再び三国山蟻ヶ峰(高天ヶ原山)2013年5月3日


三国山山頂 三国峠から蟻ヶ峰
三国山山頂 三国峠から蟻ヶ峰

●再び三国山、蟻ヶ峰

 群馬県と長野県の県境にある三国山・蟻ヶ峰は2010年6月に登っている、その時は今まで川上村方面には行った事が無く今後登ってみたい山が沢山あるこの方面の山の偵察をかねて三国峠に行き、三国山に登ってみたところあまりにも簡単に登れてしまったので、近くに見えた蟻ヶ峰まで足を伸ばしてみた。


 最近山歩きに同行していただいているSさんが、群馬県の最南端の山「三国山」と西上州最高峰「蟻ヶ峰」に登りたいと言う、しかも埼玉県側の中津川林道から軽トラで行きたいと言う。中津川林道はどんな所なのか私も大いに興味があったので、また藪の中を歩くのはあまり気が進まないがこのさい一緒に行かせてもらうことにした。


 藤岡市から鬼石町を抜けて国道462号線で神流町へ行き古鉄橋から国道299号の志賀坂トンネルを抜けて直ぐに右折林道を八丁峠に向かう、こちらに来るのは1997年「大ナゲシ」「赤岩岳」に登ったとき以来になる。


八丁峠からの遠望 上落合橋の登山口

●両神山は相変わらずの人気

 伐採された植林地の林道を上るにつれ展望が開けてくる、八丁峠の駐車場には沢山の車が停められ仕度をしている人がいる、やはり「両神山」に行く人たちの様だ、両神山に続く斜面にはピンクのヤシオツツジが咲いている。一休みしてからトンネルを抜けて埼玉県へ入り下って行くと上落合橋の所に登山口を示す案内板と丸太の階段があり、道路脇の駐車余地には既に沢山の車が停められていた。


 林道を下って行くとカーブの所に閉鎖された集落の廃墟がある、昔ここに来たときは会社があって駐車場に車を停めさせていただいたが今は全くの無人になってしまい16年の歳月の流れを感じさせられる。


 「赤岩岳」にでも登るのか一組のグループが無人の集落の方へ入って行くのが見えた。


 ここから先は未知の領域に入る、道を下って行くと左に日窒の工場があり白い石材が積み上げられている、狭い道は幾つもトンネルを抜けて下って行くと、大型車がバックして道を譲ってくれた、これは地元の仕事車と思われた軽トラックの恩恵なのかもしれない。


 雁掛トンネルを抜けると合流する道があるがここが上野村野栗沢から天丸トンネルを越えてくる林道のようだ、バックミラーで未舗装の道がチラッと確認できた。


 中津川林道に出ると道幅も広く快適な道が続きキャンプ場を過ぎると森林科学館などの建物があるがその先から未舗装の道になる、私は隣に乗せてもらっているだけなので気楽なものだが、運転しているSさんはギアを4駆に切り替えてちょっと緊張気味に運転している。


 トラックからモトクロスのバイクを降ろしている横を通過して車は順調に走って行く、南天山の登山口を通過して単調な林道を走っていると先ほどのトラックからおろされたモトクロスのバイクが追い越して行った。


 中津川と並走している林道は長く単調で景色が変わらない、橋を渡るときだけコンクリートの舗装で静かに成るが普段から舗装道路を走るのに慣れている身にとって未舗装の道は辛いものがある、右に大きくカーブして沢を離れる頃からだんだんと高度が上がってくる、前方に車が走っていると思ったら車高の低いワゴン車が、4駆のワンボックスと一緒に走っている、よくこんな所に入って来るものだ。


 道端のカーブの所に白い物が有ると思ったら雪みたいだ、標高は1000mを優に超えているので吹き溜まりではまだ残雪が消え残っている、稜線が見えて来たので先追うと山並みの切れ目に構造物が見える、どうやらここが三国峠らしい。


●三国峠

三国峠に着いた目的の蟻ヶ峰も見える

 しばらく走ると長野県との県境になる、三国峠に到着した時間は10時に近いので群馬を出てから4時間弱、走行距離は100Km位あったようで、やはりこちらに来るのなら30Kmほど遠いが国道141号から川上村を経由して来る方が1時間くらい早いようだ、峠にはバイクのライダーやドライブに来た人たちが何名かいて思い思いに過ごしている。


 時間はちょっと遅くなったが仕度をして三国山を目指す事にする、Sさんは峠にいたモトクロスのライダーに八ヶ岳をバックにシャッターを押してもらっていた。


●印象が違う山歩き

 3年前に来たときは6月で、ツツジが満開だったが1ヶ月違うと印象がまるで違うのには驚いてしまった、木々はまだ芽吹いていないので、遠くの山々が遠望できるし3年前は辺りの山は全く解らなかったが、今では幾つか登った山があるので、山座同定も容易に出来る。何より驚いたのは三国山への登山道が意外にも急峻で岩場が2箇所も有ったが全く覚えていなかった。


 これも加齢のなせる業、直近の記憶は直ぐに忘却のかなたに去ってしまうのか、あるいはあまりにも簡単に登れてしまって印象に残らなかったのか、この後に続く蟻ヶ峰への笹薮の中の登りの辛さの印象が深かったせいか。


 出来れば後者であって欲しい。


三国山登山口から両神山 三国山山頂直下に木の祠

三国山から見る、朝日岳、金峰山、小川山

 三国山で記念写真を撮って蟻ヶ峰に向かう、1818m峰と思われるピークに「三国山」と書かれた小さな標識があった、これはちょっとおかしいが、古い山と高原地図「奥秩父2」の記述には1834mが記入されて無いので1818mが「三国山」と取れてしまう、この地図を見た人がここに三国山の標識を付けてしまったのではないかと、いろいろ思いをめぐらせてしまった。


●いよいよ藪が出てくる

笹藪が出てくる 藪の切れた岩峰から帳付山、大ナゲシ、赤岩岳

 ピークを2つほど越えるといよいよ笹藪が出てくる、この藪の中には幾つもの踏み後があるが、テープが付けられた踏み後を確認しながら登って行く、枯れた笹が千切れて埃っぽい辛い登りが続く、藪が辛いのかと思ったら斜面もかなり急でそれが辛さを増幅してくれるようだ。


 笹藪の切れた岩場で休憩する北側の展望が良い、ピラミダルな山が大ナゲシだと思われるので稜線を辿ると左の盛り上がった山が帳付山かもしれない。


笹藪を登るSさん 急な植林地

 笹藪を出ると唐松の植林地になった急な尾根に出る、ここを登りきるとまた笹が出てくるが斜面はなだらかになって待望の蟻ヶ峰山頂に着いた。


●蟻ヶ峰山頂

東西に長い蟻ヶ峰山頂 蟻ヶ峰山頂

 前回来た時は御巣鷹方面から登って来た団体さんがいたが今回山頂は貸切状態、展望は時期が1ヵ月違うだけなのに好天が幸いしてかだいぶ良い。


山頂から八ヶ岳下には男山と天狗山

国師岳、大弛峠、朝日岳、金峰山

樹林越しに御座山下に奥三川湖 山頂標識を整備するSさん

南アルプスの山々

 何時ものように昼食と無線は430MHzの4エレ八木アンテナを組み立て、佐野市と成田市の局長さんと交信できた、落ちていた蟻ヶ峰の山名板をSさんが木に取り付け記念撮影をして、山頂を後にする。


藪を前に立つSさん

 帰りは笹薮で2回くらい迷ってしまった、1818mの登り返しは疲れた体に応えたが、三国山に戻り休憩しているとCQを出していた久喜市の局がいたので交信しすることが出来た。


金峰山、瑞垣山

 帰りは川上村から国道141号に向かうとまだ桜が咲いている、Sさんはアメリカ製の大きなトラクターや白いマルチを張って作付けの準備をしている広大なレタス畑に興味深そうだ、途中見えてきた金峰山や瑞垣山、八ヶ岳などの写真など撮って、連休にもかかわらずすいている141号を臼田町から254号に出て内山峠を下り玉村町へ帰り着いた。


●記録

 三国峠 10:02 -(0:20)- 10:22 三国山 10:24 -(0:38)- 11:02 1784m辺りで休憩 11:18 -(0:35)- 11:53 休憩 11:59


 -(0:13)- 12:12 蟻ヶ峰山頂 13:17 -(1:29)- 14:46 三国山 15:06 -(0:19)- 15:25 三国峠