常念岳
(ジョウネンダケ)
標高2857m
安曇野市・松本市
登山日2020年 8月 8日(土)
  常念岳山頂の祠

● 今年こそ

 今年こそ、北アルプスの絶景を見たいと思い、常念岳を検討する、8月9日(日)に行きたいと思うが、天候が思わしくないので、一日早め8月8日(土)に行くことにしてあわただしく準備する、コンパスに登山届を送ってから出発するが、夜10時を過ぎてしまった。


 安曇野ICで高速を降りて登山口目指して林道を登って行くと道路左側に広場が有って車が止まっている、ここが駐車場かと思い、広場に入って駐車する、停める場所にはまだ余裕がある、でもナビではもう少し先に駐車場があるようだ。


 遅い時間にも関わらず登って行く車や、隣に止める車がある。


 去年の、中房温泉の駐車場が混んでいたのが頭に有ったので、今日は沢山の距離を歩くので、少しくらい遠くなっても大した事はないと思ってここで夜を明かすことにする。


 朝4時半くらいに起きて支度をする、周りの車はすでに出発しているようだ、寝るときには星が見えていたのに、曇ってしまった。


 舗装された道を登って行くと左側に町の駐車場が有り、一人の登山者が駐車場から登って来る、道路をタクシーも登って行く。


登山口に着く 山の神

● 登山口

 20分程歩くと登山口に着く、赤いジャンパーの遭対恊?の人がいて、登山届を出したか聞かれる、これはヤマレコで事前に調べてあったので、コンパスで提出済と答えると、検温されて登山届に氏名、住所と体温を書いて提出する。


 コロナ対策はマスクは持っていると言うと、山小屋に入るときは必ずマスクを付けるようにと言われ、天候が悪くなるので、早めの下山を促されてしまう。


 樹林帯の登山道に入る、ここから胸突八丁までは楽な道だと聞いていたが、いざ登山道に入ってみると、そんな楽な道だとは到底思えない、道には石ころや岩が多く露出して歩きにくい、しばらく歩くと、大きな木の所に鳥居と賽銭箱が有って「山の神」があるが前の道は沢に成っていて水が流れている、そんなところが至る所にある。


 登山道左には一ノ沢が流れるが、道の右側の藪の中にも沢が流れているようで、その沢が所々で登山道に流れ出ていて、沢に成っている、中洲のような登山道だ。


 沢の流れる音を聞きながら樹林帯の道を登って行くと左側に「大滝」の道標がある、一ノ沢に滝が有るのかと覗いて見るが、沢が勢い良く流れているだけで特に滝らしいものは無さそうだ。


大滝の所の一ノ沢 笠原沢

● 降り出してしまった

 そしてついに降り出してしまった、ザックカバーをかけて、防水に成って無いカメラをザックにしまい、代わりにスマホを出して、笠をさして歩き始めると、前を行く人がカッパを着ている。


 天気は良くないが登山者は沢山いるようで、若い登山者が追い越していく、そして下って来る登山者も出て来る。


 笠原沢を過ぎると道は丸太の橋で一ノ沢の左に渡る、ここも沢に成った道が続きまた一ノ沢の右岸にもどる、左からくる沢が大きく崩落していて、登山道を埋めている。


登山道を振り返る

 下って来る登山者も多く、中には小さな子供が居るファミリーも居て子供は元気よく下って行く、天候は松本方面は明るく、いつの間にか雨は上がったようだ。


胸突八丁 花が沢山咲いている

 胸突八丁の丸太の階段の所には、材料となる丸太、針金、鉄の杭などが置いて有り、見上げると斜面には沢山の花が咲いている、休んでいると何名かの登山者が登って来て、階段を登って行く、誰もいなくなったので、滑らないよう注意深く階段に取りつく。


最終水場 丸太の橋で一ノ沢を渡る登山者

● 足が攣ってしまう

 丸太の階段は何か所も有って、高度感のある道を注意深く登って行く、一ノ沢を渡ると最終水場だ、ここまでは何とか登って来たが、足が攣りそうな気配を感じる。


 登山道脇で薬を飲んで休憩する、ここからは急登の連続で階段が沢山あり、歩き始めると、やはり足が攣ってしまう。


 座って休みたいが、濡れていて丁度良いところがなかなか無い、ベンチも濡れている。


常念岳らしい

 休んでは登り、休んでは登りの繰り返しでなかなか先に進めない、登って行くと正面が開けてきて、常念岳と思われる頂上が雲に隠れた大きな山が見えて来る。


常念乗越に登る

● やっと常念乗越に来れた

 やっとのことで常念乗越に登ると、風がすごい、ここはちょうど風の通り道に成っている、晴れていれば正面に槍ヶ岳が見えるはずなのだが。


常念岳山頂は雲の中 常念小屋

 ここまで何とか登って来たが天気は良くないし強風、常念岳の山頂は雲の中と、山頂に立ちたいという気力は急激に萎えていく、テン場では強風の中テントを張っている人がいる、バタバタとすごい音だ、夜もこんな風が吹いていたら寝られないだろうと余計なことを考えてしまう。


 せっかく来たのだからと、常念小屋に行き、マスクを着けて入ってみる、バッチを買いたい気持ちが解るような気がする、トレーナーやバッチなど、販売しているようだが、どうでも良くなってすぐに出てきてしまった。


 とりあえずベンチに座って休む事にする、パンケーキを食しボーッとしていると少し元気が出てきた、ここで無線をして帰ろうかとも思うが、この強風では風の音がマイクに入ってどうしようもない気もする。


 強風の中でも常念岳の山頂を目指して、沢山の登山者が登ったり、下ったりしている。


● 山頂を目指す

 時間はまだ10時半だ、せっかく来たのだからお昼になるまで登って、登頂出来なくても12時になったら帰ろうと常念岳の山頂を目指す事にする。


 歩き始めると、不思議な事に休んだせいか足はほとんど大丈夫なようだ、強風で体が持っていかれ、思うようなルートが取れない、岩に付けられたペンキにならって岩場の登山道を外さないように登って行く。


 風が強くて寒いくらいで息は荒くなるが、急登を登っていても体は全く熱くならない、ザックカバーが風にあおられて危うく飛ばされるところだった。


常念岳山頂の祠 山頂の道標

 山頂が近づくと風は弱くなってガスが出て来る、三俣との分岐を過ぎると、急な岩場の先に祠があった、時間は丁度12時、時計回りに祠を回って、写真を撮ってすぐに下山する。


蝶ヶ岳方面の尾根 落ちそうな岩

 下って行くとずっと近くを登っていた見覚えの有るカップルが登って来る、下の方でライチョウが4匹いたと教えてくれた、あたりを良く見ながら下ったがライチョウは見つけることはできなかった、動物には嫌われているのかな。


三俣方面への分岐 常念小屋が小さく見える


岩のペンキを確認しながら下る 風にあおられてバタバタと音をたてる

 下って来るとこの辺りが一番風が強い。


常念乗越のテン場と横通岳 そのまま下る事にする

● 下山する

 常念乗越まで下って風当たりの弱いところがないかと探すが、そんなところは見つけられない、時間も押しているのでそのまま下る事にする、丁度まだ若いご夫婦と思われる登山者が登って来る、常念乗越にテント泊をするようだ、以前三俣から登ってきつかったので、ここは楽だと聞いて登って来たが、全然楽ではなかったと言っていた。


第3ベンチ 第2ベンチで休む、正面に常念岳?

 第2ベンチでは一人の登山者が休んでいたが、いままで休んで無いのでここでゆっくり休むことにする、ベンチも乾いていて快適そうだ、正面に見えるのは常念岳か前常念岳か?時折風が吹き抜けていく。


 隣の登山者が登って行くと、4名の山ガールが登って来た、靴も全く汚れていなくて歩き方が上手そうだ、親子のようで、「一の次ぎは」と言ってシャッターを押してあげる、これは結構受ける。


第1ベンチ 食べられるのかな


一ノ沢を見下ろす イチヤクソウ

● 花が沢山

 最終水場を下ると胸突八丁まで花の沢山咲いている斜面になる、登るときは撮れなかった写真を撮りながら下って行く。


クルマユリ グンナイフウロ


マルバタケブキ トリカブト


  センジュカンピ


イワオトギリ ミヤマコウゾリナ?


シモツケソウ ミヤマカラマツ

 シモツケソウの赤が綺麗だ、胸突八丁まで下ると下で待っている人がいる、急いで階段を降りると左足が滑ってふくらはぎを強打してしまった、下のベンチでしばらく休憩する、ちょっと痛いが歩くのに支障が無いのは不幸中の幸いだった。


こんな所を下る 一ノ沢の右岸にわたる

 時間が遅くなっているのに登って来る人が結構居るものだ、下るのは私が最後かと思ったら、そうでもなく、子供連れの家族や、ちょっと恰幅の良い登山者が下っていた。


ホトトギス 苔が綺麗

登りでは気が付かなかった古池 ネジバナ

 長い下りを下って登山口に着くと、どうした事か、登りで何度か話した若い登山者が居た、軽く会釈をして、舗装道路を駐車場に向かう、傍らには綺麗なネジバナが咲いていた。


 常念岳の山頂での無線交信は出来なかったし展望も得られなかったが、諦めかけた登頂が出来たのと、花が綺麗だった事に満足して、帰路に付いた。


● 記録


 駐車場 5:04 -(0:20)- 5:24 登山口 -(1:13)- 5:37 山の神 -(1:50)- 7:27 笠原沢 -(0:43)- 8:10 胸突八丁 8:18 -(0:24)- 8:42


 最終水場 -(1:35)- 10:17 常念乗越 10:38 -(1:22)- 12:00 常念岳山頂 -(1:05)- 13:05 常念乗越 -(0:19)- 13:24 第二ベンチ


 13:39 -(0:19)- 13:58 最終水場 14:02 -(0:21)- 14:23 胸突八丁 14:28 -(0:29)- 14:57 笠原沢 -(1:09)- 16:16 山の神


 -(0:09)- 16:25 登山口 -(0:22)- 16:47 駐車場


カシミール3Dで作る、下りはデータが取れないところが有り、登りのみ

2020年 8月 foxtrot