笠取山(カサトリヤマ)
標高1953m
甲州市・秩父市
燕山(ツバクラヤマ)
標高2004m
山梨市・秩父市
古礼山(コレイサン)
標高2112m
山梨市・秩父市
水晶山(スイショウヤマ)
標高2158m
秩父市
登山日2022年 8月19日(金)
  小さな分水嶺から、笠取山

● 8月天気が悪い

 8月に成って登りたいと思っていた山が有ったので色々考えていたが、天候が良くない、天気予報は毎日雨マークばかりだ、4回目のワクチン接種なども有って、今週もダメだなと思っていたら、台風が来るという。


 そうこうしているうちに8月も中旬を過ぎてしまった、金曜日久しぶりに天気が良く成るというので、この際出かける事にする、場所は以前から登りたいと思っていた笠取山にする。


 笠取山に登るのには、作場平の登山口から多くの人が登られているようだが、群馬からだとかなり遠回りになるので、西沢渓谷の駐車場に車を置いて、亀田林業林道で鴈峠に上がり、笠取山をピストンするつもりで行く事にした。


 西沢渓谷の駐車場は以前、雁坂峠から、雁坂嶺、破風山、甲武信ヶ岳を縦走したときに来ているので状況は解る、平日だが駐車場に着くと10台くらい停められていて、登山者は多い、時間はかかるが、鴈峠から、燕山、古礼山、水晶山、雁坂峠へと縦走するのもいつかはやってみたいと思っていたので、その下見にも成る。


西沢渓谷の駐車場、上は国道140号 天気は問題無さそう

 支度をして国道140号を南へ歩いて行く、このあたりは標高が1000mほどなので涼しく歩くのも快適だ、橋を渡った先の、新地平の所から、舗装された亀田林業林道に入る、林道という事で登りは緩く、ただひたすら歩いて行く、1kほどで舗装は終わり、ゲートには私有地なのでトレイルなどを禁止しますと有る、見つかったら怒られるのかな。


● 林道をひたすら歩く

舗装が切れた先も轍が有って林道は続く   ずっと雨だったので、沢は増水しているのか大きな沢音が
  聞こえる

展望のない沢に沿った林道を沢音を聞きながらひたすら登っ
て行く
鴈峠 - 広瀬の道標がある

 沢の脇に付けられた林道をひたすら登って行く途中、作業小屋らしい、小屋が幾つか有る、林道が沢を渡って左に分岐するところで休憩、アミノバイタルとアンパンでエネルギー補給をする、まだまだ先は長い。


● 思ったように行かない

林道には車の通った跡があった ここを渡渉した

 登って行くと二つ有った轍は一本に成り登山道らしくなって来る、ところが沢の右岸に付けられた道が、左岸に代わっていて、沢を渡らないと行けない、何処を渡ろうかしばらく眺めたが意を決して渡る事にする。


 ストックでバランスを取りながら、何とか無事渡れたが、帰りにまたここを渡るのかと思うと気が滅入る、登って行くと登山道は完全に沢の中を進み、何度か渡渉しながら登るようになる。


赤テープを探しながら沢の中の道を登る 登山道は沢を離れて樹林帯に入る

 渡渉するところは何か所も有って、何とか渡るが、帰りに同じところを下る気は完全に無くなってしまう、笠取山に登ってから、古礼山、水晶山、雁坂峠と縦走して、一度登った事の有る道を下ろうかと思う、こうなると時間が問題だ、明るいうちに下山できるだろうか、小さい懐中電灯が有るから、暗くなっても大丈夫だろうと思うが、あれこれいろんなことを考えてしまう。


 不安な気持ちばかりが浮かんで来るが、とりあえず先を急ぐ、道は沢を離れ右にトラバースして急な斜面を登って行き、草原の明るい開けたところに出ると、その先が鴈峠(がんとうげ)だった。


● 鴈峠に登る

この先が鴈峠だった

 峠のベンチで一休み、このまま縦走路に行こうか、笠取山に行こうか、笠取山に行ってくると一時間という事なので行く事にする。


鴈峠、右のピークが笠取山 登って来た方向、乾徳山は雲の中?

古礼山方面の縦走路への登り 笠取山に向かうと花が咲く、でもあまり多くない

小さな分水嶺  

笠取山といえばこの景色ですね これも咲いてました

● 笠取山山頂

直登を避けて九十九折れに登り何とか山頂へ、でも雲ばかり 山頂と思ったら本当の山頂はもっと先でした

 誰も居ない山頂、とりあえず写真を撮る、でも先にここより高いピークが有るので行ってみるが、岩の上は狭く展望も無いので戻って来た、帰ってからGPXのデーターを見たら、本当の山頂はさらにその先に有ったようだ。


 とりあえずアンテナを組み立てて、無線機のチャンネルを回すと出ている局はいるようだ、平日なので混信が心配だが、ここまで来てボーズでは泣くに泣けないので、空いているチャンネルを探して CQ を出すと、有りがたい事に、深谷市の K さんが応答してくれた、K さんはまだ雁坂トンネルが出来る前の、若い頃にこの辺りに登ったが、笠取山の山頂が見つけられず、山頂には登れなかったと言われていた。


 天気は悪くないがあいにくガスが出ていて遠くの山は見えない、特に富士山が見えないのは残念だ、予定が狂ってこの先の事が心配だが、まだ時間は12時前なので、縦走して帰ろうとすぐに下山する。


 笠取山から下って、小さな分水嶺から鴈峠に向かう途中で女性の登山者とすれ違った、先の様子など聞こうと声をかけるが、古礼山まで行って来たと言って行ってしまう、 YAMAP を見たら sayuky73 さんという方が登られていたので、この方だったのかな。


 笠取山には何名か登山者が居たが、平日ということも有って、縦走路方面には、この方と、前に一名登山者が居ただけで後は誰も居なかった。


鴈峠が見える 縦走路を登ると樹林の間から大菩薩嶺らしい山が見える

● 縦走路を進む

 鴈峠でお昼かなと思ったが、まだちょっと早いので縦走路を登る、前に一名登山者が行くが、健脚そうで見えなくなってしまう。


 登って行くと右にちょっとしたピークが有って道標が有る、お昼を過ぎたし、疲れて来たのでここでお昼にする、カップのチキンラーメンの小と、お握りをいただく、夏でもラーメンがうまい、右に有るピークに何かあるのかなと思って行ってみるが、特に何もなく、樹林の間からちょっとだけ東側の展望が見えるだけだった。


 休んだので少し元気が出てきた、少し歩くとすぐに燕山のピークに着く、ここで休んでも良かった。


燕山(ツバクラヤマ)2004m 山頂 高い山は雲の中

まだまだ先は長い 振り返ると小さな分水嶺が見える

 登山道は古礼山に向かってずっと登って行く、笹原の開けた斜面を登ると先にベンチが有って、先を歩いていた登山者がお昼を食べていた。


● 古礼山

この先が開けていてベンチが二つ有る 古礼山山頂 2112m

 私も空いているベンチで休むことにする、まだ若そうな登山者で作場平から登って来たようだ、この縦走路はとても良いと聞いて来たようだが、今日は雲が多く展望が無く、ずっと登りで疲れたので、ここから戻るという。


 私の方は先が長いので、休憩後先に出発する、歩いて行くとすぐに古礼山の山頂が有った、ザックを下ろして無線を聞くと、相模原市から CQ を出している局が居た、声をかけると、私の方は良く聞こえるが、相手の局は私の電波が弱くて取れないという事で、残念ながら交信成立には至らなかった。


 先に進むとまた下ってから水晶山に登るようだ。


● 水晶山

樹林の先に水晶山が見える 水晶山山頂 2158m 山頂標識とベンチが二つ有る

 水晶山の北面は、手つかずの針葉樹の原生林に成っていて、コケに覆われた八ヶ岳や和名倉山などと同じような美しい森に成っている。


コケに覆われた針葉樹の自然林  

 近くにシカが居るようでなき声が聞こえる、水晶山山頂を越えるとあとは下るのみ、下って行くと雁坂峠と雁坂小屋方面との分岐が有る、 Geographica で確認すると丁度この下を雁坂トンネルが通っているようだ。


スマホの Geographica で確認するとこの辺りが丁度雁坂
トンネルの上らしい
分岐を雁坂小屋の方に下る

 道は雁坂小屋に向かってどんどん下って行く、雁坂峠より下ってしまうと、峠に登るのが大変になるので、あまり下らないで欲しいなと思って、左の尾根を見ると、尾根も同じように下っているので、まあ大丈夫そうだ、やがて、青い屋根の雁坂小屋が見えて来た、小屋には誰も居ないのか静まりかえっている、小屋の前を通って先に行くと、有りました。


● 雁坂小屋とトイレ

あおい屋根の雁坂小屋が見えて来た 見たかったトイレ、トイレの先にはテン場

こちらはトイレの先のテント場 雁坂峠のベンチで休んでいたらシカが沢山居た

● 雁坂峠

 みたいと思っていたトイレも見られたので、雁坂小屋から雁坂峠に向かう、この道はなかなか急登で休みながら必死に登ると、雁坂峠が見えて来た、峠に登ってベンチで一息つく。


 目の前の斜面にはシカが何頭もいて、食事中のようだ、一名の登山者が雁坂嶺の方から降りて来た、小屋に泊まるのかと思ったら、私と同じで下るという。


 下って来た水晶山の方を何気なく見ると、雲の間に富士山が頭を出している、以前ここに登ったときも曇りで富士山は見えなかったが、今日は最後の最後に富士山が姿を見せてくれた、ずいぶん高い所に山頂が見える、富士山て高いな。


何と富士山が僅かに顔(頭)を出す 水晶山、ここを下って来た

 登山者はパンを食べて休んでいるので、私は一足先に出発する、ここは一度登った事の有る道だが、ずいぶんと急な道だ、九十九折れの急な道をひたすら下って行く、こんな急な道を良く登ったものだと思いながら下って行く。


後は、この谷をひたすら下るのみ  

 下って行くと登山道の左に沢が流れていて沢音が聞こえる、右の斜面から一本沢が下っていて、左の沢に合流するようで、ここは渡渉しないと先に行けない、すると下から、大きなに荷物を背負ったボッカさんと、もう一人女性の登山者が登って来る、雁坂小屋の小屋番さんかもしれない。


 ボッカさんが渡渉するところを丁寧に教えてくれた、この後も、沢に沿った登山道は渡渉するところが何か所かあって、登った林道と大して違わないような気もしたが、こちらの登山道の方が登る人が多そうで、危険そうな所にはロープも有っていくらか安心できる。


トリカブトが咲いていた ここを渡渉する

 以前登ったときはあまり苦に成らなかったが、下ってみると、距離が有る、何度か沢を渡って沢の左岸を下って行くと見覚えのあるロープの有る沢を越え、沓切沢橋が見えて来た、ここまで来ればもう大丈夫だ、何とか明るいうちに下れた。


 舗装された道を下って行く、以前縦走したときは、暗いうちからヘッデンを付けて歩き出し、この辺りで夜が明けたようにも思う。


● 明るいうちに下れた

沓切沢橋、明るいうちに林道まで降りて来れた

 舗装された道を下って行くと、雁坂トンネルの料金所の上を通る、西沢渓谷の駐車場に行く道が解らないので、スマホの Geographica で確認しようとスマホを見るが、肝心な時に現在地をロストしているようで、役に立たない。


 この道はトンネル工事の為の道だったのか現在は使われて無いようで落石や、枯れ葉や砂が溜まったりして荒れほうだいだ、そんな道を下って行くと、道の駅みとみのさらに下の方で、国道140号に出たが、ゲートが締まっていてやはり使われて無い道のようだった。


 140号線を西沢渓谷の駐車場まで戻ったが、ここでまた失敗をしてしまった、これも加齢のせいか、愛用のストックを駐車場に忘れたようで、家に帰ったら、ストックが無かった、長年使ったストックなのでガッカリだ、何時も駐車場から出るときは振り返って忘れ物が無いか確認するのに今回は横着をしてしまった。


 ストックというのは忘れやすいアイテムらしく2回くらい置き忘れたのを見つけた事が有る、まあしかたが無い。


 以前、雁坂峠から甲武信ヶ岳を縦走したときは、高度計を落としてしまった、この山域は、何かしら無くす所なのかな。


 何時か縦走したいと思っていたコースをはからずも縦走する事が出来たし、トイレも見られた、最後に富士山も姿を現してくれた、足がつる事も無く歩けたので、いよいよ目標の山が視野に入って来たかな。



● 記録


 駐車場 6:48 -(0:22)- 7:10 林道入口 -(1:14)- 8:24 休憩 8:33 -(1:10)- 9:43 鴈峠 9:48 -(0:10)- 9:58 小さな分水嶺 -(0:30)-


 10:28 笠取山展望地 11:03 -(0:14)- 11:17 小さな分水嶺 -(0:12)- 11:29 鴈峠 -(0:41)- 12:10 お昼にする 12:29 -(0:06)-


 12:35 燕山 -(0:44)- 13:19 古礼山ベンチ 13:29 -(0:02)- 13:31 古礼山山頂 13:43 -(0:28)- 14:11 水晶山山頂 -(0:13)-


 14:24 雁坂小屋分岐 -(0:11)- 14:35 雁坂小屋 14:35 -(0:26)- 15:01 雁坂峠 15:12 -(2:17)- 17:29 駐車場


カシミール3Dで作る、反時計回りに縦走

2022年 8月 foxtrot