熊倉山(クマクラヤマ)
標高1426.5m
埼玉県秩父市
登山日2020年
11月15日(日)
  熊倉山山頂

● 秩父の山

 秩父御岳山に登った時、南の方に幾つかのピークが見えた、後に地図で調べると、熊倉山や、酉谷山など未踏の山が幾つかある。


 秩父の山はまだまだ登って無い山が沢山あるが、まずは近そうな熊倉山に登ってみたいと思って分県登山ガイドを調べると、和名倉山と長沢背稜が見られるという、熊倉山に登るには幾つかのルートがある、三峰口駅に車を置いて登ると都合が良いが、聖尾根は岩場が有り大変そうだ。


 山の会のTさんが以前に登られているので様子を聞くと、城山の近くの路肩に駐車して大肌尾根の城山コースを登り、日野コースを下ったという、地図を見ると良さそうなコースなので、これで行くことにする、ヤマレコで調べると、白久駅から登ると、林道が荒れていて、舗装が浮き上がっているという、台風のせいで林道が通れないところが有るようだが、武州日野駅の方からなら行けるようだ。


 道の駅・あらかわでトイレを借りて、道を探しながら林道を登って行くと、通行止めのバリケードが有るが、左の方が空いていて、通れるようなので先に進む、土砂崩れの跡があるが、登山口の広場まで無事着くことが出来た。


● 登山口に着く

熊倉山登山口 檜の植林地を登る

 今日は会のメンバー五名での登山だ、Oさんがトップで登り始める、登山道は檜の植林地の急斜面にジグザグに付けられている、道標も所々に有って、迷うことは無さそうだ、斜面は急で効率よくとんどん標高が高くなって行く。


一旦下ってまた登りに成る 狭い尾根を登る

 天気が良く風も無くて、絶好の登山日和だ、一時間程登ると、登山道は植林地を出て自然林の森の中に成る、紅葉はすでに終っていて、枯れ葉の積もった道で明瞭な尾根道に成る、急な道を登り終えると、道は一旦下ってまたもっと急な登りに成る、休みたいが丁度良い場所がなかなか無い。


● 急な登り

1238mのピークで休む 大きな岩がある

 1238mのピークを過ぎた先に岩があるが、休むのに良いところが有った、先に見えるピークが熊倉山の山頂だろうか、東の方にもいくつかのピークが続いている、Tさんが大きなリンゴを剥いて分けてくれる、甘くて美味しい、疲れが取れるようだ。


 休憩後、登って行くと登山道脇に大きな岩が在る、秩父の山は火山では無くて、隆起によって出来たはずだ、大きな岩は周りの砂が流されて残ったのか、それとも上の岩山から落ちてきてここで止まったのか、悠久の時の流れを感じてしまう。


 大きな岩はここだけでなく、下りの登山道にも在った。


急斜面を登る 展望が良い

 さらに登って行くと、今度は木の根の張った急な崖が出て来る、幸い手掛かり、足掛かりは良く、トラロープも有って、登るのには問題無い、それにしても急登だ。


 急斜面を登り終えると、樹林の間の展望が良い、遠く既に白くなった谷川連峰や、秩父市に続く山波が見える。


日野コースとの分岐 山頂稜線に登る

● 熊倉山山頂

 日野コースとの分岐があり、その先で山頂稜線に登ると尾根の先が熊倉山の山頂だった、山頂は岩の集まった所に三角点が有って錆びた鉄板と山名版がある、尾根通しの通過点のような場所で、周りは樹林に成っていて展望は無い。


 記念写真を撮ろうと用意していると、大きなザックを背負った山ガールが、南の方から登って来た、グループは女性3名で、奥多摩の方からテント泊で縦走して来たようだ。


 酉谷山から下って来たという事でにシラカケ岩の事を聞くと展望は良いと言う。


熊倉山山頂

 時間は有るので、記念写真を撮って先の蝉笹山、シラカケ岩に行ってみることにする。


蝉笹山に向けて先に行く 蝉笹山

 先に進むと、コースに綱が張ってあって、遭難者が多いので、ここから先は行かないようにと書いて有る、この辺りの山域は一つ道を間違えるととんでもない所に行ってしまうので、経験豊富なベテラン以外は行ってはいけないという注意喚起なのだろう。


 そこを過ぎると登山道は下って先にまた岩山がある、このルートは1238mのピークで休んだと時に左に見えた稜線のようだ。


 また大きなザックを背負った2名の登山者が登って来た、奥多摩から秩父に縦走する健脚の登山者のようだ。


 岩山を登り幾つかのピークを越えると、蝉笹山と書かれたプレートのあるピークがあるが、ここも樹林帯で、展望は無い。


 道は下って行く、展望の良さそうな所が無いので、スマホのGeographicaで調べるとシラカケ岩はすぐ先にあるようだ、そうと解れれば、安心して先に進める、下って行くと右の方樹林が切れて、展望が開けている、道はそのまま下っているが、登山道右側に開けた展望台がシラカケ岩のようだ。


● シラカケ岩

 正面は切れ落ちていて下は全く見えない、というか危ないので縁に近づけない、ここで今日のお昼にする。


両神山

 展望は素晴らしい、一番右に、浅間山、両神山の手前には。御岳山から続く山が有る。


三峰山と県境稜線

 山頂がちょっと開けたところが、三峰山かな、上の稜線は、埼玉県と長野県、群馬県の県境稜線らしいので、三国山などが有るはずだが、どれだか解らない。


和名倉山、破風山、甲武信ヶ岳、三宝山

 一番高いのが和名倉山らしい、右に破風山、甲武信ヶ岳、三宝山と続いているように見える、手前の稜線は三峰山から雲取山続く稜線のようだ。


雲取山から左に長沢背稜が続く

 この稜線が見たかった長沢背稜で、雲取山の手前、芋ノ木ドッケから東に続く。


酉谷山に向かう尾根

 酉谷山に向かう尾根、稜線は長沢背稜。


下の谷には道路が見える

 下の谷には道路が見えて大きな建物がある。


 私は何時ものようにカップ麺を作っておにぎりをいただく、卵焼きなど美味しいお裾分けもいただいた、無線を聞くと、ロケーションは良いようで、多くの局が聞こえる。


 シラカケ岩からの帰り、無線を聞きながら登って行くと、蝉笹山の所で神流町の諏訪山に登っているNさんと交信する事が出来た、熊倉山まで戻った時、うまいことに足利市の行道山に登られている、Kさんと交信してもらえた。


● こちらも急

日野コースの下り、大きな岩がある 裏側はえぐれて薄くなっている

 熊倉山からは、日野コースを下る、分岐を右に行くと、すぐに植林地に入るが、こちらも急で、下っていても汗が出て来る、こちらにも登山道脇に大きな岩がある。


笹平 下りのコースも急だ

 下って行くと平らな所があり、苔が地面を覆っている、笹は無いが、笹平の道標がある、急斜面はずっと続いていて、沢音が聞こえて来る。


洞窟が見えた 官舎跡

 下って行くと下の方に洞窟が見えた、近づくと洞窟に見えたのは、狭い渓谷の上に大きな岩が挟まっていて、下を渓谷が流れている、上の方には何段かの滝が流れていた。


 登山道は沢に沿って下って行き、官舎跡という道標とちょっとした広場がある、こんな山奥に何かの官舎が有ったのだろうか。


 シラカケ岩に行くときに会った、縦走して来た登山者が先に下っていたが、よほど疲れたのかペースが上がらないようで、私たちが先に行かせてもらう。


● 荒れた沢

沢に下る 沢を渡渉する

 下って行くと登山道は河原に降りて沢の流れを何度か渡渉する、橋だったらしい丸太が河原に残っている、台風で流されてしまったのか、橋は一本も無かった。


林道が見えてきた 林道に上がる

 歩きにくい沢を下って行くと先に林道のガードレールが見えて、沢を渡って階段を登ると林道に出た、林道は工事中で、重機が置いて有る所、堀を飛び越えて先に進む。


 道は歩きやすい、ここまで来れば後は林道を行けば登山口に戻れるので、一安心だ、のんびりと林道を歩いて行く。


斜面に紅葉が残る

 この辺りの斜面にはまだ紅葉が残っている。


日野からの林道に出る

 日野から登って来た舗装された林道に出る、ここには登山口の道標は無い、ここから林道を登り車を停めた城山の登山口に戻った、登山道は急で長かったが、大展望が見られ、楽しい山歩きをすることが出来た。


● 記録


 登山口 7:44 -(1:40)- 9:24 休憩 9:33 -(0:34)- 10:07 熊倉山山頂 10:12 -(0:24)- 10:36 蝉笹山 -(0:12)-


 10:48 シラカケ岩 11:28 -(0:33)- 12:01 熊倉山 -(0:26)- 12:27 笹平 -(0:36)- 13:03 滝が有る -(0:03)-


 13:06 官舎跡 -(0:08)- 13:14 沢に下る -(0:17)- 13:31 林道に上がる -(0:22)- 13:53 登山口


登り赤、下り青、カシミール3Dで作る

2020年11月 foxtrot