国道354号線バイパス開通を記念に歩く 2014年10月25日

 国道354号線バイパスが暫定2車線ながら全線開通し、はやくも2ヶ月になる。


●開通記念式

8月31日玉村伊勢崎バイパス全線開通

●やっと開通

 私が玉村町に越して来た時にはすでに計画されていた道路だが、20年以上の歳月を経てやっと開通の運びとなった。


 やっと開通したので、これを記念して少し歩いてみようと思っていた、せっかく歩くのだから、太田くらいまでは行ってみたいが、帰りの事を考えると良い路線が無い、普段ほとんど車で移動しているので電車以外の乗り物となるとなかなかなじみが無い。


 行きに歩くのは良いが帰りまで歩くのはちょいと、いやいや大いに大変だ、誰かに迎えに来てもらうか、バスと電車を乗り継ぐか、バスとなると調べるのが面倒だ、そんな事を考えているうちにもうすぐ2ヶ月経ってしまう。


 伊勢崎から本庄に出て、高崎線で帰るのなら簡単だが、伊勢崎まででは、普段の散歩とたいして変わらないし、伊勢崎から本庄までの方が距離が長く、国道354開通記念というには間が抜けている。


●島村の渡し

 地図を出して何か良い手は無いかと調べていると、伊勢崎から本庄に行くのに、島村の渡しが目に付いた。


自衛隊ボートの利根川遊覧船、2006年5月

 島村の渡船は昔、子供たちと5月の島村渡船フェスタに行って、自衛隊ボートの利根川遊覧船に乗った事がある、8年も前のことだ、それに利根川を渡った事は無い、利根川を渡った先にはすぐ近くに世界遺産登録になった田島弥平旧宅が有るではないか。


 このコースならば国道354を歩く距離も少し伸びるし、利根川を渡って田島弥平旧宅も見学できる、まさに渡りに船である。


●家から出発

 秋の安定した天気の下、9:00過ぎに家を出る、近くの自販機でお茶を買って歩き始めた。


伊勢玉大橋を渡り伊勢崎市へ 天気が良くウオーキングには持って来いだ

●欅並木

 駒形芝町線を過ぎると欅並木に成る、この辺りは354バイパスが一番初めに造られた所で欅も大きく成っている、緑豊かで素晴らしい道だが住民にとっては落ち葉が大変だと聞く。


欅並木が綺麗だ

 三王町には団地がある、確かこの団地には昔伊勢崎レピーターの常連だったNさんが住んでいたような気がする、最近ではレピーターも聞かなくなってしまい、話す事も無くなってしまったが、またハムの集いあたりで会えるかな。


 広瀬町の十字路が見えてきた、ここを南に行けば市民の森公園の脇を通って坂東橋から本庄に行けるが、もう少し先まで行く。


広瀬町の十字路 広瀬川を渡る

●おにぎりを買う

 広瀬川の橋を渡って歩いて行くと、とりせん・茂呂店がある、ここまでコンビニが無かった、今日は良さそうなお店が有ったら、入ってお昼にしたいと思っていたがが、ここまでコンビニすら無い、店がみつけられなかったら、昼飯抜きに成ってしまう、一日歩いて昼飯抜きではいかにも辛いので、ここでおにぎりを買っておく。


 とりせんを出て、北側にショッピングセンターのあるところを歩いて行くと十字路から南側に公園の芝生が見える、こんなところに大きくて綺麗な公園が有るではないか、ここは最近出来た、茂呂中央公園で、ちょっと寄って休んでいくことにする。


茂呂中央公園

 天気が良いので大丈夫とは思うが、島村の渡船が出るのか気になる、公園のベンチで休みながら、ホームページで調べて置いた船頭さんの携帯に電話してみるが、何度呼んでも出ない。


 電話が出ないのは気に成るが、ここまで来て、島村の渡しと田島弥平旧宅をあきらめるのもつまらない、天気が良いから大丈夫だろうと、そのまま行ってみる事にする。


●国道354を離れる

 この先で国道354から離れないといけない、これからは地形図を見ながら、初めての道を歩く事に成る、354に戻って歩いて行くと右側に東京電力佐波変電所がある、国道354は粕川を渡るため高架になって行くが、私の持っている地図は古くて354バイパスは全く書いてない、保泉という地区から南に行けばよいが、東武伊勢崎線 剛志駅 から南に行く道は行ってみると354の高架の下を通っていた。


ここから国道354を離れる 古いレンガの塀の家が有る

 地形図を見ながら歩いて行くと道路右側に、古いレンガ塀の大きな家がある、ブロック塀は沢山あるがレンガ塀は珍しい、昔からの資産家なのだろうか、十字路を越えると勝山神社がある。


 山歩きをするときは踏み跡を頼りに歩いてしまうが、町場の歩きでは、現在地を知るのに、川や橋、神社、工場、道路の微妙なカーブなどが頼りになる。


広瀬川の向こうに見覚えのある繭ドーム 橋を渡ると国道354例弊使街道

 前に広瀬川が見えてくると堤防の向こうに見覚えのある繭ドームが見えてきた、橋を渡ると国道354例弊使街道にでる、ここは車で何度か通ったことがある、でもバイパスが出来たのでこれからはあまり来る事も無いだろう。


 十字路を真っすぐ行くと工業団地がある、ちょうど12時で昼休みに家に帰るのか作業服姿の人が歩いてくる、工業団地の中の道を進むと利根川の堤防が見えてきた、このまま道路を行っても良いが人家の脇を通って堤防に上がる、堤防を行けば、島村の渡しが有るはずだ。


●堤防に上がる

人家の脇を堤防に上がる 海から178.5Kmこの先の島村で利根川を渡る

この堤防は以前に来たことがある、ここまでは来なかったが秩父七峰の訓練で自宅から利根川の堤防を歩き、五料橋を渡って、また堤防を上武大学の前を通り坂東橋の下を通って、往復で20Kmくらいは歩いたと思う。


 秩父七峰は山道を40Km以上も歩くので20Kmでは足りないのだが。


 この先の島村の渡しが渡れなかったら、堤防を戻れば自宅に帰れると思いながら、先に行く。


 歩いて行くと家の前の庭に鉄パイプを3本立てて7MHzのダイポールアンテナを上げている家がある、向きはベストとはいえないが、周りに障害物がなく、良く飛びそうなアンテナだ。


●島村渡船船着場

 先に行くとラグビー場が2面あり建物が建っている、ここが島村渡船船着場だった、12:30なので昼休みの時間だが、建物の中には若い人が居て、スマホをいじっている、今日船が出るか聞くとOKだと言う。


 まだ30分くらい時間が有るのでベンチで買ってきたおにぎりを食べることにする。


島村渡船船着場 渡船に乗る

 おにぎりをいただいてコーヒーを飲む、まだ10分ほど時間があるので、試しに430MHzでCQを出してみたところ、堤防の途中にあった7MHzのアンテナを上げている家の局長 Tさんが声を掛けてくれた、何という幸運だろう。


 話していると船頭さんが戻ってきた、対岸の船着き場に黄色の旗が上がっていて、船を待っている人がいるようだ、船頭さんと、若い人が軽トラで河原に行くので、私も交信を切り上げ河原に急ぐ。


対岸に着く 本庄側の船着き場

 船に乗り込み、救命胴衣を付けると渡し船はすぐに出発しわずかの時間で対岸に着いた、こちらには2名のサイクリングの人が待っていて、自転車と一緒に船に乗り込んで伊勢崎方面の対岸に向けて出発していった。


 世界遺産に成った田島弥平旧宅を見に行きたい方はこの島村の渡しに車で行き、渡し船で対岸に渡って見学する事をおすすめする、無料で渡し船に乗れるので、ちょっと楽しいかも。


●田島弥平旧宅

田島弥平旧宅案内所 田島弥平旧宅

 船着き場から堤防に登ると、すぐに境島小学校があり、プールの後ろに田島弥平旧宅案内所がある、まずはここに行ってみる、中に入ると説明が始まったところだ。


 タブレットにつないだ大きなディスプレイで解説してくれる、利根川は今でこそ治水が進んで洪水に成る事は無いが、昔から坂東太郎と呼ばれ、荒ぶる川で洪水のたびに流れを変えていた、島村地区は今では利根川で分断されているが、元々は一つの地区で、利根川の中州に成っていた島のような所なので島村と呼ばれるように成ったという。


 利根川の流域には島が付く地名が多いのはそんな歴史が有ったからだという、この話は大変印象に残った。


 解説を聞いた後、田島弥平旧宅に行ってみた、道路のあちこちに案内の人がいる、田島弥平旧宅でもボランティアの解説員がいて建物の構造など事細かく解説していただいた。


 実は島村は私にとっては、20代後半の若いころの思い出の地である、ここが世界遺産に成るとは思いも寄らなかったが、当時付き合っていた人がここに住んでいて何度も来た事があった、もう30年以上も前になる、そんな事を思いだしながらすこし近くを歩いてみたが、あたりの様子はだいぶ変わってしまい、何よりも自分の記憶が飛んでしまったのが大きい、当時の家が何処に有ったのか解らないし、解らなくて良かったと思いながら、本庄駅に向かう事にする。


●本庄駅に向かう

 地形図を頼りに本庄駅方面に行く、このあたりは一面の田んぼ中の道で送電線の鉄塔が沢山見える、傍示堂という集落に入ると隣に歯医者さんある立派な門の家がある、ここは昔通った記憶がある、この家の飼い猫なのかトラ猫が門の所で迎えてくれた。


この家の飼い猫? 本庄駅に着く

 国号17号をまたぐ歩道橋を渡って本庄駅に向けて街中の住宅街を歩く、本庄の街中はけっこう坂が多い、本庄駅に着くが、新町まで\200の運 賃を見てちょっとがっかりしてしまった、ずいぶん沢山歩いたのに帰りは\200とは。


ホームで待っていたらこんな電車が通過した 篭原駅で人身事故が有ったとかで20分遅れ

 切符を買ってホームに出るが、電車が遅れているらしい、篭原駅で人身事故があったようだ、3:31発の電車が53分くらいに入ってきた。


わずかな時間で新町に着く

●玉村へ

 新町駅から再び玉村に向かって歩きだす、途中のスーパーで買い物をして家に着くころにはすっかり暗くなってしまった。


 何キロくらい歩いたのか解らないが、予定していた事は全て出来た、太田まで20kmくらいみたいなので、帰りに、電車、バスを利用すれば、もっと楽に歩けそうだ、今度はバスの時間を調べておいて、太田まで歩いてみようか。


●記録

 自宅を出発 9:17 -(0:21)- 9:38 伊勢玉大橋を渡る -(0:24)- 11:02 茂呂中央公園で休む -(0:19)- 11:21 国道354を離れる


 -(0:51)- 12:12 利根川堤防に上がる -(0:21)- 12:33 島村渡船船着場 13:01 船に乗る -(0:02)- 13:03 本庄側の船着き場に着く


 -(0:08)- 13:11 田島弥平旧宅案内所 13:27 -(0:14)- 13:41 田島弥平旧宅 14:00 -(0:50)- 14:50 本庄駅に向かう -(0:53)-


 15:43 本庄駅 -(0:21)- 16:04 新町着 -(1:42)- 17:46 自宅着


2014年10月25日 foxtrot