剣ヶ峰山 | ||
(ケンガミネサン) | ||
標高2020m | ||
みなかみ町、川場村 | ||
登山日2020年 6月 7日 | ||
武尊山 | ||
(ホタカヤマ) | ||
標高2158m | ||
みなかみ町、川場村 | ||
武尊山山頂から今年の山剣ヶ峰山 標高2020m |
● 梅雨入り前に
梅雨入り前の日曜日、何処か山に行ってみたい、緊急事態宣言が解除されても県をまたぐ移動は控えた方が良いという、先月は栃木県の方の山に行き、後ろめたい気がしたのでこんどは県内の山を探してみる。
武尊山だったら群馬県内なので良さそうだ、武尊山は浅松山に登った時、スカイビュートレイルのコースを示す黄色のテープが有って、トレイルランの行われる場所だという事を知った。
昔から荷物をしょって山頂を目指す競争も行われていたという話も聞いたことがある、残念ながら、今年はコロナウイルスのせいでスカイビュートレイルは中止になったようだ。
武尊山へは1996年7月に登ったきりでずっとご無沙汰だ、概ね4つ有る登山道のうちコースタイムの短い宝台樹スキー場からピストンした、山頂では沢山の無線局から呼ばれた記憶が有る。
それぞれの登山コースの所要時間や登山口など調べてみて、アプローチが一番楽な南からの、高手新道を登る事にする、最近加齢のせいか体力が衰えるばかりでちょっと長い距離を歩くと足が攣るように成ってしまった、足と相談しながら、丁度良いペースを見つけたい。
高手新道を登る GPX データーが欲しいのでヤマレコで探すと季節柄、川場スキー場から山頂往復のレポートばかりで、登山口から登るのが見つからない。
それでも古いのを探すとありました、トレイルランの人の記録で、朝4:00発、山頂6:30 8:30下山、往復4:30 と、私では登りだけでもこれ以上掛かってしまいそうだ、トレイルランナーの驚異的な体力は信じがたい。
● 登山口
日曜日、関越道を沼田で下りて、川場田園プラザの前を通って川場スキー場の手前の駐車場広場に着く、ここまで一時間ちょっとしか掛からない、あらためて県内の山は近くて良いと思ってしまう、道路が広くなった広大な駐車場には先客が2台ほど止められている。
支度をしてゲートの脇を抜けてコンクリート舗装された道を登って行く、しばらく歩くと広場と建物があり、建物には「受付」と書いて有る、かつてのキャンプ場の名残りのようだ、「武尊山観光レクリエーション地区案内図」が有るが、文字が消えてしまって全く読めない、ここにキャンプしても出来ることは武尊山に登ることくらいで、家族で来るにはちょっと荷が重いような気がするが。
「武尊山観光レクリエーション地区案内図」 | 武尊山山頂まで7.6Km |
キャンプ場の先は九十九折れの道が有り、カラ松の樹林帯に入る、夏セミと小鳥のさえずり中を快適に登って行く、樹林帯に入ると、登山道右に岩が有り上に石祠が乗っている、高手山(1373.9m)の山頂の道標がある。
● 高手山
高手山(1373.9m) | 川場スキー場のゲレンデが見える |
高手山はただの通過点のようなところだ、まだ歩きだしてからそれほど時間が経ってないのでそのまま通過する、登山道は少し下ってまた登りに成る、すると右の斜面に朝霧の中、川場スキー場のゲレンデが見えて来る。
川場スキー場は私がスキーをしていた若い頃にはすでにオープンしていたが、来る機会がないまま、スキーも出来なく成ってしまった、なのでどんなスキー場か知らない。
登山道には丸太の階段やベンチ、道標などが設置されているが、整備されてからだいぶ時間が経っているらしく、丸太の階段の土が流されて歩きにくい所や、ベンチが朽ちて壊れてしまっている所が数多くある、歩き始めて一時間ほど経ったところで、ザックを下ろして休憩すると、一人の若い登山者が来て挨拶をして軽快に登って行く。
剣ヶ峰山3.5Kmの道標 | 休んだところで見上げると上空に青空が広がる |
ウイダーでエネルギーを補給、見上げると上空には青空が広がって来た、天気予報どうり、今日は好天が期待できる。
登山道は、樹林帯の中の単調な登りが続き、登って行くと右側に川場スキー場のゲレンデが有る、左側、樹林が切れる所ろからは雪の残る谷川連峰らしい山並みが見える。
● 川場スキー場のゲレンデ
川場スキー場のゲレンデ | 西側に谷川連峰らしい山並み |
左側へトラバースする急なところが2箇所程有る、シャクナゲは沢山咲いている、高度が上がると植生も変わって針葉樹の甘い香りがする。
シャクナゲ |
● 西峰
紫のツツジが鮮やか | ベンチと三角点の有る西峰(1870.5m) |
急斜面を登るとベンチと三角点標石のある展望の良いピークに着く、休んでいた登山者が密を避ける為か、すぐに出発して行った、ここが西峰1870.5mで、展望が良い、右側の川場谷を挟んで対岸に見えるのは前武尊らしい。
対岸は前武尊 | 南側を俯瞰する、三峰山と大峰山、吾妻耶山? |
ここまで来ると森林限界を超えたらしく、登山道の脇はハイマツに成り、展望が開け雰囲気が一変する、やはり2000mに近い標高は素晴らしい、正面にはこれから登る剣ヶ峰山らしいピークが突き出している。
ベンチで休憩、G3 が圏内なので山の会に LINE を入れてしまった、登山道はここから少し下って、スキー場のリフトの駅を下に見ながら登って行く、ゲレンデの奥は大岸壁に成っていて、その上に剣ヶ峰山が突き出している。
登って行くと登山道脇の笹の中にシラネアオイを発見、長い道のりを歩いて来たプレゼントのようだ、思ってもいなかったシラネアオイのプレゼントに心が躍る。
● 思いがけずシラネアオイ
川場スキー場のリフト降り場 | 登山道脇にシラネアオイが咲く |
左に見えるのは、より近くなった谷川連峰らしい、振り返ると登って来た西峰と右に見えるのは鬼岩かな、間に三峰山が遠望出来る。
玉原湖から続く稜線の最後に盛り上がるのが獅子ヶ鼻山だろうか、剣ヶ峰山の右に同じくらいの高さのピークが3つ見える、一番左の雪渓のあるピークが武尊山らしい。
玉原湖から獅子ヶ鼻山の稜線 | 武尊山、中ノ岳、家ノ串山かな |
剣ヶ峰山に向かって登って行く、道は左にトラバースして急な丸太の階段が上に続いていて高度感がある、高い山に登るとこんな所を登ってしまって帰れるのだろうかと、一瞬不安な気持ちに成ることが有るがここでもそんな気持ちがよぎってしまう。
剣ヶ峰山の最後の登り | 剣ヶ峰山の石祠 |
急斜面を登り終えると右の斜面に残雪があり、左の藪の中には石祠が有って、シャクナゲの藪を描き分けると、剣ヶ峰山の山頂だった。
ここは両側が切れ落ちていていて高度感がすごい、西峰にいた登山者が武尊山に向かって座っていて横に綺麗なシャクナゲがに咲いていて、写真を撮るのに邪魔だが仕方がない、この登山者、武尊山の山頂では見かけなかったので、ここから帰ってしまったようだ。
● 剣ヶ峰山山頂
剣ヶ峰山山頂 |
ここまで二人しか登山者を見かけなかったのに、ここで来たら何名かの登山者が登って来る、裏から武尊山に登って帰りに、剣ヶ峰山に登ってから帰るようだ、谷川方面の下の方にビルのような建物が小さく見える、登って来た登山者に聞くと、宝台樹のスキー場とのことだった。
休憩後まだまだ先が長そうな、武尊山山頂に向かって、剣ヶ峰山を下る。
シャクナゲ | 剣ヶ峰山を振り返る |
急な岩場を下ると、武尊神社への分岐がある、ミネ桜の群落があるがちょっと遅いようだ、シャクナゲは沢山咲いている、ゴゼンタチバナやショウジョウバカマなど花も沢山ある。
ショウジョウバカマ | 雪渓を渡る |
鞍部を過ぎると今度は長い登だ、疲れた体に鞭打って登るがなかなか山頂は近づかない、下って来る登山者とすれ違い、雪渓を渡ると石ころだらけの急なガレ場の急登に成って12:00ちょっと前に武尊山の山頂に着く事が出来た、剣ヶ峰山から見るとあんな遠くまで行けるのかと思ったが何とかなるものだ。
● 武尊山山頂
武尊山山頂、一等三角点 |
それほど広くない山頂には15名くらいの登山者で賑わっていた、遠くの方は霞んでいて見えないが360度遮るものの無い大展望にしばし見とれてしまう、写真を撮って何時ものように、カップ麺とおにぎりを食す。
山頂から北側に燧ヶ岳は間違いないが左のピークは笠ヶ岳、至仏山のどちらなのだろう、形は至仏山に見えるが、とすると左の低いピークが笠ヶ岳か、171mの標高差はこんなにあるのだろうか、至仏山の右に見えるのは平ヶ岳かな、右の尾根は台倉尾根にも見えるが。
山頂の隅の方にアンテナを組み立ててCQを出すと沢山の局が呼んで来る、東京、埼玉、群馬など30分ほどで10局交信したところでまだまだ呼んで来る局は沢山いるが撤収する、武尊山は南側にここより高い山が無いので、群馬県で 一ニ を争うほどロケーションの良い所だと思う。
谷川岳方面 | 中ノ岳、家ノ串山、前武尊 |
無線をしてても、目の前に剣ヶ峰山が見えている、巻き道は無いので帰りにまた登り返さないといけないと思うと、どうも落ち着かない。
剣ヶ峰山へ登り返す | 武尊神社への分岐 |
山頂にも来れたし、無線も出来たので、急いで下山する、ガレ場を下って雪渓を渡ると若いカップルの登山者が写真を撮っている、さらに下って行くと何と左の膝が攣って来た、すぐに登山道脇に腰を下ろして、芍薬甘草湯を一包飲んでキャラメルを食べてながらしばらく休むと、攣れは引いて来た、立ち上がると今度は右の膝が攣ってくる。
再び腰を下ろして足を延ばすと、大丈夫のようなので、ゆっくりと下る事にする、鞍部を過ぎて登りに成っても、ゆっくりと登って行くと、薬が効いたのか再び攣ることは無かった。
足が攣った時、おさまったと思ってすぐに歩き出すとまた攣ってしまう、おさまった後焦らず後少し時間を置かないと駄目なようだ、団体での登山には向いてないのか?
● 剣ヶ峰山に戻れた
剣ヶ峰山山頂に戻る | 武尊山を振り返る |
分岐から剣ヶ峰山の山頂までは岩場の急登で大変かと思っていたが意外に簡単に剣ヶ峰山の山頂に着いてしまった。
もう時間が遅いので山頂には誰もいない、ここは標高が2020mで今年の山だ、是非とも交信したい、CQを出すと秩父市の局と、渋峠に移動している局が応答してくれて、交信することが出来た。
これで見納めなので武尊山を振り返り、写真を撮って剣ヶ峰山山頂を後にする。
南側、遠く赤城山 | イワカガミ |
下って行くと笹やぶの中にハクサンイチゲが一輪だけ咲いている。
ハクサンイチゲが一輪だけ | 急斜面を慎重に下る |
苦しかった丸太の急な階段を慎重に下り、シラネアオイの咲いていた所を通ると、登りでは気づかなかった所にも、もう一株咲いていた。
西峰で休憩する、今日は長帳場に成るので、ハイドレーションを持って来ていたが、吸っても水が来ない、1.5Lを飲み切ってしまったようだ、後はポカリが少しと、お湯の残りが少し有るので節約して下るしかない。
登山道脇に大きな奇岩 |
下って行くとシャクナゲの咲いている所に奇岩がある、これも登りでは気が付かなかった、長い下りを下って、高手山で休憩、九十九折れの所にはウツギが沢山咲いている。
駐車場には私の車が一台だけなんだろうと思っていたら、以外にも東北ナンバーのプリウスがもう一台、百名山を目指して、遠くから来ているのだろうか。
ウツギが咲いている | 登山口に帰りつく |
2度目の武尊山は行動時間が10時間を過ぎてしまい、やはり長かった、私のコースタイムは山と高原地図のコースタイムとほぼ同じ時間で行ってこれたが、今はいちばん日が長いので結果オーライだが、帰りが5:00に成ってしまったので、もう少し早い時間に出発すれば良かった。
一度足が攣ってしまったのも気がかりだ、このコースは冬、天気の良い時に川場スキー場のリフトを使って登ってみたい。
武尊山は百名山にふさわしいとても良い山なので、オグナホタカからのコースもぜひ登ってみたい。
● 記録
駐車場 6:40 -(1:13)- 7:53 休憩 8:04 -(1:01)- 9:05 休憩 9:11 -(0:21)- 9:32 西峰 9:41 -(0:49)- 10:30 剣ヶ峰山 10:42
-(0:30)- 11:12 休憩 11:16 -(0:42)- 11:58 武尊山山頂 13:06 - 足が攣って休憩 -(1:01)- 14:07 分岐 -(0:11)- 14:18
剣ヶ峰山 14:31 -(0:40)- 15:11 西峰 15:15 -(1:08)- 16:23 高手山 16:31 -(0:25)- 16:56 駐車場
赤登り、青下り、カシミール3Dで作る |
2020年 6月 foxtrot