ沢ノ頭が近づく、登山者がいます 岩場を登る

鎖場を下る若いカップル 爼倉方面

 登って行くと、若いカップルの登山者が鎖を下って来る、夜3:00くらいに出てきたという事だが健脚だ、その後トレイルの女性に、若い男性、平標山ノ家からの縦走のようだ、トレイルの女性は谷川方面から万太郎山までピストンされたようだ、最後にもう一人愛想の無い渋めのトレイルランナーがいた。


● オジカ沢ノ頭

オジカ沢ノ頭に着く 吾妻耶山の隣が阿能川岳かな

オジカ沢ノ頭避難小屋の中、綺麗ですね 小障子ノ頭

先日行った巻機山が見える 大障子避難小屋、水を汲みに行ってきた

 茂倉岳から土樽に下る茂倉新道の稜線の向こうに先日登った巻機山が見える、大障子避難小屋の手前に水場に下るルートが有るので、ウォーターパックを持って水汲みに行ってくる、かなり急な所だった、2リッター汲んできたが半分くらいしか使わなかった、縦走路の避難小屋で水場が有るのはここだけなので宿泊する避難小屋まで持って行く必要が有る。


 丁度お昼の時間なので大きめのおにぎりを食し、風が有って少し寒いのでウインドブレーカーを着て、大障子ノ頭の急な斜面に取りつく、水の分の重さが増えたくらいは大したことは無いはずだが苦しい登りを休み休み登って行く。


大障子ノ頭 万太郎山に向かって滑りやすい岩場の下り

 大障子ノ頭からの下りの岩場は水が染み出していて、滑りそうでロープが欲しいところだ、岩角や笹を掴んで慎重に下る、下りきってから、ここで落ちたら登山道に引っかかってくれるだろうか、それとももっと下まで行ってしまうだろうかと、たぶん引っかからないだろうなと、斜面を見て思ってしまった。


大源太山が見えました 頑張って咲いているハクサンイチゲ

 万太郎山への登りはガスの中、見えていたピークに登ると、さらにその先にピークが見えて、そんな事を何度か繰り返すと吾策新道との分岐に着く。


 太いパイプの道標が倒れていた、そこから少し登ると三角点の有る万太郎山の山頂に着いた、辺りは真っ白で何も見えない、風が強く寒いのでさらに一枚重ね着する。


● 万太郎山

万太郎山山頂で 強風とガスの中万太郎山を下る

 ここは16年前に来て無線運用はしているが、せっかくなので430MHzを聞いてみると空いている周波数が無い、伊勢崎の局がCQを出していたので、交信してもらう、その後、坂戸市の局がCQを出していたので呼んで交信してもらった。


 寒いので早く避難小屋に逃げ込みたいと出発する、ここからは初めての道だが、かなり狭い尾根が有る。


狭い尾根 雲に隠れているのがエビス大黒ノ頭のようだ

 左に見えるピークは東俣ノ頭のようだ、余裕が有れば藪漕ぎしたいが、とてもそんな余裕はない、それと避難小屋がなかなか見えて来ないので不安になってくる。


三つ目のマツダランプ やっと越路避難小屋が見えた

● 避難小屋

 最低鞍部の毛渡乗越に向かってグングン下って行くと稜線の右に避難小屋が見えて来てホッとする。


 小屋に着くと扉が開いていた、壊れているのかと思ったがそうでは無くて、登山者の方がシュラフをかぶって休んでいた、私より二回り若いベテラン登山者で、何と前橋市にお住いの方だった。


 小屋の中は比較的綺麗で、なぜかビニール袋に入った現像したときにくれるアルバムが置いてあった、扉が開いていたのは、空気を入れ替える為開けておいてくれたようだ。


 私は避難小屋に泊まるのは2度目なので、いろいろ教えてもらう、とりあえず湯を沸かしてコーヒーで体を温める、急遽決めた山行なので準備不足は否めない、夕食は去年買っておいたエビピラフとつぶれたあんぱんにお魚ソーセージだ。


 夜冷えるのは心配していたがすでに山は冬で持っていたカッパやツェルトなど総動員しても足が冷たい、長い歩きだが今の時期それほど水は飲んでないのに夜に何度も出たくなる、あまり出すと血液がドロドロになるのではないかと心配になる。


 小屋の外に出ると風が強く霧で何も見えないときもあったが、晴れて満点の星空が見える時も有った、美しく輝くオリオン座にひときわ明るいカペラ、北の方には天の川も確認できた、天の川を直接見られたのはこの年に成って初めてだ。


 小屋から南側には小野子山、十二ヶ岳、ちょっと離れて榛名山が良く見え、夜は渋川市の明かりと伊香保温泉街の明かりが良く見える、北側は湯沢町だろうか町の明かりが見える。


 シュラフに包まっていると体はそれほど寒くないがやはり寝られない、でも気が付くと一時間くらい過ぎているときが有ったので、少しはウトウトしたのかもしれない、寒いところで寝てしまうと低体温症に成ってそのまま行ってしまうので、寝ない方が良いのではないかなどと考えたりしてしまった。


 4時くらいに前橋の方が起きたので、私も起きて、湯を沸かしてコーヒーでワッフルを流し込む、6時少し前に先に小屋を出る、外はガスで風も有る、下草が濡れているのでカッパの下とスパッツも付けている、2度目の避難小屋泊まり、何とか過ごす事が出来た、泊めていただいた小屋に感謝して、縦走路を下る。


一晩有難うございました ガスと強風の中、少し日が射してくる

毛渡乗越、急な下りに成っている こんな所を通る

 最低鞍部の毛渡乗越は道標が倒れていた、少し行ってからスマホのGPSで歩いているところが間違いないのを確認する、ほぼ一本道なので、間違いようもないのだが。


● エビス大黒ノ頭

四つ目のマツダランプ エビス大黒ノ頭

 ガスの中に見えるピークに登るとまだ先にピークが有る、これを何回繰り返したのだろうか、やっとの事でエビス大黒の頭のピークに立つ、周りは何も見えない、風も強い、無線運用をしたいところだが、時間も早いし天候も悪いのでその気に成らず、写真を撮って先に行く、この先も下ったり登ったりが続く。


登ったり下ったり 一瞬ガスが切れて

エビス大黒避難小屋 この花は何でしょう

 下って行くとガスの中避難小屋が見えてきた、ノックをして中をのぞくが無人だった、ここから仙ノ倉山に向けて最後の登りが始まる、でもここからの登山道は九十九折れになっていて、優しさの感じられる道だ、日が登るにつれて天候も回復してきて、青空が見えて来る、緩やかなピークが見えると登山者が居て、仙ノ倉山山頂だった。


● 仙ノ倉山

仙ノ倉山が見えた 方位版の有る仙ノ倉山山頂

 山頂から谷川岳方面は相変わらず雲の中だ、一瞬万太郎山が見えたので写真を撮ろうと思ったらすぐに見えなくなってしまった。


 仙ノ倉山は2度来ているがこんなに展望の良い山だとは知らなかった。


富士山も見えました

谷川岳方面はガスの中 平標山

 しばらく展望を楽しんだ後、平標山に向かう、この登山道は今まで歩いて来た道と比べ何と楽なことか。


小ピークから、平標山ノ家が見える

五つ目のマツダランプ 六つ目のマツダランプ

七つ目のマツダランプ 東谷山と日白山

 今年登った東谷山と日白山と思われるピークも見る事が出来た。


● 平標山

平標山山頂 苗場スキー場

下りの紅葉、綺麗ですね

阿能川岳と小出俣山 元橋へ林道を歩く

 平標山から長い階段の道を下る、この階段これでもかと長い階段が続き途中の登山道は泥濘に成っている、平標山ノ家でカッパやスパッツを脱ぎ、余った水を捨てた、残っていたパンを食し元橋に向かう、下りも丸太の階段がずっと続く、ここも2度歩いているはずだが、覚えているのは林道に出るところに水場が有ったのと、林道が長かったことくらいだ。


ヤカイ沢の登山道入り口 平標登山口のバス停

 ヤカイ沢の登山道入り口は冬雪に埋まってここから平標山に登る登山口かと思ったら、それだけでなくここから林道に並行して元橋の駐車場に行く道が有るようだ。


 国道17号まで出てバス停を探すが近くに見当たらない、行ったり来たりして、苗場スキー場方面を見るとバス停らしい物が有るので行ってみると、平標登山口と有るので道路反対側に行く、まだまだバスの時間には十分余裕が有る、Compassの下山届を出して、スマホなど見ながら待っていると平標山ノ家からすぐ近くを歩いていた登山者もやって来た、バス停の場所を知らないでぎりぎりに下山してくると、バスに逃げられてしまいますねと言うと、不思議そうな顔をされてしまった。


 この登山者は来る時もバスで来たので、反対側のバス停で降りたのでそんな事は言わずもがなだった。


 バスの時間が近づくと、避難小屋に一緒に泊まった前橋のベテランさんも来て、あと途中何処かですれ違った若い女性の登山者も来て、ここはバスで来る登山者も多いようだった。


 念願の主脈縦走が出来て、後はバスや電車で目をつぶると寝てしまいそうなのと、車の運転を気を付けようと、それだけを思って帰路に着いた。


● 記録


 10月12日


 天神平 8:19 -(0:45)- 9:04 熊穴沢避難小屋 9:09 -(1:17)- 10:26 肩の小屋 10:39 -(1:08)- 11:47 オジカ沢の頭 11:55


 -(0:51)- 12:46 水場へ 13:12 -(0:42)- 13:54 大障子の頭 -(0:59)- 14:53 吾策新道分岐 15:19 -(0:02)- 15:21 万太郎山


 15:50 -(0:29)- 16:19 越路避難小屋



 10月13日


 越路避難小屋 5:52 -(0:15)- 6:07 毛渡乗越 -(1:13)- 7:20 エビス大黒ノ頭 7:25 -(0:29)- 7:54 避難小屋 -(0:45)- 8:39


 仙ノ倉山 8:51 -(0:50)- 9:41 平標山 9:50 -(0:31)- 10:21 平標山小屋 10:44 -(1:32)- 12:16 平標登山口


カシミール3Dで作る

 

2023年10月 foxtrot