大鳥屋山、岳ノ山 2019年12月 15日


大鳥屋山
(オオトヤサン)
標高693m
栃木県佐野市
 
岳ノ山
(タケノヤマ)
標高704m
  大鳥屋山 岳ノ山

 栃木県には大坊山-大小山、三床山、太平山-馬不入山。古賀志山など秋から冬に歩くのに良い山が沢山あるが、そんな山がもっとないかと、昔買った随想舎の「栃木の山120」を繰ってみる、ずいぶん昔に買った本なので、情報は古くそのまま信じる事はできないが、山を探すのには十分だ、ちなみにこの本は今では「栃木の山150」に成っているようだ。


 かまど倉なんていう面白い名前のヤマが有るので行ってみたい、大鳥屋山-岳ノ山も面白そうだが、調べてみると、樹林帯の中を歩くちょっと暗い感じが気にかかる。


 14日の土曜日のこと、そんな事をしていると、大鳥屋山の近くの戸叶山(トカリヤマ)から何度か交信したことの有るMさんが移動運用をしていた、Mさんと交信したら、がぜん大鳥屋山、岳ノ山に行ってみたくなった、登山口の駐車場のマップコードを調べナビにセットして準備する。


 日曜日、朝6時にちょっと遅れて自宅を出る、北関東道の佐野田沼ICで降りて293号線から登山口のある秋山町に向かう、途中水木町の辺りの道路が秋山川と並走している所で道路工事中で交互通行に成っている、台風19号で遣られたのか護岸には土嚢が積まれかなりの被害が有ったようだ。


● 台風の爪跡

左の人と話す

 駐車場に着くと、車が一台止められていた、支度をしていると川口ナンバーのマイクロバスが一台入って来た、団体さんは15名くらいいるようだ、出発するときに、リーダーらしい男性に挨拶すると、東京から来たと言う、反時計回り岳ノ山から縦走するらしい。


 私は、大鳥屋山、岳ノ山と書いた順に回ろうと思っていたので、時計回りに行くと伝えて出発する。


 歩き出すと直ぐに林道の分岐が有って、左大鳥屋山、右五丈の滝1Kmの道標があるが、工事中の看板に、通行止めの張り紙が貼り付けてある。


分岐に通行止めの張り紙 左の川は深く抉られ、倒木が道をふさぐ

 嫌な予感がしたが、通行止めは車だろう思い、ダメなら戻れば良いので行ける所まで行こうと林道を進む、路面は砂が流され石が露出していて倒木が道をふさいでいる。


● 林道は大変な事になっている

林道は完全に流されている ここの分岐は左、まっすぐ先に行く

 さらに進むと道路は完全に流されている、右の斜面に踏み跡があって登山者が登っているようだ、登って行くと分岐がある、道標など皆無なので、スマホの Geographica で確認すると大鳥屋山は左で良いようだ、今回はヤマレコから落としてきた GPX データーが大いに役立った。


川のような林道は続く また分岐が有り、右に登山道がある

 登って行くとまた分岐がある、ここから右に登山道が始まっているが、登山道から流れ出た土砂が広場に溜まっている。


 Geographica の地図には左の方に「五丈の滝」と書かれていて、林道はさらに先に続いているようだ、「五丈の滝」と書かれているのは間違いかもしれないが行ってみる、倒木がすさまじい。


倒木がすさまじい 幹が折れた木もある

 少し登ってみたが直ぐに諦めた、斜面を見ると折れた木も有るので、台風は雨だけで無く風も強かったのだろう。


 戻って右の登山道を登って行くと沢から離れたため、被害はあまり感じられなくなった、登山道は杉の植林地や檜の植林地になったりして上に続いている、ここまで来たが大鳥屋山は全く見えない。


尾根に乗る 植林地の中を登る

 尾根に乗ったので岳ノ山との分岐かと思ったら分岐はもうちょっと先のようだ。


大鳥屋山、岳ノ山の分岐 檜の植林地

 登って行くとT字路に突き当たり、今度は本当の分岐らしい、ここを左に行く、辺りはいつの間にか檜の植林地に成っていた。


● 大鳥屋山山頂

ちょっと開けた所 大鳥屋山山頂の御嶽大神

 植林地を抜けるとちょっと開けた場所に出る、その先登山道の左に石祠が一つあって、先に進むと大鳥屋山の山頂だった、結局大鳥屋山は登ってくるあいだじゅう全く見えないまま山頂まで来てしまった。


山頂の一等三角点

 大鳥屋山は信仰の山らしく欠けてしまった古い祠と、昭和二十一年九月建立、百年祭記念と書かれた御嶽大神がある、山頂は広場になっていて大きな三角点の標石がある、南側は密な植林地が太陽の光を遮り、北側は落葉した樹林帯でかろうじて男体山らしい山が見える、展望がほとんど無いにもかかわらず、ちょっと立派な一等三角点がある。


 栃木百名山68座の山頂標識の他に二つくらい山頂を示す標識があった、そんな標識の一つの所の木にストックを取り付け、アンテナを組み立てて、早速CQを出す。


 チャンネルを回すと沢山の変調が入って来るにもかかわらず、なかなか応答が無い。


 それでも何回かCQを出すと、小平市、前橋市、東松山市、多摩市の局と交信することが出来た、最後に日光市に移動している、Sさんを呼んで交信を終える。


 交信を終えて、アンテナを撤収していると、一人の登山者が登って来て写真を撮っている、若くて背が大きくスキンヘッドで、まるで田中陽希のようだ、電車とバスで来たということで、縦走はせず、南の方に下っていった。


 どら焼きのようなパンケーキを食し山頂を後にする。


● 岳ノ山に向かう

北側に男体山が見える

 下って行くとちょっと開けた場所から、男体山が確認できる、今年は雪が少ないようだ、白いお尻が見えたので、鹿だと思うが、一匹勢いよく駆け下っていった。


 下って行くと今度はベテランのペアの登山者が登って来た、私が知り合いと似ているとかで、じっと見られてしまった。


 岳ノ山は岩場が有るので行かないと言って大鳥屋山に登って行った。


 下って行くと、登るときにはあまり気にならなかったが、なかなか急な登山道だ、岳ノ山への分岐は直ぐに過ぎてしまい、植林地の中の尾根を北に向かうと登りになる。


尾根を北に向かう ここでUターン上の林道を登る

 登って行くと左の方に林道がある、GPXのデーターもそちらに向かっているので、林道に降りて行くと、この辺りから大鳥屋山が見える、なかなか立派な山だ。


 ところが林道は西の方に下ってしまう、直ぐに北に登る分岐が有るのでUターンここを登って行くと、テープの付けられた木が有って、岳ノ山への登山道に戻れたようだ、直ぐに624mのピークに出る。


624mのピーク 岩場になる

 624mのピークを過ぎると樹林越しに三角形の山が見えてくる、岳ノ山らしい、登って行くと正面に岩場があって、左にトラバースする。


 ストックで枯葉を払って足場を確保しながら岩場を登って行くと少し展望が開けて、大鳥屋山や下の人家が見える。


振り返ると大鳥屋山 ここを直登する

 正面の岸壁にはロープが付けられていてここを直登するようだ、さらにロープの付けられた岩場が続く、振り返ると遠くに見える山は、昔登った三峰山らしい。


ここも直登 遠くに見えるのは三峰山のようだ

 岩場を越えると急な尾根があって、先が岳ノ山の山頂だった、ここまで来ても団体さんが居ないのが気に掛かる、荒れた登山道に上るのを止めてしまったのか、下山のルートが通れるのか心配だ。


● 岳ノ山山頂

ここを登ると山頂 岳ノ山山頂

 狭い岳ノ山山頂には東向きに石祠があり、北側が開けていて、大きな男体山と左に真っ白な白根山が見える。


北側には白根山と男体山

 アンテナを組み立てて、呼び出しチャンネルを聞きながら、今日のお昼は、悪魔のおにぎりと、シーフードヌードルだ、丁度、高尾山からCQを出している局がいるので呼んでみると、何とか取ってもらえた。


 その後、横浜市緑区、八王子市、世田谷区、新座市、古河市、春日部市、最後に板倉町の局と、そこそこ声が掛かる、続ければまだまだ呼ばれそうで、ロケーションはよさそううだが、下山路が気に掛かるので山頂を辞する。


東に伸びる尾根を下る 祠が一つ

 帰りは東に伸びる尾根を行くと、祠が一つあるので、安全に下れることを祈願する、下って行くと、登山者が登って来た、登れるということは下るのも大丈夫なので、一安心だ、でも安心するのは下ってからの方が良かった。


 登山者に聞くと、倒木がすごいらしい、駐車場にマイクロバスは有ったが登山者には会わなかったらしい、これから大鳥屋山の方まで縦走すると言う、さらにもう一人登山者がいた。


登山者が登って来た ここから南側へ斜面を下る

 尾根を下って行くとまた、祠が有って尾根は続いているが、GPXのデーターでは尾根から左に戻るように下っているのを思い出したので、南側の斜面を確かめながら戻ると、赤テープの巻かれた木の有る所から斜面を下る踏み跡があった。


● 登山道は大変な事になっていた

急斜面を急降下 倒木が道を塞ぐ

 登山道を下って行くが、ここはすごい急斜面で一気に高度が下がるそして谷に下りると、倒木が道を塞ぐ、というより道が無い、歩けそうなところを探して、倒木を跨いだりくぐったりしながら下って行く、これほど酷い所に来たのは初めてだ。


倒木を跨いだり潜ったり こんな状態がずっと続いている

 谷が合流する所は土砂が大量に堆積していて、そんな状態がずっと続いている、山頂直下で会った登山者はこんな登山道をよく登ったものだと関心してしまう、団体さんは途中で諦めて戻って大鳥屋山の方にでも行ったのだろう。


川床が洗われて新しい岩が出ている どこまで続くのか

 下って行くと沢の左右が狭まっていて、左はい岩場で下れそうも無いので、右の斜面に登ってみる。


沢の右岸の斜面を登る

 上から見ると先の斜面を下れそうだがさらに先がどうなっているのか解らないので戻ることにする、沢の左岸に渡って先に行くとどうやら五丈の滝の上に出たようだ、下の方に橋の欄干みたいなものが見える。


五丈の滝の上に出た? 左岸を戻ると道が有った

 ここはとても下れそうもないので、酷い所だが、左岸を戻ってみると上の方に道らしいところが見えた、谷が合流するところで大量の土砂や倒木などで、登山道が解らなく成っていた、戻っていくと黄色のテープを巻かれた木の所から、踏み跡が続いていた。


滝見の松 五丈の滝観瀑台分岐

 登山道を下ると切り通しが有って、案内板がある、滝見の松ということだが、それらしい松の木は有ったのか?


 さらに下ると五丈の滝観瀑台の道標がある、上から見えた欄干みたいなものだろをと思って行ってみると、途中から道がなくなっていて、谷を覗いても滝は見えない。


 戻ると道は急角度で曲がっていたようで途中から階段があって観瀑台にいけるようだが、気力が無くなってしまい戻ることにする、道標のところでしばらく休憩する、丁度無線機のバッテリーが終わって警報が出たので交換する、今日は多くの局と交信できたし、歩いているときは GPS の Log を取っているのでバッテリーの消費が多かったようだ。


登山道が崩落している 倒木が道を塞ぐ

 休憩後、下って行くと、沢が無いところでも崩落しているし、倒木もある。


ここにも倒木が 林道終点に来た

 林道終点まで来て、ここからは林道だが、相変わらず酷い、通行止めと書かなくても車は通れそうも無い。


林道が崩落 無事に下れたことを祈念する

 駐車場まで戻ると川のところにやしろがあるので無事下って来れたことを祈念した、駐車場にマイクロバスは無かったが野田市と宇都宮市のナンバーの車が止められていた岳ノ山に登って行った登山者の車かも知れない。


● 記録

 駐車場 7:45 -(1:11)- 8:56 岳ノ山分岐 -(0:21)- 9:17 大鳥屋山山頂 10:07 -(0:13)- 10:20 分岐 -(0:19)- 10:39 624m峰


 -(0:40)- 11:19 岳ノ山山頂 12:36 -(1:18)- 13:54 五丈の滝観瀑台分岐 14:03 -(0:05)- 14:08 林道終点 -(0:11)-


 14:19 駐車場


カシミール3Dで作る

 帰り道の、道路工事現場、この辺りはかなり被害が有ったようだ、一般道の整備も終わってないので、登山道の整備なんて何時になるかわからないですね。


護岸工事中 こちらも工事中

2019年12月 foxtrot