奥武蔵グリーンラインの山を歩く 2015年12月19日

刈場坂峠

 4月に芦ヶ久保から正丸駅まで奥武蔵の山を縦走したが、奥武蔵の山は沢山ある、最近聞こえてこないが、夜無線を聞いていると、奥武蔵グリーンラインからCQを出している局がいた、奥武蔵グリーンラインとはなかなか響きが良くどんなところか興味を覚える。


 地図を調べると、4月に歩いた尾根から西部秩父線をはさんだ東の尾根に当たる、このあたりはいまだ行った事が無く、低い山が沢山あり冬の日だまりハイクには良さそうだ、エアリアマップには沢山のコースが紹介されているが、首都圏に近く里山なので公共の交通機関を利用したルートが多く、車で行くには駐車場探しが大変そうだ。


 偵察がてら奥武蔵グリーンラインを通って簡単に登れるところが有ったら山頂を踏んでみようと行ってみる事にする。


● 雷電山

 以前秩父7峰で何度か行った事があるが、今度はちょっと違った道をと小川町から松郷峠を登り下って行くと途中に雷電山の道標がある、ここは登らない手はないだろうと行く事にする、急な道を登って行くと自転車が高速で何台も下ってくる。


 
雷電山(ライデンヤマ)
標高418m
比企郡ときがわ町
  雷電山山頂

 登って行くと雲河原生活改善センターのところに、雷電山の道標がありここから山に入れそうだ、近所の人が何人かいるので様子を聞くと、道が狭くて、枯れ葉で滑るけど、あんたなら10分くらいで登れると言われてしまった。


雲河原生活改善センター 狭くて枯れ葉で滑る登山道

 生活改善センターの前はバス停のようだが定期バスは無く予約しないとバスは来ないような事が書いてあった、ここに車を停めて支度をして登り始める、数件の民家を過ぎると道標があり、植林地の中に狭い道が山頂に向かっている。


 道のわきに金網で囲まれた水道の施設だろうか、そこを過ぎ登って行くとすぐに山頂にでる、木立に囲まれた山頂には石祠が二つと鈴の下がった小さな祠があり東の方にも祠がある、ここに登る道は4つもあるようで標高の書かれた立派な道標が立っている。


雷電山山頂の三角点 立派な道標

 展望のない山頂だが、すぐにアンテナを組み立てて空いているチャンネルを探すがロケーションは良いようで土曜日という事もあってどこも使っている、それでも空いているチャンネルを見つけてCQを出すと、何度も交信していただいた事のあるKさんが声をかけてくれた、小川町を走っているようだ、話していると混信が激しく成って来る。


 Kさんと交信を終え空いているチャンネルを探して再びCQを出すと東京都北区、江戸川区、千葉県市川市の局と交信することが出来た、展望は無くとも山は楽しめる、気を良くして雷電山山頂を後にする。


● 記録

 9:20 -(0:09)- 9:29 雷電山山頂 10:00 -(0:08)- 10:08


カシミール3Dで作りました

 雷電山から下って今度は本命の奥武蔵グリーンラインを目指す、道を間違えて林道途中で戻るが大野地区から勝負平を通って白石峠に登る、途中サイクリングの自転車が沢山いて彼らは下りは速いスピードで下って来るのでこちらはすぐ止まるようゆっくりと登っていく。


 白石峠から以前丸山に登った時に通った高篠峠に着く、ここには大きな竣工碑があって覚えがある、堂平山や剣ノ峰など以前何度か歩いた山が見える、大野地区から竹の谷を通って高篠峠に登る道が有ったようだが、見つけられなかった。


高篠峠 大野峠

 大野峠に行くと団体の登山者がいる、ここからだと丸山あたりを周遊したのだろうか、見通しのきかない樹林帯の舗装路を一人で歩いている人などがいる、ここはもう奥武蔵グリーンラインに入っていて、道路に段差注意の看板が沢山ある。


● 刈場坂峠

 グリーンラインをゆっくりと走って行くと道路左側の展望が開けて来て、建物と広場のある刈場坂峠に着く、車が一台止まっている、展望はたいへんよく関東平野が眼下に開けていて電波の飛びも良さそうだ、以前家の近くを散歩している時に刈場坂峠に移動している局とハンディ機で交信した事があるが、ここから出ていたのだろう。


刈場坂峠 定峰峠と剣ヶ峰、堂平山

 2輪車などが来て写真を撮るので刈場坂峠の案内板からちょっと離れた場所に車を停めて、私もここからCQを出してみたところ、足利市の移動局と桶川市の局が応答してくれた、相変わらず混信が激しい。


● ツツジ山

 場所が良いのでCQを出せばいくらでも応答が有りそうだが、先に進む事にして地図を見ると、登ろうと思っていたカバ岳は過ぎてしまっていた、戻るのも面倒なので、グリーンラインを下って行くとすぐにツツジ山400mの道標があるので、道端に車を停めて登る事にする。


ツツジ山
標高879m
飯能市
ツツジ山山頂

ツツジ山への道標 植林地の中の道を登る

 登山道は笹原が少しあって植林地の中に道が続いている、ひと登りで、道標と三角点のある標高879.1mの山頂に着く、ここは北側に木があるものの、南側は開けていてたいへん展望が良い、これから下って行く奥武蔵グリーンラインの走る峰々や東京都内のビル群、スカイツリーなどが良く見える、丸太のベンチがあるのでここに座ってアンテナを組み立てる、ところが困った事に行政区が良く分からない、多分飯能市だと思うが私の持っている地図は古くて区画が良く分からない。


山頂は三叉路に成っていて三角点がある

 飯能市という事でCQを出すと加須市、東京の瑞穂町、神奈川の伊勢原市の局と交信することが出来た、ここは正丸駅から刈場坂峠への通過点に成っているので無線を運用中に登山者が正丸駅の方から登って来て休む事もなく刈場坂峠へ下って行った。


 
飯盛山のアンテナ、右にスカイツリー

● 記録

 11:42 -(0:09)- 11:51 ツツジ山山頂 12:15 -(0:09)- 12:24


カシミール3Dで作りました

 車に戻り、グリーンラインを下って行くと波郷の碑という大きな石柱に奥武蔵グリーンラインが作られた経緯を説明する案内板が有る、さらに下るとブナ峠の道標がある。


波郷の碑 ブナ峠

● 飯盛山

 先にピークが見え下って行くと飯盛峠の道標が有るが、飯盛山はどこにも書かれてない、地図を見ると飯盛峠のところに飯盛山があるので、道端に車を停めて峠の北側にある道を登る事にする。


飯盛峠(イイモリトウゲ) 飯盛山のアンテナ

 この道は飯盛山のアンテナに行く道のようで、このアンテナは埼玉県のFM局 FM NACK5 の送信アンテナらしい、広い道のわきに踏みあとがあり登って行くと植林地の中に飯盛山 816.4m の道標がある。


 
飯盛山(イイモリヤマ)
 
標高816m
 
飯能市
飯盛山山頂 816.4m の道標

 ここが飯盛山山頂という事で、ここでもアンテナを組み立ててCQを出すと、千葉市、伊勢崎市、浦和区、みどり市、横浜市鶴見区の局が呼んでくれて、アンテナを横浜方向に向けていたおかげで、同じく横浜市の山と無線でおなじみのSさんから呼んでもらう事が出来た、Sさんとは何度も交信しているが、いずれもSさんが山に登っているときで、Sさんの自宅とつながるのは初めてだ、無線もこんな事が有るから楽しい。


● 記録

 12:35 -(0:05)- 12:40 飯盛山 13:16 -(0:03)- 13:19


カシミール3Dで作りました

● 関八州見晴台

 車に戻り、さらにグリーンラインを下るとカーブ手前に高山不動尊奥の院、関八州見晴台入口の標識がある、道路端にバイクが停められている、私もここに車を停めてツツジのある踏あとを登って行くと5分もかからないで見晴らし台に登る。


関八州見晴台入口の標識 関八州見晴台、標高771.1m

見晴台のお堂 素晴らしい展望

 ここからの展望はまさに圧巻で、関東平野が一望でき、西の方の山並みには富士山も見える、尖った形の良い高い山が見えるが山名板で確認すると武甲山のようだ、ここから見える武甲山は実に立派だ。


富士山も見える 形の良い尖った山は武甲山

 見晴台の北側にはタワーとアンテナがある、行ってみると人家ありハムの人がここに住んでいるのだろうか、奥武蔵グリーンラインからCQを出していたのはここの住人なのだろうか。


タワーとアンテナ

 飯能市のレピーターは私が散歩しているときでもハンディー機で良くアクセスできるが、ここに設置されているのかもしれない。


 関東平野の一望できる南側のベンチに座って、ハンディー機でCQを出すと千葉県銚子市の局が応答してくれたが、混信のせいで良く取れないらしい、それでも何とかコールサインを確認、レポートももらう事が出来た、そのあと、古河市と入間市の局と交信し、見晴台を後にする。


カシミール3Dで作りました

● 高山不動尊

 車に戻りグリーンラインを下ると、カーブのところ右に高山不動尊へ下る道がある、始めて来たので参拝して行こうと下って行くとコンクリート舗装された急な道がカーブしながら下って行き、右に駐車場がある。


 車を停めて不動尊に向かうと大イチョウの木がある、急な斜面の上に立派なお堂がある、登る階段は何と急な事か。


階段の上に高山不動尊 梁が凄い

 急な階段を登り不動尊に参拝する、見上げるとお堂の屋根を支える梁の凄い事、こんな急な山奥によくも大きなお堂を作ったものである。


立派な高山不動尊のお堂

 急な道をグリーンラインに戻り、顔振峠に下る、途中黒山への道標などがある、顔振峠には道の両側に茶屋などがありハイキング道の道標がたくさんある、グリーンラインからは展望も無く、通過してしまった。


 下って行くとグリーンラインは左に急な角度で曲がって飯能の方に行くようだが、時間も遅くなったので、左に曲がらず直進し国道299号線にむかう、トンネルの出口のところで、国道に出て、秩父を通って帰って来た。


2015年12月 foxtrot