アップ、ダウンの激しい 岩菅山 

 
岩菅山(イワスゲヤマ)
標高2295m
下高井郡山ノ内町
登山日1997年 8月13日
  岩菅山山頂で

●始めは岩菅山

 今年の休みは5日間しかないが、2回ぐらいは山に行きたいと思っていた、当初「苗場山」はどうかと考えていたが8時間半の行程に怖じ気ずき、ならば「岩菅山」はどうかとJR1C**Sさんを誘ったところOKとの事で、8月13日、JL1H** Sさんと3名で出かけた。


 「岩菅山」は志賀高原の高天ヶ原、夏山リフトで登り始めるものと頭から決めていたので、8時半位に高天ヶ原に着ければ良いと思っていたが、同行の人達は朝に強く、4時頃の出発となった。


 コンビニで食料など仕入れ、倉淵村経由で草津方面に向かうと天気が思わしくない、志賀草津道路に入ると、ついに降り出してしまった、渋峠では雨は止んでいるが、ガスが出ていて何も見えない、ダメモトで登山口だけでも確認して来ようと、高天ヶ原まで行ってみると、曇ってはいるが、雨は止んでいて何とか行けそうである。


 3人で相談の結果、行くことに決定仕度を整える、時間はまだ8時でリフトは動いていない、ゲレンデの脇を歩いている人がいたので、私たちも歩いて登ることにした、後で思ったのだが、30分待ってリフトで登った方がこの後の行程を考えると、楽だったのではないかと後悔した。


●東館山

 30分程で東館山のリフトの駅に着いた、此処からゴンドラの駅の方に登ると高山植物園があった、一の瀬旅館組合発行の岩菅山登山のパンフレットには”約500種類の花々が咲き誇る”とあるが、なるほど花壇のように区切られた植物園には沢山の花が咲いていて、それぞれに花の名前を書いたプレートが付けられていて、大変興味深い、これを見るだけでも此処に来る価値が有るように感じた。


 植物園の中から道標に従ってミズバショウの群生地の方に行く、ミズバショウは小さな細長いパイナップルのような実?がなっていて、この実は柔らかくて簡単に折れてしまう、折れると中が白いので、感心してしまった。


 植物園を過ぎると広い林道に出た、スキーの季節は寺子屋のゲレンデから高天ヶ原方面への迂回コースだったように思う、林道を登った寺子屋のゲレンデは、スキーに来たとき−20度の標示が有って、驚いた記憶がある。


 寺子屋のゲレンデの奥には真新しい丸太の階段が樹林の中に続いている、階段はまだ工事中らしく丸太の材料がゲレンデの脇に積み上げられていて、青いシートが被せてあった。


 真新しい丸太の階段の登山道を登ると、途中には工事に使ったのかシャベルが数本置いてあった、「寺子屋山」の山頂は登山道が少し広くなった真ん中に標石が埋められていて、樹林帯の中で展望は全くない、山頂を確認しただけで通り過ぎ、10分程で「明石山」方面を右に分ける「金山沢ノ頭」についた。


●金山沢ノ頭

 「金山沢の頭」からしばらく行くといきなり樹林帯が切れて目の前に大展望が広がった、遥か遠くにひときわ高く三角形の美しい「岩菅山」が見える、そして「岩菅山」までは長い長い稜線が続いている。


 あまりの展望に見とれながらもはたして「岩菅山」までたどり着けるのか、不安がよぎる、目の前の登山道はかなりの角度で下っているが、その先はさらに登り、下りが有るようだ。


 右側の斜面には沢山の花が咲いている名前の解るのは「シシウド」くらいのものだが、赤、白、黄と沢山の花が咲いている、花を見ながら大休止である。


 しばらく休んだ後に歩き始めるが、この稜線はいったい何回UP.DOWNを繰り返すのか、標高は2000mを下る事はなかったが、なかなか「岩菅山」に近ずかない登り下りの稜線をひたすら歩く、「ノッキリ」手前のピークで小休止していると、4、5人の登山者が、山頂直下の急登を登っていくのが見える。


 「ノッキリ」に着くと、白いスポーツウエアを着た高校生が3名ほど休んでいた、聞けば、高校の陸上部との事、先に登っているのも仲間のようだ。


●岩菅山山頂

岩菅山山頂から横手山方面

 此処からが最後の急登である、露岩の出た足場の悪いところを喘ぎながらやっとの事で登り「岩菅山山頂」2295mに立つことが出来た。


 山頂には「130選」に載っている茸のような岩や、石の祠や、避難小屋があり、その先に、三角点があった、茸岩の隣りの露岩にザックを降ろし一息ついているとSさんが登ってきた、思わず握手をして登頂を称えあってしまった。


岩菅山山頂からの展望

 曇ってはいるものの、山頂からの展望は素晴らしい、目の前に見えるのは「ダン沢の頭」か、「浅間山」、「横手山」、「四阿山」、雲の上には北アルプスの峰々、歩いてきた稜線の先には「寺子屋山」や高天ヶ原のゴンドラ山頂駅など、北側には「焼額山」「裏岩菅山」はすぐ近くに見える。


 東は雲が切れると「白砂山」と思われるピークやそれに続く「佐武流山」?など、しばし見とれてしまった。


●無線

 小分け蕎麦で昼食後、1200MHzでCQを出してみたところ、埼玉県戸田市、長野市、東京練馬区、川崎市多摩区の4局ど交信する事が出来た。


 下山は途中、足場の悪い露岩地帯を過ぎた辺りで、ザックも持たずに登ってきた、中高年の3、4人とすれ違った、発哺温泉からゴンドラリフトで登って来たというから驚きである、強いというか、無謀というか何を考えているのか。


 下りは「ノッキリ」から一ノ瀬方面に向かう、途中振り返ると「岩菅山」が良く見える、傾斜もさほどではないので、こちらから登るのも良いかと思ったが、やがて樹林帯に入りそれも延々と続く、やがて丸太の階段がまた延々と続き、アライタ沢という沢に出る、そこから上条堰という一ノ瀬のホテル街に浄水する為に作られたと思われる堰にそってまたうす暗い道を延々と歩くので、やはりこちらの道は下りに使った方が良さそうだ。


 一ノ瀬のゲレンデから車道に出る頃にはまた雨が降りだした、なんの装備も持たずに登っていたオバサンたちはどうしたろうかなどと思いながら車道を歩いて高天ヶ原の駐車場に戻った。


●記録

 高天ヶ原駐車場 8:00 -(1:30)- 9:30 寺子屋山山頂 -(0:12)- 9:42 金山沢の頭 -(0:28)- 10:10 大休止2035m -(0:40)- 11:00


 小休止(ノッキリ手前のピーク) -(0:11)- 11:11 ノッキリ -(0:30)- 11:41 岩菅山山頂 13:12 -(0:23)- 13:35 ノッキリ


 -(0:49)- 14:24 アライタ沢 -(1:10)- 15:34 駐車場


 今回は「裏岩菅山」には行けなかった、大変展望の良い山なので、また機会をみて次回行けたらそのときは「裏岩菅山」まで行ってみたいものだ。


1997年 8月 foxtrot