天理岳 (テンリダケ) |
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標高 1170mくらい | ||
秩父郡小鹿野町 | ||
登山日2016年11月 5日 | ||
天理岳山頂(南峰) |
● Tさんと山に行く
「山の会」のベテラン登山者Tさんは足の具合が悪くてしばらく山に行けなかった、でも最近だいぶ良くなったらしく久しぶりに山に行こうという事になった。
Tさんは以前、尾ノ内から八丁尾根に上がり天理岳に下ったことがあるが天理岳から下の天武将尾根を歩いていないので、「打田^一 著 藪岩魂」に出ているコースを逆にたどるルートで行こうという話がまとまった。
この週末はやっと秋の好天が続くようになって来たので土曜日に出かける、朝6時に玉村を出発、両神山の登山口の日向大谷に向かう、両神山荘に近ずくと道路わきの広場に車が停められている、やはり百名山の両神山、登山口の駐車場だけでは間に合わず路上駐車している、私たちも無料駐車場の広場で方向転換して下りながら道路わきの止められそうな所を探して駐車する。
両神山荘に向かって車道を歩くが、カーブの所からショートカットしようと道路の右側の斜面に入ると、いきなりの急登で転んだら下を流れる薄川まで落ちてしまいそうだ、息を切らして斜面を登りかなりの距離をショートカットして、正面に道路が出て来たがコンクリートの壁が高くて登れそうもない、見ると電柱のあるところ、壁の水抜きの穴に丸太の棒がさしてある、誰かがここを登ったようだ。
丸太に足をかけて登ろうとするが道路のエッジは手がかからずうまく登れない、それでもTさんに助けてもらい何とか道路によじ登ることが出来た、登山を開始する前からとんだ大汗をかいてしまった。
両神山荘下の道路からコンクリ舗装された階段を上ると山荘下に道標がある、たくさんの登山者が両神山に向けて出発して行くなか私たちは山荘の下の階段を反対側に下って楢尾沢峠に向かう。
楢尾沢峠に向かう |
すぐに左の斜面に登る踏み跡があり正面には社がある、ヤマレコから落としたGPXファイルを読み込んだ地図ロイドで確認すると、左側に登って行く道でよさそうだ、社で登山の安全を祈願して戻って左の踏み跡を登って行くとテレビのアンテナの残骸がある、このアンテナはヤマレコの天理岳のレポートの写真で見た覚えが有るので、楢尾沢峠に向かう道で間違いないようだ。
Tさんが若いころは日向大谷までバス路線が無く「納宮」から楢尾沢峠を越えて日向大谷に出て両神山に登ったという、そんな話をしながら急な道を登って行くと稜線に出た、三叉路になっていてここが楢尾沢峠だった、埼玉県の鳥獣保護区の赤い看板と 「警告 日向大谷〜天理岳〜両神山頂へ至 町では管理しておりません 救助隊」 としか読めない傷んだ看板がある。
楢尾沢峠 | 峠の傷んだ看板 |
● 天武将尾根
ここからいよいよ天武将尾根の登りが始まる、植林地の中良く踏まれた道を登ること10分ほどで 905m のピークに着く、ここは北に尾根が伸びその先に道は無いようだが三叉路のようになった広い場所で休憩することにした。
岩尾根が始まる | 紅葉が美しい |
休憩後天理岳に向かって広い尾根歩き始めると、天武将尾根の核心部となる岩尾根が出てくる、急な岩場だが木が生えていて岩や木の根など手がかりは沢山ある、高度感は有るものの捕まるところが有るのでさほど大変なこともなく登っていける、岩場をよじ登ると先に踏み跡が続いている。
両側の切れた岩尾根はずっと続いていてたくさんの人が歩いているようだ、登りは急で効率よく高度を上げていく、天候は穏やかで風もなく、展望も良くTさんと話しながら楽しい岩登りだ。
北側から登るちょっと長い急な斜面があるがうまい具合に木の根があり難なく登ることができるが下るのはちょっと嫌な感じだ、「藪岩魂」に出ているコースは逆回りするのは正解だと思う。
● 両神山
展望の開けたところに出ると南西方向に両神山が見えてくる、私は日向大谷からは登ったことが無いのでどのあたりに登山道が付けられているのか解らないが沢山の人が登っているのだろう。
反対の北側には二子山の岩峰が大きく見える、さらに登って行くと目指す天理岳が初めて姿を現した。
二子山 | 二つ目のピークが天理岳、やっと見えて来た |
天武将尾根は天理岳の先を八丁尾根に続いている | 岩場に紅葉が映える |
狭い尾根を歩くTさん | こんな平らな所もある |
1083m のピークの先で休憩、ヤキソバパンでエネルギー補給する、この先に両神山の登山道に下る帰りのルートの下降点が有るはずなので確認しながら歩いてゆく、樹林帯が切れたところから遠く東の方に立派なピークが見える、後で地図で調べたら武甲山らしい。
尾根から南に下る下降点は植林地のところにテープが付けられて明瞭な尾根が南に下っているのでここでよさそうだ。
登って行くと人の話し声が聞こえる、前に登山者がいるようだ、この辺りから天理岳の直下の急登が始まり、最後は古い鎖を登ると天理岳の南峰の山頂だった。
遥か遠くに武甲山 | 山頂に登る最後の鎖、登山者が登って行く |
● 天理岳
天理岳南峰 |
山頂に着くと先に登っていた4名の登山者が居た、なんと もて男一人に女性3名のパーティーで、私たちと反対廻り、両神山の登山道の途中から登って来たようだ、途中から薮コギで道は無かったと言っていた。
山頂は狭いので私たちはすぐに北峰の方に行く。
天理岳北峰 | 正面に両神山 |
北峰には石祠があり、ここで休憩する、正面には一旦下った天武将尾根が両神山の八丁尾根に続いている、ここから両神山まではまだまだだいぶ時間がかかりそうだ、斜面は紅葉が始まっている。
昼食を取りながら無線するためにアンテナを組み立てるが、今日は岩山を登るので、ストックを置いてきてしまった、アンテナは目玉クリップでストックに取り付けて設営するようになっているので、使わなくても持って来るのだった。
丁度さいたま市西区からCQを出している局がいたので呼んでみたら、先月一ノ倉岳で交信した局だった。
食事をしていると単独の登山者が、尾ノ内の方から登って来た、若い人で、道が無くて大変だったと言っていて、南峰の方に行ってしまった。
ゆっくり休んだ後そろそろ下山しようと南峰に行くと4人組のパーティーは既に出発してしまったようだ、どうりで静かな訳だ、後から登って来た若い登山者が入れ替わりに鎖を下って行った、尾ノ内から登って来たのにどんなコースを辿るのか、この後姿を見かける事はなかった。
紅葉が綺麗だ | ここから尾根を下る |
● 尾根を下る
鎖を下って登って来た道を戻る、登りでは気が付かなかった紅葉が綺麗だ、当たりを付けておいた下降点から植林地に下る、この尾根は、植林地と自然林の境界になっていて、所々に赤いテープが付けられている、「藪岩魂」のコースは少し下った所で尾根から左の沢に下るようだが、尾根は急だがテープなどの印が有るので地図を確認する事もなくそのまま尾根を下ってしまった、所々に境界を示すのか標石が埋められている。
境界を示す標石 | 尾根が二手に分かれている |
下って行くと尾根が二手に分かれている所があった、Tさんとここらで左に行こうかと話し合ったが、まっすぐ下る尾根の先の方に赤テープが見えるのでそのまままっすぐ下ることにした。
植林地の中の尾根はかなり急だが相変わらずテープは付けられている、熊がやったのか引っかかれて皮が?がされた木が沢山ある、よく見ると爪の跡のような傷もある。
右側の植林地から外れた所に深くえぐれたような地形が有る、何かと思って行ってみたら底に枯れ葉が溜まり岩があって穴が開いている、穴は二つ有り、覗いてみたら暗くて中は見えないが奥の方に続いているようだ、鍾乳洞の入口かもしれない。
熊でも出てくるといけないのですぐに退散する。
岩に穴が開いている | 尾根から左にトラバースする |
急な尾根を下って行くと木に赤テープがバッテンに巻かれている、この先下らない方が良いとも取れるが今更戻るわけにも行かないのでそのまま下ると先で尾根が細くなるようなので、左の植林地に下って行く。
踏み跡はないが地面は石が敷き詰められた枯れ沢のような所に出た、下の方に登山者が左の方に向かって歩いているのが見えた。
天理岳から先に下って行った若い登山者に追い付いたのかとも思ったが違うようだ、Tさんに登山者が歩いていると言うと、Tさん曰く「幽霊でも見たんじゃない」と言われてしまった。
でもそのまま下るとまた登山者が3人くらい左の方に歩いて行く、下の方に両神山の登山道が有るようだ。
登山道に有る「山道」の道票 | 観蔵行者坐像 |
下って行くと登山道に出る、道はなんと歩きやすいことか、長尾沢を渡渉して下って行くと鳥居があり観蔵行者が祀られている。
帰りは樹林帯で展望は無いが急な尾根を短時間で呆気なく下ってしまった、秋の好天の日見事な紅葉とスリルのある山歩き、山頂で記念の写真を撮るのを忘れてしまったが、久しぶりに充実した山歩きを楽しむことができた。
● 記録
車を駐車した所 7:37 -(0:13)- 7:50 両神山荘 -(0:39)- 8:29 楢尾沢峠 -(0:10)- 8:38 905mのピークで休む 8:49
-(1:01)- 9:50 休憩 10:12 -(0:17)- 10:29 帰りの下降点 -(0:17)- 10:46 天理岳山頂 11:45 -(0:13)- 11:58 尾根から下降
-(0:53)- 12:51 登山道に出る -(0:07)- 12:58 登山口 -(0:16)- 13:14 車を駐車した所
カシミール3Dで作る |
2016年11月 foxtrot