野反湖周辺の山を歩く 1999年11月 6日

 
弁天山(ベンテンヤマ)(1653m)
エビ山(1744m)
高沢山(タカザワヤマ)(1906m)
大高山(オオタカヤマ)(2080m)
吾妻郡六合村
  野反湖

●なかなか山に行けない

 最近はなにかと雑用が多く、月に一度くらいしか山に行けなくなってしまった。


 11月6日、天気は大丈夫のようなので、どこかに登ろうとガイドブックなどを見て考える、「庚申山」がまだ残っているが、帰りの渋滞を考えると行く気になれない。


 四万方面も未登の山が有るが、標高が低いのが気に入らない。


 去年、野反湖のキャンプ場から「エビ山」、「高沢山」、「三壁山」と歩いていて、「弁天山」が残っている、野反峠から、「弁天山」、「エビ山」、「高沢山」、「大高山」と登れば、以前に登った「八間山」、「白砂山」と合わせて私にとっては、野反湖周辺の山で登れそうな山は全て登った事になる。


 という訳で、最終目的地を、「大高山」と決めて、11月6日朝5時過ぎに野反湖に向けて出発する。


 暮坂峠を越えて登って行くと、紅葉がまずまずである、野反峠の駐車場に車を入れて「弁天山」に向けて歩き出す。


 すぐに石像と山頂標識のあるピークに着くが、諸先輩の山行記録に寄ると、ここは本当の山頂では無くて次のピークが本当の「弁天山」の山頂 ということなので、写真だけ撮って次に向かう、本当の「弁天山」は登山道が無くて薮を登らなくてはならないらしいので、登りやすそうな所はないかと見ながら歩いていくと、道は下ってしまうので少し戻り薮の薄そうな所を適当に登ると、すぐにガレた広場にでた。


 帰りの事を考えて、降りるところを確認してピークに向かってまた薮に入ると、難なく山頂に出た。


●弁天山山頂

弁天山山頂

 山頂には石の祠が一つあり、最近来た人がいたのか、みかんが一つ供えられている、三角点の東側の木に緑色のブリキの山名標識が有るだけの何も無いところであった。


 430MHzで一局交信して、カードを確保、まだまだ先は長いので、早々に山頂を後にした。


エビ山に向かう

 「弁天山」から「エビ山」に向かうが、これがなかなかたいへんである、1650m位から、100m程下り、200mくらい登り返すと「エビ山」に着く、途中登山道を見ると白い点が見える、良く見ると上に向かって動いている、登山者のようだ。


 樹林帯に入るとシラビソ?の甘い匂いがする。


●エビ山山頂

エビ山

 やがて「エビ山」に着く、去年湖畔のキャンプ場から「エビ山」「高沢山」「三壁山」と歩いているので、これで野反湖の山を一周したことになる。


 目指す「大高山」はどのピークなのか良く解らないが、ここでひと休みし写真を撮る。


 少し下って200m程の登りで「高沢山」だが、途中太さが30cm以上もあるような倒木が三本も続いて登山道を塞いでいる、無惨にも幹がへし折れている、一本は脇をまたぎ、二本は下をくぐった。


 台風のせいか、途中から木が折れるのだから相当な強風が吹き荒れたようである。


 木がおおきくなるのにも、いくつもの試練を乗り越えないといけないようだ。


 日影には申し訳程度の雪が残っている、「高沢山」を過ぎて下って行くとまた倒木がある、登山道は塞いでないが、根が持ち上げられている、地盤が堅いのか、ずいぶんと浅い根である。


カモシカ平

●「大高山」へ向かう

 カモシカ平を見おろす所で小休止して、いよいよ「大高山」へ向かう、カモシカ平を登ると樹林帯に入る、心配した登山道の薮は良く刈られていて全く問題ない。


 この時期に「大高山」に登る気になったのは、夏場の笹薮を敬遠してであったが、登山道の状態を見ると、それは全くの杞憂であったようだ。


 今日はほとんど登山者に会わないだろうと思っていたが、「エビ山」を登るとき一人の登山者が先を歩いていた、当たり前だが、足跡も有った。


 「エビ山」の分岐からどちらに行くのかと気にしていたら、足跡は「高沢山」方面に続いていて、カモシカ平の分岐では、カモシカ平方面に下っていた。


 樹林が切れてカモシカ平を見おろすところで、良く見たが登山者は見えない。


 足跡を付けた登山者は戻って「三壁山」方面に行ってしまったのかと思ったら、十字路を過ぎて「大高山」へ向かう登山道にもしっかりと足跡が付けられていた。


 志賀へ抜けるのか、「大高山」へ行くつもりなのか、自分の事は棚に上げて物好きな人が居るものだと、関心しながら、ひたすら山頂を目指した。


 登山道の途中の木には、茶色のアクリルの標識が取り付けられていたが、木の成長で半分に割れて落ちていた、拾ってつなげて読んでみると、野反−赤石とあり、一の瀬旅館組合と書かれていた。


 「大高山」の山頂と思われるピークが迫ってきたら、一人の登山者が降りてきた、私に気づいて、ビックリしたようだ。


 足跡を付けた人のようで、「大高山」まで行って帰るところであった。


 話を聞けばかなりの健脚のようで、先週は「庚申山」から「皇海山」まで日帰りしたとかで、その場で10分程立ち話をしてしまった。


大高山山頂

●大高山山頂

 登山者と別れて10分程登ると待望の「大高山」の山頂に着くことが出来た。


 展望は南側が良く、草津の町や、「浅間山」、「白根山」などが、霞んで見えた。


 三角点のそばに、割れた標識が有ったので、それを手に持って、記念写真を撮り、ラーメンとおにぎりの食事もそこそこに、1200MHzでCQを出し4局程QSO、430MHzで稲含山からCQが出ていたので、お声がけした。


 帰りのことを考えるとゆっくりもしていられない、それでも当初の予定時間をだいぶオーバーして下山にかかる。


 山頂から西に向かうと、正面に「白砂山」が見事だ、一枚写真を撮った。


白砂山を遠望

 カモシカ平まで下って、十字路を南に行き、しばらく休んでから、「高沢山」を登り返す、山頂には一組の登山者が休んでいた。


●カモシカに脅される

 「弁天山」まで戻ると突然「ヒュー」という音に驚かされた、前方7,8mの所に立派なカモシカがこちらを見ている。


 私を見て威嚇の声を上げたようで、こちらを見たまま悠然としている、「オーイ何だい」と話しかけるが動じる気配もない、持っていたストックで笹を叩くと、「弁天山」の薮の斜面に駆け上がって行き、またこちらを見ていた。


 私はカモシカに別れを言って、駐車場に向かって歩き出した。


●記録

 野反峠 7:25 -(0:13)- 7:38 ニセ弁天山 7:47 -(0:12)- 7:59 弁天山 8:28 -(0:42)- 9:10 エビ山 9:17 -(0:35)- 9:52 高沢山


-(0:08)- 10:00 カモシカ平 10:06 -(1:25)- 11:31 大高山 12:52 -(1:36)- 14:28 エビ山 14:34 -(1:02)- 15:36 野反峠


1999年11月 foxtrot