赤岩尾根縦走 2015年11月 7日 晴れ曇り

 
赤岩岳
(アカイワダケ)
 
標高1520m
 
埼玉県秩父市
多野郡上野村県境
 
ニッチツ鉱山住宅跡から

● T さんに誘われる

 山の会のベテラン登山者である T さんから赤岩尾根の縦走に誘われた、T さんは6月に赤岩尾根に行ったが最後の P2 P1 を巻いてしまった事が、心残りであり再度チャレンジしたいので一緒にどうかということだった。


 私にとって赤岩尾根はちょっと荷が重いような気がするが、T さんのサポートが有れば何とかなるかと思って、同行させてもらう事にした、その後山の会の S さんと O さんが行けるという事で総勢4名で 11月 7日 決行となった。


 5:30に玉村を出発する、曇りの天気予報だったが、明るくなってくると青空が出て良い天気だ、紅葉の綺麗な金山志賀坂林道を登り、赤岩岳登山口に着く、ここから登るのも3度めだ、 T さんは人数分のハーネスを用意してきてここで皆さんに配る。


 私は昔表妙義の縦走をするために山道具屋さんで作ってもらったハーネスを持っていた、鎖場を登って休んだりするとき使うものだと思っていて、鎖など無い赤岩尾根では使えないだろうと持って来なかったがそれはとんだ間違いだった、一度しか使った事がなかったので、持ってくればよかった。


枯れ葉の道を登る ここを登ると展望が開ける

 O さんを先頭に赤岩峠を目指して植林地を登る、広い尾根に出たところで一休み、枯れ葉の急な登山道を登る、赤岩峠で休憩しここでハーネスを付けて、赤岩岳に向けて急なガレ場を登る、沢を詰め急な岩尾根を登るとオオナゲシや天丸山などの西上州の絶景が広がる。


西上州の山々

 赤岩岳山頂で一息入れて、いよいよ赤岩尾根に踏みだす、ここからは初めての所だ、枯れ葉の積もった踏み跡を行くと南側の開けたところに出る、高度感が凄い、中津川に抜ける道に日窒鉱山が見える。


● 赤岩岳山頂

赤岩岳山頂 日窒鉱山など展望が広がる

 南東の方に見えるのは狩倉岳だろうか、両神山の方から山並みが続く、踏みあとはしっかりしているが、登り下りが続きどこを歩いているのか良く分からない、T さんが用意してくれたガイドブックのコピーで現在地を調べる。


狩倉岳? ガイドブックのコピーでルートをチェック

 葉の落ちた樹林帯をアップダウンを繰り返して進んで行くと正面に岩稜が出てきた、ここは左、北側に固定ロープが3本下がっている、ロープを引っ張ってみると少し伸びて頼りない、気を取り直して一気に垂直の岩壁をよじ登る。


左に行くと固定ロープが3本 ロープを登る S さん

 緊張する岩場を過ぎると票石の代わりなのか岩に十字が切ってある、そして正面に1583m峰の岩塔が迫る。


● 1583m峰

票石の代わり? 1583m峰

ここから先は松の木の元を一旦下るが、出だしが悪く T さんにザイルを出してもらい、懸垂降下で下る、下から見ると手がかり足がかりは沢山あって大した事は無いように見えるが、下りは足元が見えずなかなか難かしい。


懸垂降下で下る O さん 1583m峰を登る

 鞍部に下ると南側の斜面にロープが張られ、そこを進むとその先は一枚岩の急な斜面になる、岩場に生える小さな木に結んだ短いロープが下がっている、木が細く何とも頼りない、下は切れ落ちて覗く事も出来ない斜面だ、幸い手がかりは有るので慎重に登りあげるが、斜面が急でさらに先に進まないと息つくところがない。


 岩場に慣れてなかったせいか、今回の縦走で一番緊張するところだった、写真を撮る余裕も無かった。


票石「山」 P4 P3

 登っていくと1583m峰の山頂近くに票石「山」がある、その先にもいくつかピークがあり登り下りを繰り返し進むと P4 P3 と思われるピークが正面に見えてくる、やはり天気は下り坂で、ガスが出てきて先の山々を隠してしまった。


最低鞍部の票石「一」 小キレットを超える

 斜面北側を巻くように下っていくと最低鞍部に「一」の票石がある、先に行くと小さなキレットがありここから急な斜面を登ると P4 と思われるピークに登る、赤岩岳から特に休む事も無く歩いて来たので、少し早いが昼食、大休止とする。


● P3

このあたりで昼食にする P3 の頂上

 P3 は山頂ピークに標識がある、ここで記念写真を撮って先に進むと登山道わきに三段に積みあがった岩がある、ケルンのようにただ乗っているだけでよく落ちないものだ。


三段に積みあがった岩 チムニーを登る

 ここから登っていくと P2 に登る狭いチムニーに出る、ガイドブックのコピーには固定ロープとあるが、ロープの類は無い、途中の岩にハーケンが一つ打ち込んである、下ってくる登山者がいるので待っていると、狭い岩場を懸命に下ってくる、若い登山者でこの後2名がなんとか下って来た。


 私たちは安全登山とばかりに、ザイルを使う事にする、私がカラ身でチムニーを登って、ザイルでザックを引き上げ、上にある太い木にザイルを廻して、一人ずつ無事登り終えた。


 P2 の山頂には枯れた木に標識が付けられている、標識も枯れて字が見えないが、良く見ると P2 と読める、正面に P1 がガスの中に現れる。


P2 山頂 正面にP1

 P2 から大きく下り岩尾根を登るとゴジラの背中のような岩峰が続く、ガスで回りが見えないせいか、慣れてしまったからか、怖さを感じる事も無く白のペンキで←赤岩岳と書かれた大きな岩のある P1 の山頂に出る。


● P1

P1 の登り ゴジラの背中を登る

 P1 の山頂でしばし休憩する、ここは展望が良いはずだが、あいにくガスで回りは何も見えない、でもここまで歩いて来れたのをみんなで讃えあう。


P1 山頂 山の神

 P1 からも急な下りが続く、枯れ葉の積もった道を滑らないよう慎重に下って行くと登山道わきにトタン屋根の小屋の中に石祠が二つある山の神がまつられていた、今日無事に歩けたのを祈念して八丁峠に下る。


八丁峠 落合橋の登山口

 八丁峠で記念の写真を撮る、先の展望台に二名の登山者が休んでいた、ガスで何も見えないのでこのまま落合橋に向けて下山する、後はひたすら下るだけだ。


 歩いているとサイレンの音が山の中に響いていくる、落合橋の登山口からすぐ上のガレた沢の上の森の中で大きな声で人を呼んで捜索しているらしい。


 おかしな所を登る人がいるものだ、落合橋から下った駐車場のところにまだ若そうな女性が立っていて、この人が捜索隊を呼んだようだ。


救助隊が捜索していた

 落合橋から車道を、小倉沢の登山口まで歩く、 T さんのおかげで誰でも間違えるような所を2箇所くらい、無事通過して来れた、緊張感のあるたいへん楽しい山歩きを満喫した赤岩尾根縦走だった。



● 記録


 登山口 7:32 -(0:35)- 8:07 尾根で休憩 8:14 -(0:30)- 8:44 赤岩峠 8:54 -(0:27)- 9:21 赤岩岳山頂 9:29 -(0:29)- 9:58


 固定ロープを登る -(0:36)- 10:34 1583m峰 -(0:52)- 11:26 昼食 12:06 -(0:21)- 12:27 P3 -(0:10)- 12:37 P2 -(0:17)-


 12:54 P1 13:04 -(0:22)- 13:26 八丁峠 13:28 -(0:38)- 14:06 落合橋 -(0:40)- 14:46 登山口


カシミール3Dで作りました

2015年11月 foxtrot