芦ヶ久保から正丸駅へ奥武蔵の山を縦走する 2015年4月12日

二子山(フタゴヤマ)
標高883m 秩父郡横瀬町
焼山(ヤケヤマ)
標高850m 秩父郡横瀬町
蔦岩山(ツタイワヤマ)
標高1004m 秩父郡横瀬町
武川岳(タケカワダケ)
標高1052m 横瀬町飯能市
伊豆ヶ岳(イズガタケ)
標高851m 飯能市 焼山に向かう登山道から望む「二子山」 沢山の登山者で賑わう「武川岳」山頂

●無線で情報を得る

 3月の休みの日、シャックでくつろいでいるとヤマランのTさんが横瀬町の二子山からCQを出していた、二子山は2013年に登った群馬県と埼玉県の県境にある山だと思っていたが、話しが微妙にかみ合わない、交信後エアリアマップで調べると、県境の二子山は小鹿野町で横瀬町にも二子山がある事が解った、Tさんは横瀬町の二子山に登っていた。


 奥武蔵の山々はまだ登ってない山が沢山ある、せっかく見つけた二子山なので、これを絡めていくつか登ってみたい、超健脚のヤマランの「やんちゃオヤジ」さんは埼玉県の山を全山登ったようなので、過去の記録を読ませていただくと、何と芦ヶ久保から二子山に取りつき、武川岳、伊豆ヶ岳、高畑山、子の権現から吾野駅に下るという全行程22Kmものコースを歩いていた。


 掲示板に書き込んでくださっている「あぶ」さんとも焼山で会われたようだ。


 やんちゃオヤジさんの歩いたコースでは私の体力ではとても歩ける距離ではないので、エアリアマップでもう少し楽に歩けるルートを調べると、二子山、武川岳から正丸駅に下るのが、無難なようだ、それでも歩行時間8時間、山頂で無線運用をすると、9時間以上かかりそうだ。


 4月に入って天候が優れないが、12日の日曜日が唯一晴れそうなので、決行する事にする、朝5時に家を出る、新町方面に向かって車を走らせているとリュックを背負った見た事のある人がいる、山の会のローラーさんが朝の散歩のようだ挨拶を交わして秩父方面に向かう。


 何時も通っている皆野町から秩父市に向かう道は霧がすごい、国道140号線を突っ切って横瀬町に入ると霧は無く成り青空が出てきた。


 道の駅果樹公園あしがくぼの駐車場に車を入れ支度をする、「登山道入口(二子山)」の案内板に従って進むとタイツに短パンダブルストックの登山者が前を行く、西部秩父線の下をくぐるトンネルを抜けると先を譲ってくれたが、左に曲る所で尾根に踏み跡があり、どちらが登山道か迷っている所で道を尋ねたのをきっかけに、以降二子山の山頂まで一緒に話しながら登る事になった。


西部秩父線の下をくぐる 急な斜面を登る

 東京から来たといこの登山者は山を始めて3年だと言うがかなり健脚のようだ、ここも何度か来た事があり今日は訓練の為に来たという、二子山、武川岳、伊豆ヶ岳と縦走し、正丸駅に下り、目標は6時間と言っていた。


 登って行くと秩父の市街地が雲海に沈んでいたが二子山の山頂に着くころにはすっかり晴れ上がった。


 二子山は低山だが芦ヶ久保から標高差600mくらいを一気に登る、累積標高差は800mあまりに成る、途中滑りやすい急な斜面にはロープが付けられていた。


●二子山山頂

二子山雌岳山頂 三角点のある二子山雄岳山頂

 二子山雌岳山頂に着く、健脚登山者に引っ張られたおかげで予定より早く着く事が出来た、雌岳からすぐに急な斜面を下って雄岳に行く、山頂は樹林に覆われていて展望はよくない、件の登山者は休む事も無く先に向かう、私は別れを言って無線運用を行うことにする、4エレメントのアンテナを組み立ててCQを出すと何と玉村町の局長さんが呼んでくれた、近くに住んでいてもなかなかつながらないのに、奇遇である、この後、横浜市の局、日高市の局と交信する事が出来た、話している間にも二組の登山者が登って来て休む事も無く焼山に向かって行った。


 3局交信したところでアンテナを撤収、先に向かうことにする、二子山山頂は二段に成っていて南側は一段低いが西側が開けていて正面に武甲山が対峙し、霧のとれた秩父の市街地が見渡せた。


秩父の市街地 急斜面を下る

 この先急な斜面が一気に下ると快適な尾根が続く、ふり返ると双耳峰の二子山が高い所に見える、アセビの木が所々にあり小さな花が咲いている、登りにさしかかり崩落して木の根が露出した急な道を登ると焼山山頂だった。


●焼山山頂

焼山への登り 焼山山頂

 ここは正に武甲山の見晴らし台で正面に削られた武甲山が大きく立ちはだかる、隣には両神山があり小鹿野町の二子山も確認できる、稜線をたどると、真っ白な浅間山の山頂がわずかにのぞいていて、隣には御荷鉾の山が並ぶ、秩父の市街地も大きく広がり展望はとても良い。


 日曜日なのに武甲山を削る音が聞こえてくる、この見事な山容もいずれ無く成ってしまうのか。


正面に武甲山右に両神山

 山頂でCQを出すと、千葉柏市、吾妻の小野子山移動局、秩父市のコンビニの駐車場にいるモービル局と交信する事が出来た。


 焼山を下ると林道に出る、登山道を分断する林道は以前道を間違えた苦い経験を思い出しどちらに行くか慎重になるが、ここは林道を左に行くよう案内がしっかりしていた。


林道に出る、ここは左に行く 広く快適な尾根が続く

 林道を200mほど行くと右側に尾根に上がる案内がある、快適な尾根道を登って行くとピークがある、右を巻くがカタクリの葉がいくつかあり、一輪だけ咲いていた、このピークには岩があり、ここが蔦岩山だった。


●蔦岩山山頂

蔦岩山山頂 蔦岩山から見る武川岳

 ここでもCQを出すと前橋市と、立川市の局と交信する事が出来た、ここから良く踏まれた道を少し下り登り返すと武川岳に着く、武川岳は2005年に武甲山、小持山、大持山とまわったときに登っているが、さしたる記憶が無い、人気の山のようで沢山の登山者がいる。


●武川岳山頂

武川岳山頂 前武川岳の分岐

 武川岳の山頂にはベンチがあり沢山の登山者が休んでいる、山頂東側にT時路がありその辺りは人がいないので、枯れ木にアンテナを設営、CQを出すと江戸川区、みどり市、飯能市、板橋区、厚木市の局と交信する事が出来た。


 交信を終えて、おにぎりを一つ頂く、当初ここから名栗げんきプラザへ下り正丸駅に行く予定だったが、時間が思いのほか早いので、エアリアマップで確認して、伊豆ヶ岳に向かう事にする、十字路を南に向かうとすぐにベンチのある前武川岳の分岐に出る、ここは標高1003mで分岐を左に行き、650mくらい急な道を一気に下り山伏峠に降りる。


工事中の林道に出る 樹林が切れると正面に伊豆ヶ岳が見える

 急な道を下って行くと工事中の林道に出る、登山道は林道を横切り植林地の脇を下って行く、登山者が一人登って来るので道が山伏峠に下る道か確認すると、登山者は笑って道が間違いない事を教えてくれた、正面には伊豆ヶ岳と思われるピークが良く見える。


山伏峠、道路に出て右に行くと登山道がある 伊豆ヶ岳登山口

 樹林帯の中の登山道を下って行くと車の通る音が聞こえ、舗装された道路に出た、ここが山伏峠のようだ、若い山ガールがしきりに地図を見ている。


 伊豆ヶ岳への登山口は道路を右に行った所に階段と道票があり道は植林地の中を登って行く、ここからまた山頂に向けて200mあまり登る事に成る、若い5.6名の登山者が追い越して行き見えなくなった、流石にここまで来ると疲労がたまっていてペースが上がらない、トレイルの男女が追い越して行く、トレイルですかと声をかけると、「なんちゃってトレイルです」と言ってそれでも登りが緩く成ると走って行った。


 数歩登っては息を整えまた数歩登っては休んでという繰り返しで登って行くと、やがて伊豆ヶ岳の山頂に出た。


●伊豆ヶ岳山頂

伊豆ヶ岳山頂 南北に長い山頂には沢山の登山者が居た

 伊豆ヶ岳山頂は露岩が点在し南北に長く東側は急峻に切れ落ちていて、霞んでいるが展望が良い、沢山の登山者が休んでいる、ザックを降ろしカップラーメンを作って遅い昼食にする、コーヒーを飲みながらCQを出すと、さいたま市、東京北区、桶川市、北本市の局と交信する事がで来た。


山頂からの展望 長岩峠、正丸峠と正丸駅への近道の分岐

 後は正丸駅に降りるだけだ、ザックを背負って下りにかかると、焼山で無線交信をしているときに登ってきた御夫婦が前を行く、ここに来るまで何度か話しているが、急な道で先を譲ってくた、正丸峠への道標に従って丸太の階段のある道を下るとここは長岩峠、右正丸駅、直進正丸峠という分岐がある、丁度休んでいる人がいたのでどちらに行けば良いか聞くと、右に行った方が駅への近道だという事なので、近道を行く事にする、予定よりも時間が早いので正丸峠に寄っても良かったのだが。


林道に出る 正丸駅に着く

 正丸駅に向かって下って行くとかめ岩という大きな岩がある、岩の上には紫のツツジが綺麗に咲いている、道は沢に沿って下るようになり、小さな滝がいくつかある、そして、舗装された林道に出た。


 ここから花が沢山咲いている集落の中の舗装路を下って行くと西部秩父線の下をくぐるトンネルに出る、トンネルの先を左に行くと、正丸駅に登る最後の階段が有った。


 予定していた時間より1時間早く正丸駅に着く事が出来た、切符を買ってホームに上がり電車が来るまでまっていると、登りの特急電車が通過しますと言う放送があった、下りのホームで待っていると何と下りのホームを特急電車が池袋方面に登って行った。


下りの線路を登って行く特急ちちぶ 14:47の電車で芦ヶ久保駅へ戻る

 14:47 の電車で芦ヶ久保駅に戻った、歩行距離15Km 累積標高2000mあまり、奥武蔵の山々は標高は低いものの、同じような高さの山を登ったり下ったりで歩きでのあるコースだった。


●記録


 道の駅 芦ヶ久保 6:25 -(1:17)- 7:42 二子山雌岳山頂 -(0:06)- 7:48 雄岳山頂 8:27 -(0:32)- 8:59 焼山山頂 9:30


 -(0:42)- 10:12 蔦岩山山頂 10:29 -(0:17)- 10:46 武川岳山頂 11:22 -(0:12)- 11:34 前武川岳 -(0:30)- 12:04 山伏峠


 -(0:43)- 12:47 伊豆ヶ岳山頂 13:29 -(0:21)- 13:50 長岩峠 -(0:24)- 14:14 林道に出る -(0:18)- 14:32 正丸駅 14:47


 -(0:11)- 14:58 芦ヶ久保駅


トラックデータ カシミール3Dで作りました

2015年 4月 foxtrot