馬蹄縦走残り半分再チャレンジ 2013年7月6日 利根郡みなかみ町


土合→白樺小屋→蓬峠→七ツ小屋山→清水峠→朝日岳→笠ヶ岳→白毛門→土合


朝日岳の池塘 朝日岳山頂
 朝日岳の池塘 朝日岳山頂

●再び馬蹄縦走残り半分

 残雪が多く撤退した馬蹄縦走残りの半分、あれから一月以上が過ぎて雪も減ったと思われるので、再チャレンジする事にした、天気予報によると梅雨時ではあるものの天候も良さそうだ。


 前回同様夜11時過ぎに駐車場に着く、既に数台の車が停められていて夏山シーズンの到来を思わせる、4時前に目がさめたので仕度も早々に出発する薄暗い湿った道はには、アジサイの花が沢山咲いている夜は星が出ていたが、曇ってしまいなかなか明るくなって来ない、下草が湿っていそうなので車道終点の東屋でスパッツを着ける。


天候は曇り 水量は前回より少ない

 雨による沢の増水が気がかりだったが、沢の水量は前回より少なく雨による増水より雪解け水の方が影響が大きいようだ、湯檜曽川を覆っていた雪渓は対岸にわずかに残っていて、ここが大量に雪渓があった場所だとわかる程度だ、鉄塔まで上ると谷川岳や一ノ倉岳も沢筋にわずかに雪渓が残っていた。


わずかに残る雪渓 鉄塔から見る谷川岳、一ノ倉岳

 鉄塔で休憩後登って行くと当たり前だが雪渓は全て無くなって夏道が出ている、雪で倒されて歩くのに邪魔だった枝も元に戻り難なく歩けるので、あの時の苦労は何だったのだろうと嬉しくなってしまう、旧道との分岐に出ると、道標は倒れた形そのままだが、雪の変わりに夏草が茂っている。以前来た時は健脚の登山者が追い越して行ったが、今日は私一人だ。


旧道との分岐 ギンリョウソウ

 イワカガミやジョウジョウバカマは終わりギンリョウソウが沢山咲いている、清水峠方面との分岐を過ぎて、滑落した場所を探してみた、雪が無くなると様子が一変しているので此処らしいというのが解る程度だ、斜面はかなり急で、よく引っかかってくれたと改めて思ってしまった。


●滑落した場所

この斜面を滑落した 雪渓を横断する
この斜面を滑落した 雪渓を渡り終わって

 先に進むと雪渓が残っている場所に出た、ここは前回も去年来たときも一番緊張した場所で斜面が急でどこまでも下っている、雪の表面は硬く凍ってつるつるでストックで突いても容易に削れない、アイゼンがあれば難なく渡れるのに持って来なかったことを後悔した、慎重に渡れそうな場所を探して最後は這いつくばるようにして渡り終える事が出来た。


前回撤退した雪渓 朝日岳、笠ヶ岳

 前回撤退した雪渓は後退して沢が出ていた、去年来た時は滝に成っていたと思うが今年は雪解けが進んで水量が減ったのか滝には成っていない、沢を渡るときに泥で汚れた手を洗う事が出来た、南側の湯檜曽川対岸にはこれから目指す朝日岳、笠ヶ岳の稜線が遥か遠方に見える。


コバイケイソウ シラネアオイ

 曇っているものの気温は高く、顔の前を小さな虫が飛び回るのを掃いながら荒れた崩落地を登って行くと、コバイケイソウやシラネアオイ、その他名前の解らない花が沢山咲いている、簡単に渡れる雪渓を二つほど越えて笹の急斜面を登ると念願の路従走に出た。


●路従走に出る

 ここまで来ればある意味安心で後はひたすら歩くのみだ、稜線上は風があって虫も寄り付かず快適で、展望を楽しみながら緩やかな斜面を蓬峠に下る、登山道脇には沢山の花が咲いている、ニッコウキスゲも咲き始めた。


ハクサンフウロ ハクサンチドリ ニッコウキスゲ

 蓬ヒュッテの脇を通って登って行くと正面に巻機山を背に大源太山と七ツ小屋山が見えてくる、若いトレイルランのランナーが駆け下って来てあっという間に見えなくなった。


大源太山、巻機山、七ツ小屋山 若いトレイルランナー

 七ツ小屋山の山頂は誰いなかった、無線機を取り出してバンド内を聞いてはみたが土曜日なのでモービルの局が多くCQを出している局がいない、以前来たときにここでの交信は済ませているので今回はパスして、先を急ぐことにする。


七ツ小屋山山頂 新潟方面の展望

 七ツ小屋山を下って行くと 少し霞んでいるが湯沢の町や岩原のスキー場が良く見える、さらに進むと大源太山分岐を過ぎる、ここから先朝日岳山頂までが未踏の地でありここを踏めば2回に分けたとはいえ、念願の馬蹄縦走が完結出来る。


●未踏の地に入る

大源太山分岐 JR白崩見張所

 清水峠に向かって下って行き登山道脇で休んでいると中高年のトレイルランナーが登ってきた、3時半に土合を出たということだが、話していると携帯に電話がかかってきて、見積もりがどうのと仕事の話をしていた。


 清水峠まで下ると遠くからも見えるJR白崩見張所の立派な建物と、風力発電の風車がある昔のプロペラの戦闘機の様な形をしている、避難小屋の先の清水からの分岐にはコース案内の道標が倒れているが、表示板だけはずして横に置いてある。


清水への分岐の表示板 池ノ窪の池塘

 朝日岳に向かって行くと登山者が下って来た、やはり3時半に土合を出たが、朝日岳のウスユキソウの群落に感動して写真を撮ったりしていて遅くなってしまったと言っていた、話しながら何気なく左の耳たぶに触れると指に血が付いてきた、高度が下がって風が無いためまた虫がまとわりついて来て、耳たぶにたかっていた吸血の虫を潰したらしい、痒くはないが耳たぶが少しはれてきた、足が攣りそうなくらい疲れていたが、話していると休めるので、歩きはじめると幾分楽になった気がする。


朝日岳への登り 巻機山方面分岐

 この先朝日岳までは苦しい登りが続く、南に向かって登って行く登山道は2011年に登った大源太山の登りに似ているが今まで長い距離を歩いてきただけあって今日は本当に辛い、巻機山辺りで雲が沸いて来たと思ったらいつの間にか、あたり一面真っ白になってしまった、巻機山方面への分岐を過ぎ、登山道は緩やかな登りになってきたがガスで朝日岳の山頂が何処にあるのか解らない、ピークらしきところを右に巻いて此処で良いのかと思って歩いて行くと、木道が出てきた、朝日岳山頂の湿原が現れて、その先が朝日岳の山頂であった。


●朝日岳山頂

木道が出てきた ハクサンイチゲ

朝日岳山頂 ウスユキソウ

 霧の中の山頂は誰も居なくザックを降ろして直ぐに中食にする、無線も430MHzでCQを出すと、嬬恋村の移動局と高崎と東京の局と交信する事が出来た。


●下山

 朝日岳山頂は広い湿原が有るのでゆっくり散策し花など楽しみたいところだが、この先帰るのにまだまだ時間がかかるので早々に下山する、30分休んだことで歩くのがだいぶ楽になった。


帰路、朝日岳山頂を見上げる 谷川岳をバックに笠ヶ岳

 朝日岳から笠ヶ岳までは明瞭なピークが4つくらいある、登るのは辛いがここは以前歩いたことがあるので先への不安は無い、笠ヶ岳山頂では10分ほど休憩した、今日登った白樺小屋から蓬峠へ登るルートなど眺めるが良く解らない。


 写真を撮って白毛門に向かう、笠ヶ岳直下の登山道は急だが下りで良かった、中間で少し登りがあって最後の白毛門への登りが苦しい。


 何度も休みながら白毛門に着くと若い男の子が二人ラーメンを作って食べている、3:30に白毛門の山頂で食事とはどんな行動計画なのか。


●最後の下り

 山頂では5分ほど休憩して直ぐに出発する、直下の鎖場は疲れで平衡感覚がおかしいような気がして、危険を感じたので慎重に下った。


松ノ木沢の頭から

 松ノ木沢の頭で岩壁の写真を撮る、いつか夜明け前にここに登って来て、朝日に染まる大岩壁を写真に収めたいと思う。


 白毛門の急登を下って行くと、後ろからトレイルの若者が二人走ってきた、出発時間を聞いたら朝8時くらいだと言う、でも足に来てますと言って走り去って行った。


 足に来ていても駆け下るのに影響は無いようだ、朝8時から走って4時くらいにここまで来てしまうトレイルランの人達の体力はどうなっているのか。


 その後単独のランナーがもう一人下って行った、馬蹄縦走は一般登山者よりトレイルランのランナーの方が多い?


 急な道を必死に下り土合の駐車場には何とか6:00前に到着することが出来た。


 清水峠で会った登山者が先に着いていて、蓬峠からの下りの道は荒れていて思いのほか時間がかかったと言っていた。


●記録

 駐車場 4:16 -(1:01)- 5:17 JR 巡視小屋 -(0:19)- 5:36 崩落地で休む 5:42 -(0:07)- 5:49 鉄塔 6:53 -(0:18)-


 7:11 白樺小屋 -(1:20)- 8:31 蓬峠 -(1:00)- 9:31 七ツ小屋山 -(0:45)- 10:16 清水峠 10:22 -(2:38)- 13:00


 朝日岳 13:26 -(1:07)- 14:33 笠ヶ岳 14:44 -(0:45)- 15:29 白毛門 15:34 -(2:12)- 17:46 駐車場