今年のお盆休みは久しぶりに八ヶ岳 2015年 8月12日

編笠山(アミガサヤマ)
標高2524m 
諏訪郡富士見町
山梨県北杜市
 
権現岳(ゴンゲンダケ)
標高2715m 
諏訪郡富士見町
山梨県北杜市
 
三ツ頭(ミツガシラ)
標高2580m 
山梨県北杜市
編笠山 権現岳

● 久しぶりの八ヶ岳

 今年のお盆休みは久しぶりに八ヶ岳に行く事にする、観音平に車を置いて編笠山、権現岳と歩き、三ツ頭に下れば、周遊できる、歩行時間が9時間くらいになるので、朝早く出れば行けそうだ。


 休みになる前にそんなふうに考えていたが、天気予報を見ると天気があまり良くない、12日に行くのが良さそうだ、11日に仕事を終えて夕食後、あわただしく支度をして出発する、急いで支度をしたが9時半を回ってしまった。


 小海町あたりから雨が降り出した、八ヶ岳高原ラインを通るのは初めてだが、ナビの指示に従って雨が降る中まったく車の通らない真っ暗な道をひたすら走り続ける、途中道路わきにシカが5.6頭たむろしている。


 観音平の駐車場に着いたのは12時半くらいになっていた、駐車場は半分ほど車が停められている、幸い雨は止んでる、すぐに後ろのシートをたたんで寝ることにする。


 寝られたのか寝られなかったのか良く分からないが、朝4時くらいになると隣に停めてある車がライトを点けて支度をしているようだ、今日は時間に余裕があるので明るくなってから出かけようともう少し寝ていたい気分だが、一度目が覚めるともう寝られそうもない、ここで寝てしまうと何時に目が覚めるかわからないので、支度をすることにする。


● 編笠山に向けて

 曇っているせいか外はなかなか明るく成らない、薄暗い中支度をして登山口に向かおうと、登山者が歩いて行った方に向かうが、夜に入ってきた駐車場の中は方向感覚がおかしく、編笠山の有る北に向かうような気がしない。


 それでも登山口らしい方に行くと、「八ヶ岳中信高原国定公園展望図」という案内板があるので間違いはなさそうだ。


 曇っているようでなかなか明るくなって来ない樹林の中の道を歩いて行く、先に出発した隣の車の人たち(お隣さん)が休んでいたので、挨拶をして先に行く、右を見ると変わった形の岩が立っている、ピエロの横顔のように見えるがどうだろう。


ピエロの横顔にみえる

 なだらかな登山道を登って行くと人の声が聞こえる、左の方の森の奥にも登山道が有るようで、子供を二人連れたお父さんが歩いている。


● 雲海に着く

 ベンチのある「雲海」に着くと、ここにもひと組のカップルが休んでいる、私はまだ休む必要もないので、挨拶をしてそのまま通過する、道は明るい笹原の植林地の中を登っていくようになる、明るくなってきたことで何か気分も良くなってきた、植林された木には鹿の食害から守るため黒い紙が巻かれているが、こんな紙で鹿の鋭い歯から守れるのかと思ってしまう。


明るい笹の植林地を登る

 歩き始めて一時間くらい、丁度ベンチがあるので、ザックを下してウイダーでエネルギーを補給していると、雲海で休んでいた人たちが登って行く、以降編笠山の山頂までこの人たちと前後して登るようになった。


ベンチが有るので休憩する

 登山道は大きな石が沢山ある急な道になってきた、石をよけて歩くため踏み跡がいくつかありルートを確かめながら登っていく。


● 押手川

押手川の分岐

 押手川の分岐は樹林帯の中だがちょっと広くなっていて、右に青年小屋への道がある、川というが枯れた沢のような地形があるだけだ、ここはもちろん編笠山への直登コースへ進む、登って行くと若者数名のグループが下ってくる、大きなザックを背負って八ヶ岳を縦走しているようだ、どこの山に行っても私のような中高年が多いが八ヶ岳は若い人たちも良く見かけ人気がある。


 登山道はさらに急になり、岩をよけて歩きやすいところを歩くためか踏み跡が広がり、「自然保護のため登山道を歩きましょう」という看板がロープに付けられている、正直本命の登山道が何処なのか良く分からないところもある、岩にはアイゼンで削られた筋が付いていて、冬でも沢山の人が登っているようだ。


● 休憩

 登り始めてそろそろ2時間になるので休憩する、樹林の間から南アルプスのピークが見えている、休んでいると若い単独の登山者が登ってきてこちらのコースは登りがきついですねと、スマホの地図を出して見せてくれた、押手川の分岐で青年小屋の方へ行くつもりだったが、分岐を見落としてこちらの方に来てしまったと言っている、それでも若い人は元気良く登って行った。


 そのあとどこかでスイッチが入ったのか、観音平の駐車場で私の隣に車を停めていたカップル、「お隣さん」が登って行き、私も登り始めると、雲海で休んでいたカップルが、後に付いてきた。


 前に引っ張られ、後ろから煽られる形で急な道を登ることになった、振り返ると雲海の上に南アルプスの山々が並び東の方には富士山が見える、さらに東には金峰山の五丈岩も確認できる。


南アルプスの山々 雲海の上に富士山

● 編笠山山頂

 急な登山道を必死に登ると、あたりはハイマツ帯になり緩やかな登りになると、岩だらけの編笠山の山頂に出た、少し風が有って寒い北側には見覚えのある八ヶ岳の山々が並び、360度の大展望が広がる、地図を広げて一つ一つピークを確かめる。


 南アルプスの山は右から、仙丈岳、甲斐駒ヶ岳、北岳、鳳凰三山だと教えてもらった。


 ここで初めて気がついたのだが、これから行こうとする権現岳は正面に見える見事なピークだとすると、その右に見える岩のあるピークは何なのか、手前に小屋が有るので先の岩の有るピークが権現岳だとすると手前の見事なピークは何なのか、来てみると地図で見たイメージとだいぶ違っている、NETで調べれば簡単に解るのだが、八ヶ岳は多くの登山者が登る山なので、コースタイムを調べただけで、後はほとんど何も調べないで来てしまった。


 知らなければ新しい発見も有って、それはそれで楽しいのだが。


 結局歩いてみて解ったのだが、手前の見事なピークはギボシで地形図をみると西と東の二つピークがある。


編笠山の山頂 阿弥陀岳、横岳、赤岳、ギボシ、権現岳

 編笠山の山頂でいつものように登頂記念の無線交信をする、岩の隙間にストックを立てて4エレメントの八木アンテナを組み立ててCQを出すと甲府市のモービル局が応答してくれた、平日では有るものの、交信できたので、すぐに撤収し権現岳に向かうことにする。


 青年小屋に下る道はハイマツの中に分け入る狭い急な下りで、ぬかるんでいて登るのはさぞ大変そうだ、登って来る人がいるので、よけて待っているとちょっとやな顔をされてしまった。


ヒカリゴケが緑に光っている 岩の上を飛び越えて下る

 ハイマツ帯を出ると大きな岩がある、隙間が有るので覗いてみると少しだがヒカリゴケがある、大きな岩が一面に敷き詰められたような露岩帯は踏まれることで色が変わった踏み跡を確かめながら飛び石を飛び越えるように下り青年小屋の前に出た。


● 権現岳へ向けて

 小屋の前では私が無線をしているときに先に下って行った、「お隣さん」が休んでいた、ここから権現岳まで一時間半のコースタイムだが、編笠山に登るのにペースが速すぎて疲れてしまった、まだまだ先は長いので、一時間半を二時間で登るつもりでゆっくりと登る事にする、登山道わきには沢山の花が咲いている。


ヤマハハコ シナノオトギリ トウヤクリンドウ

コバノイチヤクソウ トモエシオガマ チシマギキョウ

 写真を撮りながら登って行くと、2530mの「のろし場」に出る、正面に西ギボシの大岸壁が立ちはだかる、下は大きく切れ落ちて覗くこともできない。


のろし場 西ギボシ

 このあたりでまた「お隣りさん」が先に登って行く、急なガレ場を登って行くとトリカブトが咲いている、ここのトリカブトの花はちょっと小さいようだ、ナデシコも沢山咲いている。


トリカブト タカネナデシコ  ?

 急な斜面を登って行くと鎖場があり、西ギボシに登って行く、右側は深く切れ落ちている。


ガレ場の急登 岩の上に根が張れるんでしょうか、イブキジャッコウソウ

 岩の上に咲いているのはイブキジャッコウソウらしいが岩の上なのに根が張れるのだろうか。


急登は続く

 ここを登ったあたりが西ギボシの山頂になるのかもしれない、良く分からないままひたすら急な岩場を登る、相変わらず花は沢山咲いている。


イワベンケイ雌株 これもイブキジャッコウソウ? ミヤママンネングサ

 鎖のある片斜面は東ギボシの山頂を巻いているようで、登って行くと稜線に出る、赤岳が正面間近に見える。


東ギボシの山頂を巻く登山道 東ギボシ山頂の先の稜線に出る、間近に赤岳

● 権現岳山頂

 なだらかな稜線を行くと右に権現小屋がある、先に赤岳への分岐があり右に行くと岩の上が権現岳山頂だ。


権現小屋、屋根の上に権現岳 権現岳山頂

 権現岳山頂ではちょうど「お隣さん」がいて写真を撮っている、私もついでにシャッターを押してもらった、狭い山頂には山名板と剣が刺さっている、写真を撮ったあと先の斜面に行って休むことにする。


 
ギボシの登山道 権現岳山頂、桧峰神社

 大変だと思った青年小屋からの登りだが、意外と早く登れてしまった、いつものようにおにぎりを食べながら無線を聞く、アンテナを立てたいところだが、あいにくストックを立てるところが無い、斜面の下のへりの所に行けば木が有るので何とかなりそうだが面倒なので、ホイップアンテナのままCQを出すと、諏訪郡、岡谷市、北杜市の局と交信することができた、岡谷市の局は、昨年霧ヶ峰に行ったとき三峰山で交信した局がまた声をかけてくれた。


編笠山、青い屋根の青年小屋 帰りのコースの三ツ頭方面

 天候は下り坂で雲が出てきて富士山も見えなくなってしまった、無線をしている間に「お隣さん」は下ってしまい、私も下る事にする、権現岳から三ツ頭に下って行くと、一か所鎖場が有り、後はひたすら下るだけだ。


振り返ると権現岳、阿弥陀岳、赤岳 三ツ頭から阿弥陀岳、赤岳

● 三ツ頭山頂

 途中で振り返ると権現岳、阿弥陀岳、中岳、赤岳が並んで見える、少し登り返すとると三ツ頭の山頂だ、ここで休憩、石に腰かけてまたアンテナを組み立ててCQを出すと、昨年霧ヶ峰に行ったとき鷲ヶ峰で交信してもらった局が呼んでくれて交信することができた。


 三ツ頭からちょっと下ると天女山への分岐がある、ここで間違うと観音平へ下れなくなってしまう、念のため地図を出して確認する、右方向で間違いない。


マツムシソウが一株咲いていた

 三ツ頭からの下りは長く谷を挟んだ右側に編笠山を見ながらひたすら下る、高度計を見ていてもなかなか低くならない、木戸口を過ぎるとキオンが沢山咲いている、蝶がいるのでオオムラサキかと思い写真を撮るが、調べたらアサギマダラだった。


木戸口 アサギマダラ

 それでも長い下りの末、笹の植林地を下って行くと観音平への分岐に出た、地図には八ヶ岳神社と有るので神社があるのかと思ったが、ただの十字路で、神社らしいものは見当たらない。


笹の植林地を下る 観音平への分岐、ただの十字路

 観音平へは良く整備された道が続いている、途中岩が沢山敷き詰められたような地形が有って、そこを過ぎると今度は丸太の階段が延々と続く、でも下りで良かった。


観音平へ丸太の階段を下る

 最後は少し登りになり話す声が聞こえたら「お隣さん」がいて、観音平にやっと着いた。


 八ヶ岳は火山で出来た山だという、硫黄岳に爆裂火口があるが、そこだけでこの大きな山はできないだろう、北の方には池や湖が有るが、そこが噴火口だったとすると南にはほとんど池が無いので、浸食で無くなってしまったのか、南が古く北が新しい地形なのだろうか。


 南の方が険しく北の方がやさしく見えるのは、そんなせいかもしれない。


● 記録

 駐車場 4:58 -(0:44)- 5:42 雲海 -(0:24)- 6:06 休憩 6:13 -(0:14)- 6:27 押手川 -(0:32)- 6:59 休憩 7:08 -(0:46)- 7:54


 編笠山山頂 8:19 -(0:21)- 8:40 青年小屋 -(0:36)- 9:16 のろし場 -(0:58)- 10:14 権現小屋 -(0:10)- 10:24 権現岳山頂


 11:14 -(0:45)- 11:59 三ツ頭 12:22 -(2:24)- 14:46 観音平駐車場


トラックデータ、カシミール3Dで作りました、編笠山から青年小屋までスイッチを入れ忘れました


2015年 8月 foxtrot