巻機山 | |
標高1967m | |
登山日 1999年 7月10日 |
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南魚沼郡六日町 | |
●あこがれの巻機山
「巻機山」は以前から登ってみたいと思っていたが、コースタイムの長さからなかなか実行に移せないでいた。
でも梅雨が明けたら登ろうと決めていたが、天気予報によると7月10日は新潟方面は好天に成るというので、急遽登ることにした。
JR1*** Sさんが都合がついて、一緒に行くことになった。
コースタイムの長さを考え、朝3:00過ぎに出発した、塩沢石打で高速を降り、清水の登山口に向かう、桜坂の駐車場に着くと既にかなりの車が停まっていた。
仕度をして歩き始めると、短い林道があって、すぐに割引沢コースとの分岐があり尾根コースに向かう、登山道は展望のきかない樹林帯に入る。
登りはだんだんきつくなってくるが、足の速いSさんは、ぐんぐん登っていく、私は当然付いて行けないので先に行ってもらう。
Sさんのザックに付けている熊よけの錫の音がだんだん遠ざかって、聞こえなくなった頃に、5合目に着いた。
米子沢 |
●5合目
正面が開けていて、米子沢が流れ落ちている、雪渓から流れ落ちた水が何段もの滝に成っている、沢の上の山あいに太陽が登り始めた、雲の中なので、太陽が丸く見える、休んでいた人達が一斉にカメラを向けた、私も撮ってみたが、予想どうりおかしな写真に成ってしまった。
再びSさんが先に歩き始める、樹林帯の中ギンリョウソウが咲いている、例の錫の音が聞こえなくなったら6合目で、Sさんがしゃがんで待っていた、天狗岩が目の前である。
左にヌクビ沢を見ながら、桧穴の段を登る、最近刈り払いをしたらしく、切られた枝が沢山落ちている、段差が激しい、「白ヶ門」や、「日光白根」などと似たような傾斜であるが、標高が低いので、植生が違うようである。
そんな段差の激しい道をモノともせずSさんは、ぐんぐん登っていく、私は遅れながら、やっとの思いで付いていく。
樹林帯が切れると正面に「ニセ巻機山」のピークが見え、7合目に着いた、此処で小休止する、左に天狗岩、右の沢には残雪がある。
展望は良いがあいかわらず段差が激しい、丸太の階段や、丸太を使った土止めなどがある、足元には、ゴゼンタチバナの白い花や、モウセンゴケなどが見られ、ニッコウキスゲもチラホラ咲いている。
●ニセ巻機山
先を行くSさんが、「ニセ巻機山」の稜線に登り、歓声を上げている、少し遅れて登り上げると、そこには絶景が広がっていた。
正面の「巻機山」のピークは、緑の絨毯に覆われたなだらかな稜線が広がり、真っ白な残雪が沢に落ちている、左には一際高く三角形の「割引岳」が青空の中に浮かんでいる、今までの疲れを忘れさせてくれる風景だ。
そこからわずかな距離で「ニセ巻機山」の山頂に着いた。
ザックを置いて展望を堪能する、「谷川岳」方面は雲の中で見えないが、東側は「燧ヶ岳」「至仏山」「日光白根」「皇海山」「武尊山」などの稜線が霞んで見える、正面の湿原にはワタスゲが風に揺れ木道脇にはイワカガミや、タテヤマリンドウが咲き乱れ、白いシャクナゲや、サラサドウダン、アカモノなど、沢山の花が咲いている。
カメラを出して、シャッターを押すが、この大きな風景はどうやっても入りそうもない。
所詮写真はその時の風景を思い出す為のモノで、苦労して登らなければこの素晴らしい展望は見られない。
木道の脇の池塘 |
景色を楽しみながらゆっくりと避難小屋に下る、御機屋への登りは、木道の脇に池塘もある。
御機屋には丸太のベンチと、粗末な「巻機山山頂」の標識があった、期待していた新潟方面の展望はガスで全く見えない。
●巻機山山頂
巻機山山頂 |
しばらく休んで、「牛ヶ岳」方面に行くと、広場があり、小さなケルンが積んであった、ここが1967mの「巻機山」で一番高い所と思われる、その先に朝日、白ヶ門方面への分岐があり、眼下に奥利根湖が霞んで見えた。
●牛ヶ岳
「牛ヶ岳」へは少し下って登るとわずかの距離で山頂の三角点に着いた、途中ハクサンフウロが咲いていた。
「平ヶ岳」方面も残念ながら雲の中だった、三角点の先にちょっとした広場が有ったので、そこにザックをおろした、脇には遭難碑があり花と線香が添えられていた。
軽い食事を取って、1200MHzでCQを出したら、柏崎の局から応答があった、さらに430MHzで1局QSOして、戻ることにした。
「巻機山」の1967mのピークまで戻ると、沢山の登山者が休んでいる、私たちが登って来た頃には何人も居なかったので、これには驚いてしまった。
やはり100名山だ、静かな山頂を望むのは無理な話である。
広場の端の方に陣取って、Sさんは430MHzのレピーターで、私は1200MHzでCQを出してみたが、前方に谷川連峰があるのでロケーションはあまり良くない、レピーターのアクセスも悪いようだし、1200MHzはさっぱり応答が無い。
何とかレピーターでローカルさんと話していると、JQ1*** 群馬山岳移動通信の鎮爺さんが、そのころは安中の重鎮さんと呼ばれていたが、出てきた。
シンプレックスに移ると、「武尊山」の「中ノ岳」に登っているという、カード交換の約束と、近況など、ラグチューをしてしまった。
昼食も取って、最後の「割引岳」に向かう、御機屋に戻ると、そこにも沢山の登山者が休んでいた。
ハクサンコザクラ | 雪渓を横切るSさん |
割引岳山頂 |
●割引岳
御機屋から裏に下り、雪渓を横切る、脇にはイワカガミが沢山咲いていた、「割引岳」の山頂には、石の祠と一等三角点の大きな標石があったが、ガスが出てしまい、360度真っ白な世界と成ってしまった。
430MHzで1局QSOして、コーヒーを飲み、「割引岳」山頂を後にした。
下りもSさんは軽快に下って行く、私は残りのフィルムを撮ってしまおうと、カメラ片手に、歩くので、おそいのがさらにおそくなり、だいぶ遅れてしまった。
「ニセ巻機山」を過ぎると、眼下に清水の集落が見えてきた、ずいぶん長い距離を歩いたものだと感心し、長い下りをまだかまだかと、ひたすら歩いた。
●記録
桜坂駐車場 5:10 -(0:50)- 6:00 5合目(焼松)6:06 -(1:04)- 7:10 7合目 7:18 -(0:41)- 7:59 ニセ巻機山 8:15 -(0:31)-
8:46 御機屋 9:02 -(0:28)- 9:30 牛ヶ岳 10:03 -(0:25)- 10:28 巻機山山頂 11:10 -(0:25)- 11:35 割引岳 12:00 -(0:17)-
12:17 御機屋 -(0:23)- 12:40 ニセ巻機山 -(1:10) -13:50 5合目 14:00 -(0:35) -14:35 桜坂駐車場
1999年 7月 foxtrot