落ち葉を踏んで谷急山

 
谷急山(ヤキュウヤマ)
標高1162m
松井田町
登山日1997年10月25日
  谷急山

●妙義山の最高峰

 妙義山の最高峰「谷急山1162.1m」は以前から登ってみたいと思っていたが、登った事のある人に聞いてみると、かなり険しいという事でなかなか出かける気になれなかった。


 このところ好天が続いているし、紅葉も期待できそうなので、行けるところまででも良いかと思い、出かけてみることにした。


 10月25日朝6:30位に家を出て碓氷バイパスから「恩賀」方面に向かう。


 入牧橋を渡るとすぐに小さな道標がある、少し先の道路右側の広場に車を停める、近所の人が道路の端を箒で掃いていたので、車を停めても大丈夫か聞いてみたらOKとの事で安心して出かけることができた。


 道標にならって登って行くと、登山道は数件の民家の後、畑があってすぐに雑木林に入って行き、並木沢に沿って行く。


 舗装されていた道はやがてそれも切れて、落石の多いかなり荒れた道になった。


三方境への道標

 10分ほど歩くと、三方境方面を示す道標のある分岐に出て、その先で並木沢に降りて、沢を僅かに登ったところにまた道標があり、杉林の中の登山道へと続いていた。


 沢の奥の方に大きな岩があり隠れたように「牛名の滝」があった。


 うす暗い杉林を抜けて雑木林に入ると十三曲がりという九十九折りの道になる、ここ数日の好天のせいか、登山道はカラカラに乾いていて、そのうえ枯葉に覆われているので終始ガレ場のような状態でたいへん滑りやすく緊張させられる。


 十三曲がりを過ぎると、相変わらず落ち葉に覆われているが、やや平坦な道で右側が沢に落ちている狭い方斜面の道が続き、露岩の出たところに鎖が設置してあった。


 この先で登山道は一旦沢に降りる、しばらく沢の中を登っているが、途中良さそうな所で小休止することにした。


 登山道は終始落ち葉に覆われていて、ルートがわかりずらい所があるが、赤テープや、三方境←→入牧橋の案内板が所々に取り付けて有るので、良く確認すればまず迷うことは無さそうだ。


 小休止の後、急登の登山道を登るとやがて尾根に出る、笹原が出てきたと思ったら、その先が三方境だった。


●三方境

 三方境で右折して谷急山方面に向かう、やや下ってすぐに大遠見峠に出た、ここは峠といっても、朽ちた道標がある薮で、峠らしくない。


 数メートル先に女道への分岐が有った、この先からいよいよ谷急山に向かっての本番の登りが始まる。


裏妙義の岩峰

 振り返ると雑木の間から烏帽子岩が見える。急登を登ると岩場に突き当たった、今回は130選のコピーを持って来たが、これが大変役に立った、突き当たった岩場が「草付きの岩」かと思ったが、これは違うようで、岩の左側を登りしばらく登ると、984m峰だった、ここから切り立った前衛峰が良く見える、はたしてあんな所が登れるのかと大いに不安になる。


 この先は終始三点確保が必要に成りそうなので、何時も使っているストックを縮めてザックに取り付けて、先を目指す。


 やや下っていよいよ前衛峰への急登だ、登って行くと、また岩に突き当たった、これが「草付きの崖」のようで、踏み後は岩の手前を右に登っていた、途中ロープが3本ほど掛けてあった、これが無かったら、登るのは諦めたと思う、登るにつれて降りられるだろうかとかという不安が募ってくる。


 途中のやせ尾根では、恐くて下を見ることが出来なかった、でもこの辺りからは表妙義方面の展望が素晴らしい。


 何とか前衛峰に着くと、目指す谷急山の山頂が間近に見える。


 前衛峰で小休止して先を目指す、ここから一旦急降下すると大ギャップだ、V字状の割れ目というのはどんな物かと思ったら、要するに大岩壁が対峙している状態で、元々は一つの岩だったものが侵食されたのか、大きな岩峰が二本並んでいるだけなのか解らないがなかなか壮観である。


 大ギャップを越えるとまた急登でその先に小ギャップがあり、「横に長いCの岩」があり、踏み後が分岐しているように見えて少し悩んだが、コピーのおかげで、間違わずにに登ることができた。


 この先で単独行の降りてくる人がいて、挨拶もそこそこに様子を聞くと、目の前に見えるピークを越えると後はたらたらで、「もうちょっと」だとの事であった。


●谷急山山頂

谷急山山頂

 この先のピークに登るのにもロープが一本取り付けてあったが、なんとか登って、やっとの事で、谷急山の山頂に立つことができた。


高岩方面 表妙義方面

 山頂には三角点の標石があり360度の展望が素晴らしい、残念ながら遠くの方は靄が掛かっていて見えないが、長野県側は「高岩」が間近に見える、上信越道は大変混んでいて、高岩トンネルから渋滞が続いている。


上信越道を見下ろす

 群馬県側は裏妙義の岩峰や、白雲山、金銅山などが指呼の距離だ、双眼鏡で覗くと、丁須岩には登山者も見える。


 誰もいない山頂を独り占めで写真を撮ったり食事をしたりで、正に至福の時を過ごすことが出来た。


 無線では、レピーターで子持山移動のJR1C** Sさんとつながった、1200MHzはいまいちだったので、めずらしく430MHzでもCQを出してしまった。


 何局かのQSOの後、松手山移動の7N1I** NさんともQSOする事が出来た。


 山頂には2時間ちょっと居たが、その間誰も登って来なかった、無線を切り上げてそろそろ降りようと思っていたら、ヘルメットが見えて、3名の沢登りの人達が登ってきた。


 谷急沢を遡上してきたとのことである、その後は今度は2名のまたまたヘルメットを被った人達が登ってきた。


 この山に来て会ったのは六名だけで、一日で登った人が私しも含めて7名だけと、大変静かな山でした。


 これで上毛三山の最高峰を全て登頂することが出来た、実はこの言葉を是非とも書いてみたいと前々から思っていたが、やっと実現する事ができた。


●記録

 駐車場 8:22 -(1:21)- 9:43 三方境 -(0:51)- 10:34 前衛峰 -(0:39)- 11:13 谷急山山頂 13:25 -(1:27)- 14:52 三方境


15:00 -(0:52)- 15:52 駐車場


 帰りの道すがら、岩の平の集落の所で椎茸栽培をしている農家があったので、おみやげに買って帰りました、スーパーでは売って無いような6、7センチの大きさの肉の厚い椎茸が10個程で500円でした、売ってくれた農家は、岩の平の集落の登山道を登った最後の家で、夕食には久しぶりに焼いた椎茸が食べられました。


1997年10月 foxtrot