平ヶ岳(ヒラガタケ)
 
標高2140m
 
みなかみ町、魚沼市
 
登山日2014年7月26日
 
晴れ
 
私では山頂に立てない山か

 群馬県にかかる百名山は11座有るが、そのうち唯一登って無い山に「平ヶ岳」がある、コースタイムが長く、登山口までのアプローチが長く、私には登頂する事が出来ない山だと思っていた。


 2011年10月、錫ヶ岳に挑戦して予定よりは時間がかかったが、何とか登る事が出来た。


 錫ヶ岳に登れた事で平ヶ岳が見えてきた気がした、すこし訓練すれば平ヶ岳にも登れるのではないか。


 日ごろの訓練といっても、玉村町は平地ばかりで坂が無い、散歩する時はなるべく早足で歩き負荷をかける、休日暇があると、坂を求めて藤岡市の庚申山に行って、坂道を2往復する、本当はもう少し距離があると良いのだが、あまり遠くにもそう度々行けない、すこしは効果が有るような気がした。


 2012年お盆休み、いよいよ平ヶ岳に挑戦しようと準備をして、NETで平ヶ岳の登山口のある鷹ノ巣に行く国道352号線について調べると何と台風による崖崩れで通行止めに成っていた。


 出かける前に通行止めが解ったのはある意味ラッキーだったが、これにはがっかりだ、もちろん平ヶ岳は中止、その後度々道路の情報を調べていたが、冬には通行止めになる国道352号線は復旧したのかどうか、どうも良く解らない。


 2014年に成って今年こそは平ヶ岳にと思い、梅雨時で山に行けない6月に道路の状況を調べようと「鷹ノ巣」まで行ってみた。


 小出インターで高速を降りて旧湯之谷村の方へ行く、30代の頃大型バイクに乗っていたときに、奥只見に行こうとこちらに来た事があったが、奥只見シルバーラインは二輪車通行止めで入れなく、がっかりして他に行った事があった。


 当時は暴走族のせいで二輪車が入れないのかと思っていたが、今度来てシルバーラインのトンネルに入ってみて二輪車が通行止めの本当の理由が解った。


 このトンネルは丁度私が生まれたころ奥只見ダムを作るために掘られたもので、一部岩盤が露出し、路面は地下水で湿っていて二輪車には危険な道路であった。


 シルバーラインで銀山平に出て、樹海ラインの長い道のりを経て鷹ノ巣の登山口まで行く事が出来た、家から186Kmアプローチは長い、途中工事中の所もあり、銀山湖に沈んだ神社を移転した十二山神社などなかなか興味深い。


 国道352号線が通れる事が解ったので、あとは天気の良い日に挑戦するのみとなった。


登山口に向かう


 梅雨が明けて、7月26日、天気予報が晴れなのでいよいよ「平ヶ岳」に行く事にした、25日、夕食をすませ夜8時過ぎに家を出る、鷹ノ巣の登山口には11時半くらいに着く事が出来た、駐車場は8割くらい埋まっている。


 なかなか寝付けず、うとうとしたような気がするうちに3時半に目覚まし時計で起こされる、パンを食べてヘッドライトと懐中電灯を持って、暗い中登山口に向かう。











平ヶ岳への道標


 ゲートの脇を通って広い林道を行くと、下台倉沢橋があり、広場に「日本百名山 平ヶ岳 登山道 すぐやせ尾根です」の道票と、「平ヶ岳 10.5Km」 書かれた柱がある。


 登山道は広く、暗闇の中、沢の流れる音を聞きながらヘッドライトと懐中電灯を頼りに登って行く、だんだん斜面が急に成って来て、やせ尾根らしくなってくる、暗闇の中、ツツジの葉に白い花が咲いている、初めて見る花のようだ。















燧ケ岳 尾根はますます急に成る

 やがてあたりが白んできて、左側南の方角に双耳峰の燧ケ岳が見えてくる、正面に見える尾根はますます急峻に成ってくる、登山道は湿っていて粘土質で滑りやすい、流石に100名山、急な所にはロープが沢山付けられている。


 振返ると只見川の深い谷を挟んだ東側の山並みの上に雲がかかりその中から太陽が上がってきた。


東側の山並みから朝日が昇る 鷹ノ巣山から下台倉山に続く尾根

 登山道は上台倉沢と下台倉沢に挟まれた狭い尾根で正面には右側の鷹ノ巣山から屏風のように下台倉山に続き左側の台倉山に続いている。


沢山咲いていた白い花はコメツツジ

 二名の登山者が追い越していったがいずれも単独のようだ、しばらく登ると始めに追い越して行った登山者が休んでいる、足利から来たという登山者としばらく話してしまった。


下台倉山の道標 平ヶ岳がやっと見えた

 急な尾根を登り上げると稜線に出て登山道わきに下台倉山の山頂を示す道票があった、下台倉山はただの通過点のような所だ、日がのぼってからは風もなく、日蔭も無いので暑い。


 すこし歩くと樹林越し、遥か彼方になだらかな稜線の平ヶ岳の山頂を確認する事が出来た。


 台倉山に向けて、木道やなだらかな道が続くが、急な登りがきつかったのか、寝不足がきいたのか太ももが攣るようになってしまった、ちょっと休むと良くなるので歩き始めるとまた攣ってしまう、休んでいると後から何名かの登山者が登ってくる。


 登山道脇に座り込んでいると、私より高齢のご婦人が元気に登ってきて追い越していった。


モウセンゴケ 天気が良く暑い

 ふと前を見ると、モウセンゴケが沢山ある 空は雲ひとつない晴天でとにかく暑い、何度か休みながら歩いて行くと広場が有り、真ん中に三角点がある、道票の類は何もないが台倉山のようだ。


台倉山の三角点

 先行していたご婦人が休んでいて地図を見ていた、旦那さんと二人で来たが、旦那は熱中症かなんかで、休んだがダメなので私だけ行けるところまで行くんだと言って元気に出発していった。


 時間はまだ7:30を回ったとこなので12:00まで頑張って山頂に着けなかったら諦めようと思って、ウィダーでエネルギーを補給する。


写真を撮って引き返す

 相変わらずの炎天だが、すこし良くなったような気がしたので平ヶ岳に向けて出発すると、幾らも歩かないのにまた太ももが攣ってしまう、何時もはこんな事は無いのに、これでは帰りの下台倉山からの急な下りが心配だ、一度気持ちが萎えるともうダメで諦めて撤退することにした、はるか遠くに平ヶ岳が見えている、記念に写真を撮っておく。


 台倉山に戻りしばらく休んで下りにかかる、炎天の道を下るが、下りでは足の攣れはでなかった、登ってくる登山者が沢山いる、下台倉山を過ぎて下って行くと登山道脇のわずかな日陰に休んでいる人がいる、若い登山者だが今夜山頂でテント泊するので荷物が重く、暑くて2時間半のところを4時間もかかってしまったと言っていた。


炎天の登山道を下る 鷹ノ巣へ下る急な尾根

 下って行くと下の登山道に黄色いものが見える、登って来るときにそんなものは無かったので何かと思いながら下って行くと日当たりのよい登山道の真ん中で若い登山者が休んでいた。


 東京から来た若い登山者で、黄色のTシャツで、すごい汗をかいている、夜2時過ぎに鷹ノ巣に着いて、車で寝ていて、気が付いたら7時を過ぎてしまったとのことで、とりあえず登って来たが山頂に行くには時間が足りないし、水も足りないが、もうちょっと登ってみると言っていた。


 東京から車で日帰りする人は寝る間が無くて大変だと思う。


 私の方は下るだけで時間はいくらでもあるので、ついつい長話してしまう。


こんな所もあった 鷹ノ巣の駐車場

 鷹ノ巣までの長い下りを歩きながら、朝早く出たので時間の余裕はたっぷりあった、足が攣ったとき、30分か1時間くらい思い切って長い時間休めば足の疲労も回復して、何とか山頂まで行けたのではないかと思った。


 でもこの炎天の長い下りを歩いてみると、この先家に帰るのに長い時間運転しなければならず、撤退したのも悪い判断ではなかったようにも思われた。


 鷹ノ巣の駐車場に戻ると、元気な御婦人の旦那さんらしい人が暑いなかウチワを使って暇そうにしていた。


 私は暑さには弱い方なので、9月の末にでもまた挑戦したいものだ。


記録

 鷹ノ巣駐車場 3:40 -(1:14)- 4:54 休憩 4:59 -(0:50)- 5:49 休憩 5:56 -(0:15)- 6:09 下台倉山 -(1:25)- 7:34 台倉山 7:45


 -(0:05)- 7:50 - 引き返す -(1:32)- 9:22 下台倉山 9:36 -(2:09)- 11:45 鷹ノ巣駐車場


2014年7月 foxtrot