県境トレイルをつなげる 2021年 8月29日(日)


 
大源太山
(ダイゲンタサン)
標高1764m
利根郡みなかみ町
  三角山から平標山への縦走路

● 何処かへ行きたい


 昔、シラネアオイが見たくて、三国山から、大源太山へ行った事がある、同じ年平標山から仙ノ倉山まで登っている。


 「ぐんま県境稜線トレイル」が発表されたのはずっと後の事だが、すでに歩いている県境稜線を繋げたいと思っていた。


 今年の夏は天候が悪く予定していた山行が中止に成ってしまい、何処か登りたいと思っていたが、ここぞという所が思いつかない、そこでここの、大源太山と、平標山ノ家の間をつなごうと出かける事にする。


 地図で確認すると、元橋の駐車場から、平標山ノ家に登り、大源太山をピストンするのが楽そうだが、浅貝からルートが有るのに気が付いた、以前三国山から、大源太山に登ったときに浅貝から来る分岐が有ったのを思い出し、どうせ歩くのなら、歩いたことのないルートを登る事にする。


 でもこのルートは何の為のルートなのか気になる、毛無山の所に送電線の鉄塔が有るので、巡視路に成っているような気もする、だとするとその先は藪に埋もれた廃道状態だったらどうしようと心配だ、車を駐車する所も解らない。


 山と高原地図や、YAMAPの地図にも登山道として書かれているのでとりあえず行ってみて、ダメだったら元橋に行けば良いやと、出かけてみる。


 月夜野で高速を降りて国道17号を登って行く、三国トンネルは左に新しいトンネルが出来ているが、まだ開通していない、三国トンネルに入るとこのトンネルは狭いので驚く。


 苗場方面に下って行き浅貝地区に入ると、駐車場出来そうなところは有るが、今は人や車もまばらで何処でも止められそうな感じだ、なるべく登山口に近い方が良いので、17号線の右側のマンションの方に入って行くと、旧浅貝スキー場のゲレンデに入って行くコンクリート舗装された道がある、若い頃このゲレンデも滑った事があるが、今は夏草が茂るのみだ、スマホの地図で確認しながら登って行く。


 こんなところに入って来る車も無いのだろう、道に進入禁止や通行止めなど無いので舗装路を登って行くと草が茂っているが止められそうなところが有るので、車を回して駐車する、東の方は別荘地らしく森の中には建物がある。


旧浅貝スキー場のゲレンデ内の舗装路 三角山登山口

● 登山道は見つかる


 支度をしてゲレンデ内の舗装路を登って行くと右側に三角山登山道の看板がある、Geographicaeで確認し道はこれで良さそうだ、登山道は湿った夏草が茂るのでスパッツを付ける。


KWV 1浅貝新生会の看板

 ゲレンデからいきなり急な道でトラロープが付けられた登山道が樹林帯に入って行く、「KWV 1 浅貝新生会」という看板が付けられていて良く整備された登山道が樹林帯に続いている。


ケルンがある 慶応義塾大学ワンダーフォーゲル部

 山の天気予報では "A" だったが雲りで湿気が多く暑い、でもこれで日が出てくればもっと暑くなりそうなのでかえって良いのかもしれない、国道17号を走る車の音が聞こえて来る急な登山道を登って行くと、ケルンが有る、見ると慶応義塾大学ワンダーフォーゲル部で作ったもののようだ。


● 登山者と遭遇


KWV 5 毛無山山頂

 樹林帯の中の登山道はずっと急登が続く、そろそろ毛無山かなという所で話声が聞こえる、こんな所で人に会う事はないだろうと思っていたが、どこにでも登山者はいるもので、毛無山山頂で3名のグループが休んでいた。


 朝、平標山ノ家を出て浅貝に下るという、このルートは谷川岳からの縦走路で、浅貝から湯沢駅に向かうバスが出ていると言う、私は谷川岳から平標山まで縦走したときは元橋に下って、バスで湯沢に行くものと思っていたので、そんなルートが有って、山と高原地図に浅貝までのルートが書かれていたんだと、合点がいった。


 この登山者のグループ、あこがれのコースを縦走出来て、谷川岳から、平標山までのルートは非常に厳しくて大変だったが、平標山ノ家からここまではハイキングコースだと、満足そうに話していた。


 グループに別れを言って先を急ぐ、登山道はちょっと下って送電線鉄塔の下を通る、ワラビが伸びた藪っぽい所もあったが道はしっかりしている、快適な下りの道が続き、途中で休憩して先に行くと、また登りが始まる。


大きな送電線の鉄塔 僅かだが快適な道が続く

 ここからは県境稜線まで、樹林帯の中ずっと単調な急登が続く、辺りはガスが出ていて展望は効かず、汗を拭きながら、我慢の登りが続く。


赤いキノコ KWV 23 急な登り

● 三角山


 急な道を登ると三叉路に飛び出し、そこが三角山で道標がある、県境稜線から東側はガスが切れて展望が開ける、KWVの看板は30で斜面は渋沢へと深く落ち込んでいて展望が良い。


三角山からの展望

 遠く吾妻耶山、大峰山と三峰山らしい山が確認できる、県境稜線は南北に続き、稜線西側はガスで見えない、北側は大源太山に向かって登山道が続いている。


平標に向かう県境縦走路と大源太山

 東側が切れ落ちた県境稜線には、今まで登って来た樹林帯と違い花が沢山咲いている、平標山の方から登山者が下って来る、まずは今日の目的の平標山ノ家を目指し、県境稜線を行く大源太山は帰りに寄る事にする。


  ウメバチソウ

ミヤマリンドウ 大源太山への分岐

 ここから先は未踏の登山道だ、県境稜線は緩く登ってほぼ水平の道が続く。


ぐんま県境稜線トレイル「B-4」の標識 快適な県境稜線

  笹穴沢左に平標山ノ家があるはず

 笹穴沢には滝がある、「群馬山岳移動通信」の以前の記録に、この沢登りで遭難したというのが有ったがこの滝ではないかと思い出してしまった。


トモエシオガマ? 谷川岳への縦走路は雲の中

 斜面は金山沢に向かって深く切れ落ちている、谷川岳からの縦走路は雲の中、1658mのピークを越えるとやっと平標山ノ家が見えてきた。


● 平標山ノ家


平標山ノ家が見えてきた これで県境稜線トレイルがつながる

 平標山ノ家でザックを下ろして休憩する、これで今日の目的は達成出来た、休んでいると神奈川から来たという登山者が話しかけてくる、谷川岳から縦走して来たようで、昨夜は水場の有る大障子避難小屋泊りで、ブリキの避難小屋はあまり綺麗でなかった、泊ったのは一人で、他にテン泊の登山者が居たと言っていた。


 これから元橋に下りバスで湯沢に行くと電車の時間に丁度良いと、時間も余裕で縦走出来たことに満足そうだった。


 私も何時か、谷川岳からの縦走路で、万太郎山から仙ノ倉山の間をつなぎたい、早く実行しないと年が逃げる。


ツリガネニンジンはもうおしまい アキノキリンソウ

何の実  ホツツジ?

● 大源太山


分岐から大源太山へ向かう 大源太山山頂

 平標山ノ家から戻って、分岐から大源太山へ向かう、笹の茂る道を登るが思ったよりも山頂は遠かった、誰もいない山頂にザックを下ろす、展望は南側から三国山に向かう縦走路と三角山がすぐ下に見える。


 アンテナを組み立ててまずは腹ごしらえ、アキアカネが沢山飛んでいる、無線は千葉市、板橋区、東秩父村、深谷市モービルのKさんと交信できた、混信が出て来たので撤収する。


三国山に向かう縦走路

 山頂から下って行くとペットボトルを持った3名の登山者が登って来る、分岐にザックを置いてきたそうだ、もう少しですと言って下る。


大源太山へ向かう分岐にザックがデポされていた

  ヤマハハコ

三角山から平標方面、少しガスが上がって平標山ノ家が見えている

 三角山から下って行くと、急な斜面でつま先が痛くなるほど、途中よく見ると、苗場スキー場のゲレンデが見える所があった。


苗場スキー場のゲレンデとホテル

毒キノコ?  

送電線は長倉山の下に続く

 送電線は三国峠から稲包山への県境稜線に有る長倉山の所へ続いている。


毛無山まで戻って来た 青年会新道の碑

 毛無山まで戻ってくると、谷川岳から縦走して来た登山者が居て読めなかったステンレスのプレートがある。


この登山道は青年会新道という、昭和34年 浅貝と三国山脈を結ぶ最短のルートとして浅貝青年会が開発したが、
歩く人無く笹藪に戻った。へいせい10年KWV有志により再開発され、浅貝新生会が維持している。
末永く多くの人がこの道を歩き続けることを願う。


 と書かれている。


無事浅貝のゲレンデに戻って来た

● 記録


 ゲレンデに車を止める 7:58 -(0:05)- 8:03 登山口 -(0:30)- 8:33 ケルン -(0:20)- 8:53 毛無山山頂 8:58 -(0:10)- 9:08


 休憩 9:16 -(0:59)- 10:15 三角山山頂 10:23 -(0:11)- 10:34 大源太山分岐 -(0:35)- 11:09 平標山ノ家 11:31 -(0:34)-


 12:05 大源太山分岐 -(0:16)- 12:21 大源太山山頂 13:27 -(0:21)- 13:48 三角山山頂 13:51 -(0:45)- 14:36 毛無山山頂


 14:45 -(0:30)- 15:15 ゲレンデ


カシミール3Dで作る、赤登り青下り

2021年 8月 foxtrot