遠かった秩父の山 矢岳

 
矢岳
(ヤダケ)
 
標高 1357.9m
 
埼玉県秩父市
 
登山日2017年 6月 4日
 
 
標高1000m位の尾根から見えた矢岳

● 梅雨入り前に

 山の会のKさんは分県登山ガイド「埼玉県の山」を踏破しているが、今度は矢岳(1357.9m)に登ろうとメンバーを集め、私にも声がかかった。


 矢岳はずっと昔、山頂の移動局と交信したことがある、HAMLOGで調べたら1996年 6月23日に交信していた、かなり大変だったと言っていたのを何となく覚えている。


 梅雨入り前の日曜日、この期を逃すと今月は山に行けなくなってしまうかもしれないのでKさんの声かけに乗ることにする。


 ヤマレコで矢岳のGPXデーターを探すが、丁度良いのがなかなか無い、武州中川駅から東日野原バス停という秩父から奥多摩へ縦走するデーターが有ったのでこれを途中でカット、地図ロイドに読み込む。


 カシミール3Dで地図をプリントしようとすると詳しく見える大きさに拡大するとコースが画面の半分しか入らない、二つに分けてJPGで出力重ね合わせるとA4を縦にして丁度良くプリントできた、でもA4を縦にプリントすると距離にして10Km位はありそうだ。


 このヤマレコのGPXデーターは秩父から奥多摩まで縦走するのに6時間くらいしか掛かってない、しかも35歳女性という事で、トレイルランみたいだ。


 Kさんの人徳のおかげか総勢8名での出発となる、このところ風の強い寒い日が二日ほど続いたが今日は風はないようだ、通いなれた道を通ってしだれ桜で有名な秩父の清雲寺の駐車場に車を停める、隣には若御子神社が有って大きなトイレがあり、若御子山遊歩道案内図がある、支度をしてまずは千手観音に寄り道する。


● 寄り道

ちょっと小さめの土俵 立派な彫刻の千手観音堂

 お堂の前には土俵があり、八月には信願相撲が行われるようだ、お堂の中を覗いてみたがどれが千手観音かわからなかった。


若御子山遊歩道案内図 ここから登山道が始まる

 以前矢岳の途中まで行ったことのあるKさんを先頭に登山口に向かう、杉の植林地の中の舗装された道を登ると道路左側に神社に有ったのと同じの若御子山遊歩道案内図があり、「フクジュソウ」と「浦山ダムに至る」と書かれた道標があり、登山道が森の中に続いている、ここから山歩きが始まる。


 杉の落葉の積もった道を登って行くと分岐がある、東電の黄色の杭があり直進が70号鉄塔に至るとある、左は「フクジュソウ」、「若御子遊歩道」の道標がある、Kさんは以前来た時は直進してこの先の70号鉄塔のところまで行き撤退したらしい、私がヤマレコで落としてきたGPXデーターでは左の「フクジュソウ」の方に行っている、皆さんと相談して左「フクジュソウ」の若御子遊歩道の方に行くことにする。


左若御子遊歩道への分岐 憩いの広場

 登って行くとすぐに東屋のある「憩いの広場」があるので休憩する、10分ほど休憩し登って行くと道に黒い大きな塊が、クマの物だろうか、九十九折れの急登を登ると壊れた祠があり先祖代々霊神塔と書かれた石柱がある。


急な道を登る 壊れた祠がある

 さらに登って行くと赤い鳥居と屋根の架けられた祠が3つある、その先は大きな岩の前を通過すると崖のような急登でロープが付けられている、幸い手掛かりはたくさんあるので何とか登ることが出来るがちょっと緊張する所だ。


鳥居と祠が3つ 大きな岩の前を登る

 急登を登りきると西側がわずかに開けた広場がある、眼下に浦山ダムの秩父さくら湖が俯瞰でき、木の葉越しに武甲山が見える、展望のない樹林帯ばかり歩いて来たので新鮮だ。


● 若御子山

急な斜面を登る 若御子山から武甲山

 ここが若御子山の山頂のようだ、しばし休憩し南に行く、風が有るが湿度が低いようでとてもさわやかだ、道は植林地の中の広い尾根を緩やかに登って行く、この辺りの木は枝打ちされて良く手入れされている、ピークに登ると三角点があり傍らの木にブリキの板で白地に青の字で「大反山」と書かれた識が付けられていた。


大反山に向かって尾根を登る 大反山の三角点と山頂標識

 ここが853.7mの「大反山」の山頂らしい、山頂標識の裏を見るとQZWと書いてある、「山と無線」のTさんのコールサインの落書きだ、2015年に来たようだ。


最低鞍部のクタシノクビレ 69号鉄塔北側に大反山

ここから今度は急な下りになる、ぐんぐん下って行くと最低鞍部に黄色の東電の杭があり右方向に70号に至るとある、木にはもう一つ武州中川駅への道標も有る、ここがクタシノクビレのようだ、帰りは大反山に登るのは大変なので70号鉄塔の方から帰ろうと衆議一決する。


 矢岳へはまっすぐ斜面を登ると、大きな送電線の鉄塔がある、これが69号鉄塔らしい、ここで一休み、Tさんから缶詰めのパイナップルが振舞われる、甘いものはうれしい。


フタリシズカ 植林地との境の急な尾根を登る

 これまでの登山道に、花はほとんど咲いてないが唯一フタリシズカだけが多くみられる。


 登山道は左側が植林地で右側が自然林の急な尾根の登りになる、喘ぎながら登って行くと錆びたワイヤロープが落ちていて、伐採された開けた場所に出る、正面南の方に矢岳らしいピークが見える、ここまで来てやっと矢岳の姿を見る事が出来た、結局この登山道でここが唯一展望の良いところだ、眼下には秩父さくら湖の末端とネイチャーランド浦山が見えている。


● 展望の良い伐採地

伐採地に出る 篠戸山

 ネットがかけられていて唐松の苗が植えられている、ネットは苗を鹿の食害から守るためらしい。


 日当たりが良いのでタラの芽の木が何本かあるがすでに育ちすぎている、良さそうな芽が有ってもネットが有るので取りに行けないが。


武甲山、見慣れない姿だ

 ここから展望の良い尾根がしばらく続く、日当たりが良いのでわずかに花も咲いている。


青い花 黄色い花

 樹林帯に入るといよいよ最後の登りだ、途中の木にこんな傷が、クマさんのいたずらかな、道はふみ跡がしっかりしていて解り安い、それでもずっと急登が続く。


クマのいたずら? 登山道は解りやすい

 登山道に角の欠けた三角点の標石があそのちょっと先の高いところが矢岳の山頂だった、東側は植林地になっている、林業の人はこんな高い所まで仕事に来るのでは大変だろうと思ってしまう。


● 矢岳山頂

矢岳の三角点、ピークよりちょっと下にある 矢岳山頂、展望は無い

 山頂は樹林に覆われていて全く展望は得られない、山頂標識が2つある、今日は4エレのヤギアンテナを持って来たのですぐに組み立てて無線を聞きながら、カップ麺を作る。


 標高1357.9mながらロケーションは良さそうでチャンネルはそこそこ使われている、空いている周波数を見つけてCQを出すと、以前交信したことのある茨城県潮来市の局が呼んでくれた、その後東京葛飾区の局が呼んでくれて無線は終了する。


 帰りは登って来たところを忠実に下るがかなりの急峻だ、展望の良い「篠戸山」の所で休憩、クタシノクビレから70号鉄塔に向かう大反山を左に巻いて下って行くと伐採地になっていて、ワラビが大量に生えているがもう時期が遅い、下に70号鉄塔を見てまた樹林帯に入る。


山頂直下の急な下り ここから左に大反山を巻く

 下って行くと登山道が右にカーブする所に「矢岳」への道標がある、道は歩く人がいないのか、荒れていて枝打ちされた枝が沢山落ちていて歩きずらい、人が歩いた気配がないので不安になる道だ、すぐに若御子遊歩道との分岐に出るのかと思ったら下っても下っても分岐に出ない、沢を渡りなおも下って行くと分岐があり、道が間違ってない事が解りホッとする。


沢を渡る 良く歩きました

 帰りに若御子神社で無事帰ってこれたことを祈願して駐車場に戻った。


若御子神社

 「埼玉県の山」の 17 矢岳 と 18 若御子山 の2座に登れて大満足の山歩きだった。



● 記録


 清雲寺駐車場 6:30 -(0:13)- 6:43 千手観音堂 -(0:19)- 7:02 登山道に入る -(0:10)- 7:12 若御子山方面分岐 -(0:14)-


 7:26 憩いの広場 7:34 -(0:37)- 8:11 若御子山 8:19 -(0:25)- 8:44 大反山 8:49 -(0:15)- 9:04 69号鉄塔 9:13 -(0:40)-


 9:53 伐採地で休憩 10:02 -(0:10)- 10:12 篠戸山 -(1:32)- 11:44 矢岳山頂 12:27 -(0:57)- 13:24 篠戸山 13:33 -(0:28)-


 14:01 69号鉄塔 14:10 -(0:04)- 14:14 クタシノクビレ -(0:41)- 14:54 沢を渡る -(0:06)- 15:01 分岐 15:07 -(0:21)-


 15:27 若御子神社 -(0:06)- 15:33 駐車場


カシミール3D作る 登り赤 下り青

2017年 6月 foxtrot