乾徳山
(けんとくさん)
標高2031m
山梨県山梨市
登山日2012年8月26日
  乾徳山山頂

●何とか時間をみつけて山へ

 今年のお盆休みは、諸般の事情があって、山に行けなかった、このままでは、8月は”山無し”に成ってしまいそうだ。


 でも8月最後の日曜日時間が取れたので何処かに行こうと思い、あれこれ考えるに、今年は西に2回、東に1回、北にも行っているので、今度は南だということで、以前から行ってみたかった、乾徳山に行くことにする。


 国道140号雁坂みちを下って右折、徳和の集落を登って行くと、釣り堀の上に乾徳神社があった、その先に駐車場があったが車がいっぱいで駐めるところが無い、戻ると神社にも一台駐めてあるがもう一台駐められるスペースがあるので、とりあえず駐めてみる、はたしてここに置いても良い物か、悩んでしまったが、ほかに置くところも無いので、ここに置くことにして、支度をする。


 徳和川に沿って歩き始めるとすぐに堰堤があり聞こえていた水音は、この堰堤からだった、道は右にカーブして平行した道に合流する、T字路のところには、「乾徳山、徳和渓谷入口」の道標とガイドマップがある。


道標とガイドマップ 乾徳山登山口

●登山道がはじまる

 合流した道を少し行くとガイドマップと、「乾徳山登山口」の大きな看板がある、ここから、見透しの聞かない植林地の中の登りが始まる。


 鬱蒼とした植林地を登って行くと、ガーンという何かを叩く様な音が断続的に聞こえる、しばらく登ると登山道は、林道を横切っている、林道の先の方で、工事をしていて、重機で岩を割っているようだ。


銀晶水 林道を横切る

 熊よけの鈴の音が聞こえたと思ったら、先行の登山者に追いついたようだ、でも先行者はペースを上げたみたいで、私と同じくらいの速さで歩いている、小さな沢が見えたら、ここが「銀晶水」らしい、看板が有るが朽ちて字が読めない。


 さらに工事中の林道を横切って登って行くと、カーブのところに「駒止め」というちょっと広いところがあり、若いカップルの登山者が休んでいた。


 歩き始めて一時間が過ぎたので、そろそろ休みたいとこだが、展望の効かない登山道が続き、休むのに良さそうな所が無いので歩き続けると、右の方にまた沢が見えて来て、水場があった、これが「錦晶水」らしい、先行していた登山者も水場で手を洗い、ストレッチなどしている、私もここで休むことにする。


 パイプから流れ出る水で手を洗うと、冷たくて手が痛くなってくる、冷たい水をたっぷり飲んでから、ウイダーと、どら焼きを食べていると、先行者は出発していった。


●乾徳山が見えてきた

錦晶水 乾徳山が見えてきた

 ここから5分ほど歩くと、樹林帯から出て、目指す「乾徳山」が見えてくる、そして国師ヶ原の分岐に出た。


国師ヶ原の分岐 マルバダケブキの咲く草原

 分岐からしばらく行くと登山道は「マルバダケブキ」の咲く草原に変わり展望が開けてくる、振り向くと雲の上に「富士山」が浮かんでいる、今年の山歩きはお天気に恵まれている。


●富士山が見える

雲の上に富士山

 登山道はなだらかなススキの原に変わり、月見岩がある、月見岩とはどんないわれがあるのだろうか。


月見岩 扇平

 扇平を過ぎると道は再び樹林帯に入り、傾斜を増してくる、大きな岩が重なった原生林はコケが美しい、樹林帯の中の急な道を登って行くと、錦晶水で先に出発した先行の登山者が、休んでいたので、先に行かせてもらう。


髭剃岩

 髭剃岩という真ん中が割れた岩のところまで来ると、男性の登山者が休んでいた、私はここまでストックを使い地図を手に持って登って来たが、この先に岩場があるので、ストックと、地図をしまって、指先のカットしてある軍手をつけて岩場に備えることにする。


狭い岩棚 岩の隙間を下る

 狭い岩棚に登り、右に180度曲がって、階段の付けられた岩の隙間を下る、山頂直下で大きな岩のある樹林帯は、何処か似たような雰囲気の所が有ったような気がする。


鎖場 最後の鎖場

●乾徳山山頂

 2段の鎖場に出て、岩を登ると、さらに展望が開けてくる、一枚岩の長い鎖場は、足がかりはあまり良くないが、傾斜はそれほどでも無い、ここを登りきると乾徳山の山頂だった。


乾徳山山頂 富士山をバックに山梨市

 この辺りの山は山頂でも森林限界を超えないので、森に覆われているが、乾徳山は幸いな事に山頂が岩場に成っているので、木が生えられなく、360度の展望が得られる、でも私はこちらの方面は来たことが無いので、富士山以外の山は全く解らない。


 狭い山頂で、ちょっと気が引けたが、1200MHzでCQを出したら、千葉県の局と交信することが出来た。


甲武信ヶ岳、木賊山

 この辺りの山に詳しそうな人がいたので尋ねたら、北に見えるのが甲武信ヶ岳だと言う、よく見ると尖った山頂から崩落の線が下っているので、甲武信ヶ岳に間違いないようだ、右に見える雲を頂いた山は、木賊山ということか。


●下山

 下りは、鎖場を通らず迂回路を下る、鎖場の下に出ると、これから登ろうとする人たちが待っている。


最後の鎖を登る登山者 山頂直下の斜面

 下って行くと、お揃いの黒いタイツに黄色のシャツの派手なウエアを着たカップルが登って来た、下の鎖場ではビビッたと言っているこの先にも鎖があるが、迂回路があると、教えてあげた。


 山頂直下の斜面は、南側が開けていて、食事を取るのはこちらの方が広くて良さそうだ。


小さなシモツケソウ 国師ヶ原の鹿

 帰りは、月見岩で休憩、シモツケソウが咲いている、国師ヶ原では、鹿と遭遇、駒止まで下って休んでいると、山頂直下で会った、派手なウエアのカップルが下って来た、あまりに早いので驚いてしまったが、この人たちはトレイルランの人たちで、派手な衣装もその為のものでした。


 登りが2時間、下りは1時間、最後の鎖は、私は登ったけど、だんなは迂回路を登ったと、女性は自慢して、あっという間に走り去って行きました。


●記録

 乾徳神社 7:09 -(0:16)- 7:25 登山口 -(0:26)- 7:51 銀晶水 -(0:42)- 8:33 錦晶水 8:42 -(0:07)- 8:49 国師ヶ原の分岐


 -(0:25)- 9:14 月見岩 -(0:04)- 9:18 扇平 -(0:27)- 9:45 髭剃岩 -(0:23)- 10:08 乾徳山山頂 11:05 -(0:32)- 11:37 月見岩


 11:41 -(0:16)- 11:57 国師ヶ原 -(0:05)- 12:02 錦晶水 -(0:18)- 12:20 駒止 12:28 -(0:15)- 12:43 銀晶水 -(0:16)-


 12:59 登山口 -(0:11)- 13:10 乾徳神社


●帰りの道すがら

 国道140号の雁坂トンネルの上には雁坂峠や、雁坂嶺、破風山など、魅力的な山がある、これらの山を歩くのに、起点になるところはないかと、帰りの道すがら、調べてみる。


 「道の駅みとみ」の駐車場から見える山は、破風山(2317.7m)の様にも見えるが定かではない、道路下にも、西沢渓谷の駐車場があるので、この辺りを起点に、雁坂峠→雁坂嶺→破風山→木賊山→西沢渓谷となかなか魅力的なコースだ、問題はコースタイム 10:30 私の体力ではかなり厳しい。


「道の駅みとみ」の駐車場から

 雁坂トンネルを抜け、奥秩父トンネルを抜けた所に、「出会いの丘」というところがあるので行ってみる、建物の前に駐車しようと近かずくと、消防車が止まっていて、消防士の人が、これからヘリポートにヘリコプターが下りる、近くにいると強い風が来るので離れた所に止めてもらえないかと言う。


出会いの丘に消防車 建物の脇にヘリポートがある

 何があったのか聞いてみたが、はっきりとは答えてくれなかった、秩父方面に下って行くと、ヘリコプターが飛んできて、そのあとパトカーや救急車が、登って行った、遭難か、事故でもあったようだ。