笹塒山
ささとややま
登山日2011年 7月22日
標高1402m
群馬県高崎市(旧倉渕村)
吾妻郡東吾妻町
  笹塒山山頂

●夏の低山

 夏の低山は、暑いし、草が茂っているし、虫や、蛇などがいるかもしれないので、山歩きには、あまり条件がよくない、低山はできれば冬に登る為に取っておきたいところだ、でも笹塒山は大峯に登ったとき、竜ヶ岳とともに、未踏の山だと気付いて、竜ヶ岳は登れたものの、笹塒山は震災のせいで登れなくなってしまい、早く登りたいと思っていた山だ。


 平日ではあるものの、この際登っておこうと出かけることにした。


竜ヶ岳と笹塒山

 倉渕ダム現場事務所前の広場に車を止めると、後ろから走って来た車も、隣に車を止めた、作業服を着た2名の人が降りてきて、門の鍵を開けて、建物の写真など撮っている、ダム工事の関係の役人のようだ。


 私が車を停めたのをとがめる様子も無いが、念のため停めておいて良いか聞いてみたが、構わないと言う。


 ダムはもう作らないのでしょうと言うと、ここも撤収しないといけないと言いながら、鍵を閉めて行ってしまった、この建物もいずれ、取り壊されてしまうのだろうか。


倉渕ダム現場事務所

●林道の落石はかたずけられていた

 竜ヶ岳に登ったときは、ゲートに鍵がかけて無いのに気が付いたので、ゲートを開けて林道の中まで車で行ってみたが、ゲートの中に閉めこまれても困るし、たいした距離ではないので、事務所の前に車を置いておくことにした。


 支度をして、ゲートを跨ぎ、林道を登る、道を塞いでいた大きな岩は、道端にかたずけられていた、天気は曇りで暑くないのは助かる。


道を塞いでいた大きな岩 かたずけられていた

 薄暗い林道を、分岐まで来る、竜ヶ岳は左へ行ったが、今度は正面の細尾沢支線に入る、ゲートには立入禁止の看板があり不審者を見かけたら群馬森林管理署まで連絡して下さいとある、誰かに見つかったら不審者として連絡されてしまうのかな、なんて思いながら、林道を登る。


直進、ゲートを越えて林道を登る

●林道分岐は直進

 植林地は薄暗く、気持ちが悪い、日当たりの良い所へ出ると、夏草が茂り、昨夜来の雨で湿っていて、こちらも快適とは言いがたい、ストックで草を除けながら登って行く、次の分岐は左に鋭角に曲がり、日当たりが良いので、夏草が盛大に茂っている、草花も日の光を求めて熾烈な競争をしている。


 あまりに藪が深くなったら、諦めて、久しぶりに浅間隠山にでも行こうかと思いながら登っていくと、南側の展望が開けて来る。


夏草の茂る、二番目の分岐 綺麗な花が咲いていた

 稜線左に見えるピークは大峯かな。


稜線左のピークは大峯? 林道終点

●林道から登山道へ

 林道終点も藪に覆われていて、ここから右に登山道が始まり、すぐに尾根への本道のT字路突き当たり左に登る。


この藪が一番すごかった

 ここからが尾根への登りだが、この藪が一番ひどかった、先を見ていると、鹿にしては、茶色が濃いので、カモシカと思われる、立派なのが、走って横切って行った。


 歩き始めて一時間ほどになるので、休むことにする、バナナと、スポーツドリンクでエネルギー補給をする。


 休憩後慎重に藪を越えて登ると、快適な尾根に出た、そして登山道には動物の足跡が、カモシカかな。


快適な尾根道 動物の足跡

●道を失う

 登山道を登って行くと、正面に岩山が現れる、左側に立派な道が有るので、そちらに行くと、これが大きな間違いだった、斜面に付けられた踏み跡はだんだん細くなり、崩落地に出てしまった。


 道が無くなってしまうということは尾根上に登山道が有るはずなので、崩落地を登ることにする、落ちるとただでは済みそうに無いので、慎重に登り、樹林帯をはい上がると、思ったとおり、登山道に出た。


尾根に岩山が 崩落地を登る

 ルートが戻ったのでホッとして、登って行くと道は笹の尾根に変わり、さらに、尾根が広くなり、踏み跡が沢山あって、どこでも歩けてしまう。


 帰りの事を考えると、不安になる、振り返って、登って来たところを確認しながら、ジグザグに踏み跡の濃い所をたどると、道は尾根の右に回り込んでいる、尾根の方にテープがあるので、急な斜面を直登すると、草つ付き快適な道が有った。


笹原の中に登山道がある 草つきの快適な道

●稜線に出る

 さらに笹原の斜面を登ると、高崎市と東吾妻町を分ける、稜線に登り上げることが出来た、稜線には東西に踏み跡があり、笹塒山は右に行くことになるが、帰りの稜線からの下降点を間違えると大変な事になるので、辺りを良く確認する、皮をかじられた松ノ木と、黄色と赤のテープがあった。


稜線の下降点に皮を剥がれた木とテープがあった 展望台から竜ヶ岳

 稜線を右に行くと、南側に、露岩のある展望台があった、露岩の上に立つと足元はすっぱりと切れていて、展望が良い、西側に、竜ヶ岳、南には、雨ん坊主と中垣岩、国道406号の橋が見える、天気が悪く、遠くはガスにけむっていた。


●笹塒山の山頂

山頂の石祠と鳥居 山頂の展望台から

 稜線に戻って歩くと、すぐに笹塒山の山頂だった。


 山頂はちょっとした広場になっていて、石祠とパイプで作られた小さな鳥居があり、その後ろに山名板があった。


 南に少し下ると、ここにも露岩の展望台があり、展望が良い、下を見ると、木立が針のようだ。


 430のアンテナを組み立てて、ワッチしながら、今日の昼食は、蕎麦を戴く。


 むかし、谷川連峰の茂倉岳の山頂に立ったとき後から登って来た登山者が、コンビニの蕎麦を出しておいしそうに食べていたので、私もいつかやってみようと思っていたが、丁度コンビニでおにぎりが売り切れで、蕎麦が有ったので、願いが叶ったわけだ。


 だしで蕎麦をほぐし、わさびを入れると、なかなかおいしい。


●無線交信も出来た

 平日の低山という事で、無線の交信相手がいるか心配であったが、CQを出すと、私と同じように、木金が休みの局長さんが応答してくれて、交信することも出来た。


 下りは、ルートを外さないよう、慎重に下ることにする、登るとき、ルートを失って戻るのは、下るのであまり苦にならないが、帰りに戻るのは、登り返さないと、いけないので、大変になってしまう、この時期の低山は、下草が茂り、ルートが解りにくい、少しでもおかしいと思ったら、辺りを良く見て、テープの類を探しながら、下ると簡単に降りることが出来た。


 登るときに間違えた、分岐も良く見ると、木の枝で、トウセンボがしてあった。


下降点から下る 林道途中に出る所の目印

 林道終点に向かうT字路をまっすぐ下ると、林道途中のカーブミラーのあるところに、飛び出した。


●写真を撮りながらのんびり歩く

 林道に出ると、下草も乾いて歩きやすい、写真を撮りながら、夏の低山を無事歩けたことに満足して、車を停めた所までのんびり歩いた。


ホタルブクロ ネジバナ

大きな蝶

何という名の虫か ユリが咲き始めていた

●記録

 倉渕ダム現場事務所 9:54 -(0:18)- 10:12 林道分岐 -(0:14)- 10:26 林道分岐 -(0:30)- 10:56 林道終点 -(0:05)- 11:01


 休憩 11:10 -(0:32)- 11:42 崩落地に出る -(0:39)- 12:21 稜線に出る -(0:06)- 12:27 笹塒山山頂 13:13 -(0:08)- 13:21


 下降点 -(0:38)- 13:59 登りで休んだ所 -(0:02)- 14:01 林道終点への分岐 -(0:04)- 14:05 林道へ飛び出す-(0:59)- 15:04


 倉渕ダム現場事務所