稲包山 (イナズツミヤマ) |
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標高1598m | ||
みなかみ町、中之条城町 | ||
登山日2019年 5月 5日 | ||
稲包山山頂 |
● 連休最後に挑戦する
5月2日天候不順で断念した県境縦走トレイルのコース、三国峠~稲包山だが、何とか連休中に実行しようと好天が期待される5月5日、再びチャレンジする。
三国トンネル手前の駐車場に車を置いて、支度をして国道17号をトンネルにに向かって行くと、トンネルの手前で橋の工事をしている、コンクリートの斜面には十字に丸い線が描かれていて、ここにトンネルを掘るようだ。
橋の工事をしている |
三国峠に登るのはたぶん3度目だと思う、2000年にシラネアオイが見たくて大源太山に登って以来だ、沢の流れる音を聞きながらトンネル右側の登山道を登る、ジグザグに登って行く道の傍らにショウジョウバカマが咲いている。
三国権現 | この雪渓から県境縦走路に入る |
先に出発した人の姿が見えたが、私が近ずいたのが解ったからかペースを上げたようで、以後見えなくなった、たぶん三国山に行ったのだろう、三国街道と合流するT字路が有ってすぐに三国権現の有る、三国峠に着いた。
● 県境縦走路は展望が良い
雪渓の所に「稲包山、三国スキー場」と書かれた小さい道標がある、ここからいよいよ県境縦走のコースに入る、雪渓に足跡が有るので、先行する登山者が居るようだ、急斜面を登って行くと、すぐに展望が開けて来る、後ろには三国山の斜面が広がり新潟方面の眼下には、駐車場が使えなく成ったトンネル工事の現場が見える、新潟方面の稜線には、特徴ある苗場山が良く見える。
● 長倉山山頂
長倉山山頂 | これから歩く縦走路、左のピークが稲包山だった |
縦走路脇には雪渓が残り左右の谷は深く切れ落ちて高度感がある、天候は問題無さそうだ、大きな木が無いので展望が良くちょっと風がある、正面のピークに登ると一旦下ってその先のピークが長倉山1439mだった。
山の会のメンバーにLINEを送り、アンテナを組み立ててCQを出すが、なかなか応答が無い、ここは標高があまり高く無いし南の方に山があるのでロケーションが良くないのだろう、それでも藤岡市のKさんが応答してくれ、シグナルは59フルスケール電波はちゃんと飛んでいるようだ。
Kさんと話していると若い登山者が登って来て、休む事も無く進んで行く、先が長いので私もすぐに出発する、西の方にこれから向かう縦走路が見えるが、このときはどれが稲包山か全く解らなかった。
登山道はここから送電線鉄塔に向かって急降下する、帰りにこの急登を登り返すのかと思うと気が滅入ってしまう、遠くから見ると感じなかったが鉄塔の基部に着くとその大きさに驚かされる。
ここには鉄塔の巡視路が有って新潟県側に下るのならショートカットが出来るのに、トンネル工事が忌々しい。
鉄塔に向かって急降下 | 大きな鉄塔 |
縦走路はさらに下ってコルに着きここから登りになる、登って行くと雪渓が出て来た、4月だったがアマゾンの広告に18本爪チェーンアイゼンが出ていた、田中陽希が使っていたものと同じかどうか解らないが、見た目はそっくりだ、1999円だったのでついポチッとしてしまった、1999円に命をかけて大丈夫か心配になるが、持ってきたので試してみる。
雪はだいぶ緩んでいるが、アイゼンを付けると効果は絶大、安心感が違うし外すのも簡単だ、爪が短いので雪の無い所でもそのまま歩けてしまう。
● チェーンアイゼンを使ってみる
夏道の上に雪渓が有る | アイゼンを付ける |
夏道を意識しながら、雪の上を歩いて行くと、急斜面があり滑った跡がある、ここは手堅く左の雪の無い所を登った。
前を行く登山者が滑った? | 雪庇にクラック |
登って行くと雪庇にクラックがあるのでなるべく右側を登る、雪渓はずっと続くが途中から右側に夏道がある、アイゼンが有ると雪の上を歩きたいが、夏道を見失うとまずいので、道の有る所は夏道に戻るようにする、そうこうしていると標高1511mのキワノ平ノ頭に着いた。
● キワノ平ノ頭に着く
すぐに無線機のスイッチを入れる、八木アンテナを使いたいが時間節約のためホイップアンテナのままチャンネルを廻すと練馬区の局がCQを出しているので呼んでみる、その後CQを出すと、伊勢崎市の局とさいたま市桜区の局と交信する事が出来た。
登って来た稜線、吾妻耶山と大峰山 | 雪渓を登る |
ここからは登って来た稜線に雪渓で白い線が引かれていて良く解る、三国山の右に遠く雪の武尊山が有ってその右に薄らと日光白根山のピークも確認出来た、特徴ある吾妻耶山と大峰山の後ろにはつい3日前に登った三峰山も見える。
無線をしていると長い休憩にもなって、先に進む元気が出るが、地図を確認すると、稲包山までまだ半分にも満たない。
大きなクラック | 鉄塔に向かって下る |
県境縦走路はさらに高度を上げて行くが、相変わらず雪渓が有ったり夏道に出たりの繰り返しだ、正面に三角形のピークが見えるが手前の谷が深すぎて稲包山にしては遠すぎる、ピークを過ぎると道は南に向きを変えて送電鉄塔に向かって下って行く、すると前に登っていた若い登山者が戻って来た、鉄塔の先に雪が多くアイゼンを持ってこなかったので撤退すると言って戻って行った。
下って行くと鉄塔巡視路との分岐があり巡視路(進入禁止)と書かれている、ここからまた登りが始まるり、先に明瞭なピークがありそれが目指す稲包山らしい。
急な斜面を登るがキワノ平ノ頭からすでに1時間くらい登ったので休憩、現在地を確認すると、県境稜線上歩いていて問題無さそうだ、目指す稲包山までもう少しだ。
● 稲包山まであと少し
現在地を確認する | 天空の稜線 |
休憩後登って行くと大きな雪渓がある、先行者の足跡も確認できるので安心して快適に登って行けるが、正面に雪の付いた急斜面が有りそうだ、良く見るとその急斜面を下って来る登山者がいる。
稲包山までもう少し | 登山者が下って来る |
広い雪原の所で登山者が下って来た、何とアイゼンも付けず山頂までキックステップで登ったと言う、稲包山々頂には四万の方から登った登山者が一人いて、この先に急斜面があるが、展望が良くて好きなコースだと言って下って行った。
登山者が下って行く | 雪渓の最後の急登 |
最後の急斜面に取り付く、雪は柔らかいのでつま先を強く蹴りこんで慎重に通過する、なかなかの高度感だ。
振り返ると谷川連峰の絶景が広がり、今まで登って来た稜線が全て見通せる。
● 稲包山山頂
稲包山山頂 |
アイゼンを外して雪の無い斜面を登るとあっけなく稲包山山頂に飛び出した、山頂にはなぜか三角点標石が二つと、石祠、山名の書かれた柱が2本、360度の展望を独り占めだ。
四万湖と高田山 | 三国山とその上に谷川連峰 |
● 無線は良く飛ぶ
すぐにアンテナを組み立てて、無線を聞くと北杜市小淵沢の移動局が聞こえCALLする、その後CQを出すと沢山の局に呼ばれ、コールサインが取りずらいが、千葉野田市、高崎市、坂東市、埼玉巣鴨市、児玉郡、新潟市の局と交信する。
最後に嬉しい事に「山と無線」のメーリングリストのメンバーで尾瀬の笠ヶ岳に登っている横浜の二人組、SさんとZさんに呼んでもらえた、朝メールを確認すると笠ヶ岳に登ると書いて有ったので、繋がると良いなと思っていたので大変喜んでしまった、まだまだ呼んでくれる局がいるが、時間が無いので無線は終了する。
正面小稲包山と県境縦走路 | 急な雪原を下りきる |
稲包山は県境縦走路から少し南に外れている、帰りに縦走路の分岐を探すと、雪原から小稲包山に向かう尾根に青い紐が付けられていて、ここの雪の下に夏道が有るようだ、行ってみたいが踏み跡は無いし時間が無い、帰りに何箇所か難しい所があるので、小稲包山は諦めて早々に下山する。
直下の急斜面を注意深く下り、広い雪原は夏道の入り口を探しながら慎重に下る、わずかな時間でも踏み跡は雪が解けてわかりづらくなっている、一か所雪の付いた小さいが段差が有って木の枝が邪魔で登りずらい、雪は底が抜けていて足を載せると崩れ落ちる、枝をよけながら何とか這い上がると、ショウジョウバカマが咲いていた。
急斜面を何とか登る | ショウジョウバカマが咲いている |
送電線鉄塔が通る鞍部に向けて下って行く、ここまで来ればあとは危険な所は無くただ下るのみだ。
● あとはひたすら帰るのみ
送電鉄塔のある鞍部へ下る | 振り返ると稲包山が遠くなってしまった |
鉄塔の基で休憩する。
キワノ平ノ頭までもう少し | ヒメイチゲ? |
歩きながら下を見ると小さな花が咲いている、本日2種類目の花だイワカガミの葉は沢山有ったが咲くのはもう少し先のようだ。
鉄塔まで戻って来た | 駐車場には私の車が一台だけ |
長倉山の下の鉄塔まで戻って来たが、ここから急な登りが待っている、何度も休みながら急な道を登って、長倉山を通過、下を見ると国道17号線の駐車場には私の車が一台だけ止まっている。
橋を渡れば駐車場 |
三国峠に下り、三国権現で無事登って来れた事を祈願して駐車場に戻った。
連休最後に、県境縦走トレイルのコースを好天に助けられ長いコースを歩けた、久しぶりに楽しい山行だったが、コースタイムが長いのでもう少し早く出発した方が良かった。
● 記録
駐車場 7:22 -(0:37)- 7:59 三国峠 8:06 -(0:27)- 8:33 長倉山 9:01 -(1:00)- 10:01 キワノ平ノ頭 10:31 -(1:02)- 11:33
休憩 11:43 -(0:37)- 12:20 稲包山 13:31 -(0:53)- 14:24 鉄塔で休憩 14:34 -(0:44)- 15:18 キワノ平ノ頭 15:23 -(0:52)-
16:15 長倉山 -(0:19)- 16:34 三国峠 -(0:25)- 16:59 駐車場
赤往路、青復路、カシミール3Dで作る |
2019年 5月 foxtrot