西上州の 毛無岩に行ってきました

 
毛無岩(ケナシイワ)
標高1275m
下仁田町、南牧村
登山日1996年12月22日
  毛無岩

●今年最後の山行

 今が旬の西上州だが、今シーズンはまだ一度も行ってない、今年最後の山行になりそうな22日、以前から気になっていた、毛無岩に行く事にした。


 当局の場合行ってみたいと思っているのに、まだ行ってない山は全て気になっている山だが。


 「群馬の山歩き130選」やJQ1H** Oさんが以前UPされた紀行文による事前の調べが功を奏して道場の登山口まではすんなりと行く事ができた。


 駐車場の広場には、Oさんが毛無岩に行った時と同じに、既に二台の車が駐車されていたが、違うのはなんと広場の真ん中にテントが張られていて、焚き火の後までが有った、人は出かけていて居ないようだが、狭い駐車場なので、後から来る人の為に広場は明けて置いて欲しいものだ、何かむっとしてしまった。


 登山道はうす暗い杉林の急登から始まりすぐに沢に出た、踏み後のはっきりしない所があるので、赤テープやビニール紐などを注意深く探しながら登って行くと、沢の上流には落差が5mくらいの滝があった、「130選」によると、ナメ滝というらしい、写真を一枚撮っておいた。


 滝の所からしばらく行くと土管が立てて埋められていたが、「集合、解散場所」というブリキの板は見つけられなかった。


 作業小屋の所に着くと、左側の山の斜面に伐採された杉の丸太が倒されていて、ここから正面にこれから登る毛無岩の岩峰が望める。


 登山道は再び沢沿いに付けられていて、朽ちた丸太の橋などが有って、乗っても大丈夫か緊張するところもある、このあたりで夫婦と思われる登山者を追い越したが、テントの事があったので挨拶をする気にもなれなかった、後で解ったがこの人たちがテントの主で千葉のナンバーの車で来ていた。


 沢から離れて雑木林の中の道になると日当たりが良く暑い、登山道を離れた左側の日溜まりでは朝食でも取っているのか、3人の登山者が居た、これで2組追い越した事になる、毛無岩の山頂に着くのは当局が一番乗りか、霜柱が溶け始まって滑りやすい、按部に着いたら休もうと思い、先を急ぐがなかなか先が見えてこない。


 荒船山から来る道の按部からは指導票に従い黒滝山方面に行くとすぐに分岐があり、毛無岩「上級」と書いてある。


 あたりは日影になっていて、霜柱も堅く歩きやすい、火照った体も冷やされて幾分快適である、木の枝に捕まりながら急登を登りピークに立つと展望が開け、まっ白な浅間山や八ヶ岳が美しい、西の方にめざす毛無岩が一段高く南面がスッパリと切れ落ち、手前にはエスカレーターのようなナイフリッジが見える、毛無岩の写真を撮って、ストックを縮めてザック取り付け、手袋をして、もう一つのピークを越えて、いよいよナイフリッジに取り付く。


 手前のピークからエスカレーターのように見えたのは、ナイフリッジがうっすらと雪に覆われたせいで、滑り易そうだが、幸いな事に天気は快晴、無風だ、潅木に捕まりながらゆっくりと登っていく、下はなるべく見ないようにした、430MHzのレピーターでは榛名山のJA1U**局や、両神山のJA1K**局の話している声が聞こえる、ひと休みのついでにレピーターでお声がけしてしまった。


●毛無岩山頂

 山頂からの眺めは360°遮る物が無く素晴らしい、毛無岩はこんな素晴らしい山なのに、山として扱われないのは山頂が狭すぎて標石が付けられないせいか、気の毒な山である。


 ひとしきり展望を楽しんだ後、一段下がった所に陣取ることにした、ただ場所が狭く1mちょっとくらいの幅しかない、南側は眼も眩む絶壁だ、430MHzの物差し八木と1200MHzのアンテナをセットして、腹ごしらえをしていたら、両神山のJI3N** Oさんが呼んでくれた、JA1K** Sさんたちと両神山に登る為にわざわざ兵庫県から出てきたらしい。


 地図を出して、430MHzで榛名山の天狗山に居るJR1C** Sさんを呼び出して山座道程をする、南に見える丸い山塊は大屋山のようだ、直ぐ下には杉の木が伐採された斜面が見える、遠く山梨県との県境の稜線は霞んでいる、ピークは御座山か、その左に雪の八ヶ岳連峰が見える、主峰赤岳もはっきり見える、雪の稜線は丸い蓼科山まで続いている、南西の方角にはお隣、立岩の奇岩が指呼の間だ、当局が始めて山に登ったのは、この立岩でそれ以来すっかり山の虜に成ってしまった、なんだか感慨深い物がある。


兜岩山 荒船山

 立岩の横には兜岩山の四角な岩がある、一番高く見えるのは経塚山のようだ、平らな部分から艫岩が、すとんと落ちている。


毛無岩山頂と浅間山 立岩

 山頂にアンテナを乗せた物見山があり、その上に浅間山が美しい、妙義の岩峰は霞んで見える、榛名や赤城の方は雲に隠れて見る事は出来ない、毛無岩の隣の岩峰の上から鹿岳の頭がちょっぴり見えている、いくら見ていても飽きない風景だ。


●山頂で無線を楽しむ

 レピーターには両神山のJQ1V** N局が出てきた、山の上に一人で居ても、無線が有ると一人のような気がしない、1200MHzでCQを出すが応答はいまいちだ、430MHzにスイッチすると空きチャンネルでCQを出すだけで応答がある、藤岡のローカルさんや7M1H** Hさん、JQ1H** Oさんなど10局もQSOする事が出来た。


 単独行の気安さで山頂で二時間半も過ごしてしまった。


 下りは崖のような所を木の根に捕まりながら下りる、一カ所ピークを越えて黒滝山方面に向かうと毛無岩の南面を巻くエスケープルートとの分岐に出た、指導票には荒船山方面に道場の文字が加筆してあった。


 尾根道はかなり急で歩きずらい、当局は下りは苦手だ膝をかばうため努めてゆっくりと歩いた。


 背丈ほどの笹薮の中に荒船山方面との分岐の指導票があった、ときどき振り返って毛無岩を仰ぎ見ると、左右に控えを伴った土俵入りの力士のように岩峰に挟まれた毛無岩が立ちはだかっている。


 長い尾根道を歩いていると突然銃声が岩峰に響きわたった、それは立岩の方角から聞こえて来たようだ、銃声は都合10発位聞こえたか、あまり気持ちの良い物では無い。


 瀬音が聞こえてきたと思ったら尾根道はやがて沢に合流し、しばらく下ると堰堤が見え、堰堤の手前右側から沢を渡って神社の裏に登り上げ、登山口に向かう舗装道路にでた。


 車道を車を置いた方に向かうと、神社の横に4駆が止めて有り、迷彩服の若者が、靴を履き変えながら会釈する、「上のテントですか」と聞くので曖昧に答えていると、大物が出るとかおかしな事を言う。


 銃声の事かと思って聞くと、黒滝山と立岩の方角を指して、向こうから追ってきて立岩の方に追い込んで撃つと言う、猪と鹿ですかと聞くと去年は熊が一頭捕れたと言う。


 岩山だから鹿が多いが、猪は夜出てきて畑の作物を食い荒らしてしまうので撃つのだと言っていた、山に登るのには鉄砲にも気を付けないといけないですね、私など地味な服を着ているのでもっと派手な服を着ないといけないですねと言うと、笑っていました。


 生き物を根絶やしにしてしまうなんてと思っていたが、地元の人達にとっては、生活の糧を得る為には、猪や鹿など居ない方が良いのかと、複雑な気持ちにさせられた。


●記録

 登山口 8:38 -(0:27)- 9:05 作業小屋 -(0:41)- 9:46 荒船山分岐 -(0:34)- 10:20 毛無岩山頂 13:06 -(1:35)- 14:41 登山口


1996年12月 foxtrot